演出POPと告知POPをごちゃごちゃにしない


今日は、演出POPと告知POPについて説明します。
いろいろなPOPの種類がありますが、この二つのPOPは、2大POPと言っていいほど、売場で重要なPOPです。
それぞれ使用目的や置く場所、サイズや器具などが違います。

まずは、演出POPからお話します。
演出POPとは、商品や店舗を演出するPOPのことです。
文字ではなく、イラストや写真が中心になっているPOPで、店舗やブランドの世界観を醸成する役目があります。

  • タレントやモデルのポスター
  • 都会や田舎の情景描写
  • 職人の手作業風景、工房の写真
  • 商品を使っている情景描写
  • テレビCMと連動した表現
  • 芸術家のアート作品

などが演出POPです。

ドラッグストアで見かけるエビちゃんやガッキーのポスターがそうです。
GAPやユニクロで見るモデルのポスターがそうです。
ラルフローレンで見る、都会のモノクロイメージ写真がそうです。
吉田カバン売場の皮革製品を作っている工房の写真がそうです。
クルマのショールームで見る、草原を走っている車のポスターがそうです。

これらは下記の特徴があります。

  • サイズは比較的大きく、フレームを使う傾向がある。
  • 壁面に設置することが多い。
  • 商品写真が映っていない場合もある。
  • 商品名や商品説明がない場合も多い。
  • 複数固めて、あるいはリピートで設置される場合が多い。
  • POPと背景の環境、すなわち照明や壁紙・什器などと一体化されることが多い。

掲出注意点としては、下記が上げられます。

  • 設置する場所を選ぶ。棚の空いたところにペタペタ貼るようなPOPではない。
  • ショップデザインと表現テイスト一体化させなければいけない。
    つまり、都会的でモダンな店なのに、田舎の風景写真を演出すると、イメージがちぐはぐになる。
  • 店頭に吊るしたり、テープでチープに貼るようなPOPではない。
  • 名刺大のようなサイズの小さいPOPにしても意味はない。B3以上の大きさはほしい。

演出POPはまさにブランディングなのです。

次は、告知POPです。
これは連呼のPOPと言ってよく、フェアやイベント、キャンペーンを告知するPOPのことです。
今バーゲンシーズンなので、どこの商業施設も告知POPが多く露出していると思います。
告知POPは下記の特徴があります。

  • POPは1枚だけでは意味がなく、3枚以上リピートさせないと告知の効果はない。
  • 高さを揃えないと意味がない。繰り返している様が分からない。
  • 等間隔に並べなくなくてはいけない。
    例えば、フロア通路沿いに5m間隔に置く、棚ごとに左側にグリッドラインを縦に揃えて置くなど。
    リズム感が必要である。
  • 繰り返すPOPのデザインは同じでなくてはいけない。
    不用意に色を変えたりすると、効果は半減する。
  • 文字をたくさん書くと読めない。キャッチフレーズ位の文字でないと、歩いたり車でドライブしている人が読めない。
  • POP器具も統一しなけれ、リピート感はない。

告知POPは「パチンコ店の新台入れ替え」ののぼりと同じです。
繰り返して店頭に設置しないと意味がないのですし、注目率も低くなり、にぎやかさもなくなります。

◆◇◆

さて、本題です。この告知POPと演出POPがゴチャゴチャになっているお店が実に多いです。
告知POPと演出POPは、今まで語ったように、場所と体裁を選ぶのですが、棚や壁に適当に貼るお店が多いです。
例えば、スイーツショップの壁にA4「中元フェア」の告知POPをペタッと1枚だけ壁に貼りつけても意味はないです。
インパクトがないですし、フェアのにぎやかさはみじんもありません。
そのフェアのPOPの横に、お菓子職人の演出ポスターが貼ってあるとしましょう。
その場合は、ブラントの世界観はまったく出ていません。
告知POPが演出POPの荘厳さを汚してからです。

同じように、カーディーラーのショールームに行くと、「ボーナスフェア」のA1POPが1枚だけウインドウに貼られています。
これを唐突POPと呼んでいますが、いきなり清楚なウインドウにペタッとあります。
まさに唐突!
これらのPOPはペナント、のぼり、L字型スタンドPOPにして、連続で店頭に少なくとも5枚は並べないと意味はありません。

その他、車に乗っているタレントの演出POPがトイレのドアに貼ってあったり、カタログスタンドの横にしなれた形で貼ってある風景を見て、ガックリと肩を落としてしまいます。

店は子供部屋ではないですからね。。。。

わかりましたでしょうか。演出POPと告知POPの違い。

POPには種類があり、それぞれ役目と正しい使い方があります。
VMDインストラクターの皆さん、これをしっかり覚えて、POPを管理してください。~

(vmd-i協会事務局)