モデルの写真

演出POPでブランド空間を演出する


以前、このブログでPOPの種類は6つあるといいました。
商品・演出・告知・誘導・注意・案内の6つですが、今回はそのうちの「演出POP」について講義します。

※参考/POP6つの種類

1.演出POPとは

演出POPとは、商品やブランドを演出するPOPのことです。
下記の様なものが演出POPです。一つ一つ解説します。

●タレントのポスター 

タレントのポスター
  • 雪肌精の新垣結衣や大谷翔平
  • SKⅡの綾瀬はるか
  • CWXのイチロー
  • スカイナーの浅田真央
  • ソフトバンクの「お父さん」 etc

これらはテレビや新聞の広告と連動してることが多いです。
タレントをアイキャッチに、商品写真は小さめにレイアウトしています。
タレントが商品やブランドの推奨役になっています。
タレントのキャラクター性を商品やブランドに刷り込んでいます。

●モデルのポスター

モデルのポスター

下記の店内に掲示されているモデルのポスターがこれに当たります。

  • ユニクロのようなSPA
  • ルイ・ヴィトンのようなブランドショップ
  • ゼビオのようなスポーツ用品店
  • ヤマダ電機のような家電量販店
  • テンピュールのような寝具店 etc

これらの店ではモデルが商品を使用しているシーンが多いです。
服を着てゆったりした生活を送っているシーン、アスリートがランニングしているシーン、キャンバスでケータイを使っているシーンなど。
ライフスタイル、ステイタス、テイスト、トレンド、エイジなどを商品やブランドにスライドさせています。

●絵画・風景写真ポスター

絵画・風景写真ポスター

これはファッション店でよく見ると思います。
服と直接関係ない、海や山の風景、鳥や動物、都会の街並み、部屋のインテリアなど、風景を切り取った写真がフレームに入れて飾られています。
これは、服を着たシーンを切り取った一コマの場合もありますが、多くはブランドや商品の世界観を表している抽象的な写真です。
例えば、サーファーの店なら、ビーチや波のうねり、海の家、駐車場のオープンカーといった風景写真になります。

また、インテリアディスプレイと呼ばれるもので、スターバックスにあるような絵画フレームも演出POPです。

  • コーヒー店、レストランなどの額縁
  • 保険ショップ、ブライダルショップなどの壁面の額縁
  • ヘアサロン、マッサージ店などの壁面の額縁
  • 百貨店、ショッピングモールの待合いスペースの額縁
  • 歯医者や耳鼻科などクリニックの待合いスペースの額縁 etc

●商品ポスター

商品ポスター

これは商品を説明する説明POPではなく、商品を拡大してドラマチックに見せるためのPOPです。

  • ケータイショップにおけるiPhoneのポスター
  • カーディーラーにおける車のポスター
  • ジュエリーショップにおける結婚指輪のポスター
  • 食器店におけるワイングラスのポスター
  • ハンバーガー店や回転ずし店におけるメニューポスター
  • 家電店における家電品のポスター
  • 旅行代理店による旅行先の風景ポスター etc

2.演出POPの注意点

演出POPは文字通り、商品やブランドを演出するPOPなので、貼り方を間違えると、ブランド台無しになってしまいます。
注意点を述べましょう。

  • 空いているからといって貼らない
  • フレームに入れる
  • 商品の近くに置く
  • グリッドラインを揃える
  • アートになるように貼る

などです。
ひとつひとつ解説していきましょう。

●空いているからといって貼らない

POPの貼り方悪い例

ドラッグストアやスーパー、家電店のタレントポスターはほとんどメーカーの持ち込みです。
そのため、商品陳列の空いたスペースに演出POPを張るのが常になっています。

  • 棚の空いたところ
  • 壁の空いたところ
  • 天井近くの空いたところ
  • カウンターの下
  • トイレの入り口
  • ドアのガラス面
  • 商品陳列の後ろ

などなど、売場が商品とPOPでごちゃまぜになっているケースが多いです。
これだと、モデルやタレントがかわいそう。
シャンプーに押しつぶされている美人のポスター見たくないですよね。
「赤札市!!」のPOPに押し切られそうになっている野球選手のポスターも見たくないですよね。
トイレりサインの横に貼られているハリウッドモデルも見たくないはず。

演出POPは家のインテリアと同じ。
優雅に貼られることによってその価値を発揮できます。
お客様が見やすいところに、そのためのスペースを取って、きちんと貼りましょう。
一度、ラルフローレンやユニクロ、無印良品のお店を見に行くといいです。

●フレームに入れる

フレームPOP

演出POPはフレームに入れましょう。
額縁にいれることによって価値が高まります。

セロテープや画鋲、ホチキスで貼ると、ビラのように見えてしまいます
大きい演出POPは額に入れると様になります。
額といっても、おおげさに考える必要はありません。
モナリザを飾るわけではないので、プラスチックの薄いフレームでよいのです。
ほとんどのポスター用額縁はネットやディスプレイ用品店、ホームセンターで買えてしまいます。

例えば、マクドナルドやケンタッキー、ガストやミスタードーナツの壁面のポスターを見てください。
「月見バーカー」や「ガーリックホットチキン」のポスターはポスター用フレームに入っています。
壁面に等間隔で並んでいて、とてもきれいです。
これらが、カウンターの下やレジの仕切り、ドアのガラスにセロテープで貼られていないですよね。

大きなものは額、小さなものはアクリルスタンドに入れて掲示することを心がけましょう。

●商品の近くに置く

ウイリアムソノマのPOP

演出POPは商品を演出することが多いです。
商品の持つ世界観を醸し出すことができます。
例えば、ウイスキーのディスプレイ背後に、富士山の雄大なポスターを設置するとします。
すると、お客様は「このウイスキー、富士山の恵みでできているんだな」「このウイスキー、おいしい富士山の水でできているんだな」と感心してくれます。

ところが、この富士山のポスターがウイスキーから1m離れた場所に置いてあると、お客様はもう富士山とウイスキーを結びつけることができません。

演出POPは商品の近くに置くことを心がけましょう。

●グリッドラインを揃える

ホノルルクッキーのPOP

演出POPは家の額みたいなものです。
グリッドラインを揃える、等間隔展示にするのが基本です。

JTBのお店にあるハワイの写真のように展開しましょう。
これはフレームのサイズが違っていも同じです。

等間隔、グリッドラインフィックスが基本です。
写真上は額の底のラインにグリッドを合わせています。
写真下は、額の中央にグリッドを合わせています。

線を取ってみましょう。
ほら、きれいに壁に展開しているのがわかりますよね。

●アートになるように貼る

DFSのPOP

ブランドショップやセレクトショップのような店は、インテリアディスプレイとしてポスターを掲示しています。
風景ポスターや絵画をお店を家と見立てて文字通り、額として壁に掲示します。
住宅展示場やモデルハウスで見るように、センスよくアート的にPOPを掲示します。

これ、下記のブログで詳しく写真入りで解説していますので参考にしてください。

●演出POPでアートな売場をつくろう

3.まとめ

わかりましたでしょうか。演出POPの種類と注意点。
演出POPがあると、売場にブランド空間を作ることができ、商品も魅力的に見えます。
ぜひあなたのお店に演出POPを掲示してみてください。

なお、POPの活用方法に関しましては、センスアップセミナー「POP活用体系」で詳しく講義しています。
●センスアップセミナー「POP活用体系」
7月に行う予定ですのでその時はぜひご参加ください。

(VMDインストラクター協会事務局)