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POPはディスプレイの一部と考える

家電量販店やドラッグストアなど商品がたくさんあるお店ではおびただしい数のPOPが売場を埋め尽くしています。
小売店制作のPOPはもとより、メーカーや卸会社のPOPの供給など、種類もたくさんあります。

POPで売場を賑わすのはいいかもしれませんが、これではお客様がモノを選ぶのに時間がかかってしまいます。
POPが他のPOPを隠したり、商品を隠したり、色とりどりのPOPが売場の迷彩色になっていて、どこに何があるのか、わかりにくくなっているからです。

原因は、売場をつくる際にPOPのスペースをあまり考えず、大量に商品を置き、空いたスペースにPOPを貼るからです。
POPは空間の埋め合わせになってしまっています。
そうならないためにはどうすべきか。

それには、POP設置を商品陳列やディスプレイと同等に考え、POPがセットインされた売場をあらかじめ想定すればよいです。
つまり、POPのスペースを確保しておくのです。

さらに、小売店側がメーカーや卸のPOP制作に対して、POPの設置スペース、サイズ、設置器具、色・素材などの一定のルールを課せばよいのです。

このように、POPによる売場づくりのルールを明確に守っている小売店の売場は、とても買いやすい売場になっています。
しっかりVMDを考えているお店は機種が豊富に展示されているケータイ電話売場でも、キャリア別、機種別、用途別にPOPが編集・制作され、見やすくわかりやすい売場になっています。

POPは快場をつくるための重要な要素と言っていいでしょう。

(vmd-i協会事務局)

ショップスタイリングについて

スタイリングとは何か?
それはショップデザインにかかわりのある

  • 大道具(床・壁・天井のこと)
  • 中道具(什器・照明・サインのこと)
  • 小道具(ディスプレイ用品・商品パッケージ・POPのこと)

のデザインテイストを決め、トーンアンドマナーを決めることなんです。

MUJIがなんでいつもシンプルでナチュラルな感じでいられるのか?
ユニクロがなんでいつもカラフルでプチセレブリティな感じがするのか?

それはショップスタイリングをきちんと
決めているからなんです。
売場塾の唱えるショップスタイリングは、下記の
3つの課目で構成されています。

それは

  • スタイリング
  • クリンリネス
  • 快適性

です。

ひとつひとつ見ていきましょう。
スタイリングとは、整然さとブランドテイストを重んじます。

●整然さ
余分なものが見えていないか、モノが倒れていないか・傾いていないか・よれていないか

●ブランドテイスト
店内・売場内インテリア、インテリア小物等がブランドテイストに合っているか

特にブランドテイストに関してはペンひとつ見逃してはいけません。
高級ブティックで洋服を買い、アメックスで支払いを済ませるとき、サインを書くペンが100円ショップの安いペンだと興ざめしてしまいます。

だから、ブランドテイストは、電球ひとつ、ペンひとつ、トイレの案内看板ひとつ、こまめにチェックしておかないといけません。

ペンひとつでお客様をがっかりさせたくないですね。

次の課目、クリンリネスを見ていきましょう。
クリンリネスとは、下記の細則で成り立っています。

●整然さ
店内や売場に、ほこれ・汚れ・ゴミ等はないか

●新鮮さ
店内や売場に、色あせ・はがれ・老朽した部分等はないか

●身だしなみ
スタッフの身だしなみは適正か
(汚れ・シワ・服のコーディネート・髪・メイク etc)
私が店舗診断する中で、最初に出てくるのが、このクリンリネス。
VMD以前の問題なんですが、意外と守られていない店が多いです。

特に多いのが壁面のセロテープの残骸。
これ専門店や量販店に多いです。
これらはクリンリネスの不徳によるものです。
次は、快適性。
このショップスタイリングの課目はサービス業に多く用いています。
つまり、ホテル、ヘアサロン、カフェ・レストラン、ブライダル施設などサービス業に活用できるVMD課目なんです。

細則は下記の通り。

●明るさ
床・壁・天井の色など顧客心理的に店内は明るいか、照明は快適か

●プライバシー
待合・受付・カウンセリングスペースなどは、プライバシーは保持されているか

●広さ
待合・受付・カウンセリングスペースなどのスペースは、快適な広さに保持されているか
たとえば、エステサロンや皮膚科など、プライバシーを守るショップスタイルは当然のことです。
相手と目が合わないように、ソファのレイアウトを組み、個室はオープンでいてクローズな形が必要です。
ストレスの感じない空間の作り方が適正です。

明るさもそうで、過ごしやすくてストレスフリーな空間はアンバー色で、スポットライトを多用しています。
蛍光灯バリバリの自動車ショールームは今こそ、ショップスタイリングの見直しが必要なんです。

サービス業こそ、居心地のよさが必須なので、まさにVMDで快場にするのが必要な業種なんです。

ぜひ、このショップスタイリングというVMD課題をあなたのVMDに加えてみてください。
ブランド力向上すること、間違いなしです。

(vmd-i協会事務局)

売場に見出しを付けて集客しよう

今回は、「売場の見出し」について話します。

売場塾では、分類サインとか分類POPとか言っているアレです。
今回は、読者にわかりやすく「見出し」という言葉を使います。

見出しは、新聞を読むときによく使います。
大見出し、中見出し、小見出しなどといいます。
例えば、昨日の朝刊は北朝鮮の核実験が一面に大見出しで載っていました。
夕刊のスポーツ面は錦織決勝進出ならず、が大見出しで載っていました。

中見見出しや小見出しはその下に位置する見出しです。
例えば、錦織の記事でしたら、「体力消耗で苦戦」が中見出しになります。
北朝鮮の核実験だったら、「安保理が臨時会議を招集」が中見出しです。

売場の見出しも新聞と同じ。
見出しが売場にあることで、なんの売場かわかりやすくなりますし、目的の売場にさっと行くことができます。

例えば、スーパーでは、「精肉」が大見出し、「鶏肉」が中見出し、「名古屋コーチン」が小見出しになります。
場所は下記になります。

●精肉
主に壁一面に大きくボードで設置されています。
お肉の写真付が多いです。

●鶏肉
その下のパラペットに細長く掲示されています。

●名古屋コーチン
什器の上にスチレンボードでセットされています。

さて、この売場の見出しの表現ですが、スーパーや家電量販店のようにアイテム文字だけではないんです。
いろいろな表現方法があるんです。下記に例を挙げます。

●イラストや写真を使った見出し
例えば、先ほどの精肉売り場では、肉の大きな写真のみでもOK。
豚や牛のイラストでもいいんです。
要は肉売場だとわかればいいので、文字がなくてもOKです。

●ピクトを使った見出し
ピクトとはトイレの男女マークみたいなものです。
例えば、ケータイ売場ならスマホのピクト、洗濯機売場なら、ドラム式洗濯機のピクトを見出しに使います。
こちらも文字がなくてもOKです。

●フレーズを使った見出し
フレーズとは文のことです。キャッチフレーズのことです。
例えば、無印良品では「レトルトカレー」という文字の見出しではなくて、「自宅で簡単、1分でできる夏のカレー食卓」みたいなフレーズになっています。
無印良品はライフスタイルショップなので、スーパーみたいな表現をしてしまうと、こじゃれた感じを失ってしまいます。

●ブランドロゴを使用した見出し
デパ地下がいい例で、「虎屋」とか「ヨックモック」とかブランドロゴを見出しに使います。パラペットについています。
ロゴの方が一般人に親しみやすいのですが、。伊勢丹ではロゴに色を付けるのは禁止されています。
トーンアンドマナーがある商業施設はロゴ使用に制限をしています。
あとセレクトショップは一見見出しはなさそうですが、注目させたいブランドの名前は売場に掲げています。
ユナイテッドアローズでも「スティーブンアラン」や「モンキータイム」は人気が高いので、そのロゴが売場に見出し掲示されています。

●MDテーマ名を使用した見出し
ウィークリー、マンスリーで変わる特定編集売場はMDテーマ名を、そのまま見出しとして掲示します。
今なら「ハロウイン特集」「ミッドナイトハロウインウイーク」「月見で団子シリーズ」「防災に備えよう」みたいな感じです。
これは「精肉」や「鶏肉」のような定番売場と一線を画す短期売場なので、サインやPOPのデザインが違う場合が多いです。

いかがですか。
売場の見出しは千差万別です。
お店の対象客、ブランドテイスト、取扱商品によって表現が違います。

最後に、見出しを付けると便利な売場は下記です。

  • 難しい商品を扱っている売場・・・薬や化粧品
  • 商品の種類がたくさんある売場・・・洗濯機やケータイ
  • 商品が小さくて細かい売場・・・電池、フライ
  • 初心者が多い売場・・・LED、ピアノ

あなたの売場に見出しは付いていますか。
見出しを付けて、わかりにくい売場をわかりやすくして、買い上げ率をアップさせましょう。

(vmd-i協会事務局)

売場のデコボコを改善しよう

売場が乱雑に見える原因に什器があります。

什器のデザインとレイアウトがバラバラだと、売場がきたなく見えます。
これ、どうしてそう見えるのか考えてみましょう。
色やサイズ、素材、高さ、棚の奥行きなど、隣同士の什器のデザインが違うことが挙げられます。

売場のデコボコは特にサイズが影響している場合が多いです。
什器は性格上、什器を隣同士にくっつけて繋げて、売場という空間をつくります。
なので、什器の高さや奥行きのサイズが違うと文字通り、売場はデコボコに見えるんです。

なんか売場が乱雑だな、と思ったら、什器を見ればよいです。
デコボコだということがわかります。
なおデコボコの原因は什器デザインだけではありません。
商品やPOP、ディスプレー用品にもあります。

例えば、最下段に置いている在庫の段ボール箱が
7cm前に突き出ているだけでも、デコボコに見えます。
在庫に布を掛けて隠しても、布そのものが通路にでっぱるのでデコボコに見えます。

その他、商品が什器の背板より高く棚に置かれていてもデコボコに見えますし、POPが什器より外れて突き出して貼ってあるとき、デコボコに見えます。

ジャンブル什器もそうです。
特売のワゴンやメーカー持ち込みの什器など、通路にはみ出して置いている追加の什器のことが、これらも売場がデコボコに見える要因です。

このように、売場のデコボコは、店内のきれいな佇まいを害してしまいます。
デコボコを防ぐにはどうしたらよいのでしょう。
それはカンタン。
空間規制をすればいいんです。

什器のサイズは縦横奥行き、そろえる。
POPやプロップスなどのディスプレイ用品は什器の中に収める。
もちろん、展示や陳列している商品も什器の中に収めます。
まずはこれにつきます。

商品を含めたすべてのディスプレイ用品がきっちり什器内に収まっているお店はきれいに見えます。
什器の色や素材を統一すると、さらにきれいに見えるでしょう。

あなたのお店の什器はデコボコになっていませんか。
今一度点検してみましょう。

(vmd-i協会事務局)

マネキンに関する知識

今日はマネキンのお話をします。

世界中でマネキンレンタルしているのは日本だけなんです。
欧米は販売なんです。中国からも世界に安いものが出回っています。
日本はマネキンメーカーがたくさんあり、そこが各社にマネキンをレンタルしているんです。
ヨーロッパは、小さい制作事務所があり、仕事はアートのようなもので、クライアントの注文を受けて、個性的なマネキンを作っています。
すると、服のブランドやショップランドを低下されることにもなってしまいます。
きちんと回収しメンテナンスできるレンタルシステムの方が都合がいいんです。

例えば、毎年この時期にアメリカ行っていますが、いついってもみんなおんなじマネキンを 使っているんです。
飽きるなーーと思いつつも、日本の目まぐるしいレンタルシステムに敬意を表しています。

さて、このレンタルのローテーションは、1か月単位から。
標準レンタルは、運送費は取らないメーカーも多いです。
催事やイベント等の短期レンタルは配送料とること多いです。
短期だと割高になる。1日でも1週間でも、1か月と変わらない料金になるんです。

レンタルのいいところは、毎年、次々と新しい作品が出て来るところ。
それらを好きに選ぶことができるのはレンタルのメリットです。
さっきみたいなに、「いつ来てもいっしょのマネキン」になりません。

さらに特別注文もできるんです。
色、メイク、ポーズなどその時期に合った最適なマネキンをレンタルしてもらえます。
かといって、古いマネキンも十分使うことができます。
古いマネキンは、新しいマネキンにリメイクできるんです。
例えば、平和マネキンのGINAというマネキンがそう。
顔の輪郭を変えたりしてバージョンアップできるんです。

さて、マネキンはどうやってつくられているんでしょう。

マネキンはボディは合成樹脂、FRPでつくられています。
そしてそのボディは原型作家という人がつくっています。
マネキン造作のアーチストと言っていいでしょう。
一種の彫刻家ですね。

原型は粘土原型とマスター原型があります。
マスター原型をマネキン工場で拝見しましたが、FRPと比べて少し重いです。
このマスター原型が大事で、量産のマネキンの元となります。

マネキンには種類があり、リアルマネキン、抽象マネキンがあります。
抽象マネキンは、顔がのっぺらぼうが多いですが、髪をほんのり入れて女性らしさを表現している ものもあります。
首・腰・あし・手など四肢で分解できるので、体系のバージョン変更なども簡単にできます。
ただし、首を首なしボディにつけることはできません。

マネキンの目ですが、白目にするということはまずありません。
たいてい瞳を入れます。白めだと気持ち悪いだけですもんね。
このマネキンの目、目がお客様目線になっているということはありません。
マネキンは視線をお客様にあわせないのです。お客様が気にしてしまうからです。
なんかこわーい感じになりますものね。お客様が気にしてほしいのでは、マネキンじゃなくて服なんです。

マネキンは無国籍につくってあります。何人ということはないんです。
だから、アメリカ人でもないですし、日本人でも、英国人でもフランス人でもないです。
いろんな国に当てはめられるので、どんな洋服にもマッチするんです。

それから、マネキンは年齢不詳なんです

特に女性のマネキンは年齢の幅は広いです。
大まかに言ってティーンと大人の二つはあります
そして、中高年は、マネキンの年が分かってほしくないんです。
オバサンのマネキンなんていやですよね。
ただし、男性はシニアのマネキンがあります。男性と女性はマネキンの見方が違うのです。
昔からシニアの男性はロマンスグレートいい、かっこいいんですが、シニアの女性は世間一般にはオバサンですもんね。
なんか男尊女卑みたいですみません。

さて、マネキンの素材なんですが、ボディはFRPですが、手は塩ビで制作してあります。
FRPはバリがでてしまうので、手には不向きなんです。
なお、ボディはガラス繊維でできています。
なぜかというと、リサイクルしやすいようにです。
都道府県条例で破棄するマネキンはバラバラに砕かなくてはいけないんです。
この解対物は粉上にもできますので 再利用できるんです。

いかがでしたか。
自分たちが使うマネキン、こだっわって 選びたいですね。
(vmd-i協会事務局)