今回は次元ディスプレイの話をします。
ディスプレイは次元で捉えることができ、店の商品を陳列したり展示したりするときの表現方法として活用できます。
すなわち、お客様から見たディスプレイ空間の感じ方を変化させることができます。
わかりやすくお教えするために、リビングのカフェテーブルを題材にお話しします。
まずは1次元から初めて、2次元→3次元→4次元と続けていきます。
それではいってみましょう。
1. 点は1次元のディスプレイ

1次元は点です。
広い空間にぽつーん、と1点あるディスフレイです。
上のイラストだと、白い空間にぽつーんと黄色い点がる状態です。
点だけなので、表現としてはカフェテーブルにぼつーんと1客のコーヒーカップを置いただけの状態です。

食器棚の中のカップたち。これも1次元なんです。
私は毎朝、ここから好きなカップを選んでいます。
順番待ちのカップというわけですね。
この状態は、店のバックヤードに置いてある在庫商品と同じです。
店の棚に置かれる前の商品のディスプレイというわけです。
見ると、カップが棚ごと横一線に並んでいます。
線のように見えますが、点であるカップが横にズラッと並んでいるので線に見えるんです。
線は点の集合。線も同じく1次元のディスプレイです。
2. 絵は2次元のディスプレイ

上のイラストは2次元を表しています。
赤い線は、あなたが立って見ている、水平視野角35度の線です。
まるで絵を見ている様ですね。
1次元の点が板の上にちりばめられた表現です。
黄色い点がエアブラシで噴かれたように四角い板を埋めています。
このように、2次元のディスプレイは絵のようなものです。
油絵絵や水彩画、写真と同じです。
これらは正面から見てこそ価値があります。
例えば、美術本や写真本は斜めに撮影した絵の写真を掲示してないですね。
どの本も正面から見た絵や写真を掲示しています。
モナリザは正面から見ることにより、よさがわかるものです。

上の写真を見てください。
先ほどの食器棚のカップをいくつか使って、「絵」をつくってみました。
ランチョンマットやプロップスも使用しています。
テーマは「パンデミックファミリー」。
この「絵」を見ると、感じるものがあるはずです。
そう、驚いている人の顔が感じられます。
テーブル上に広がっている不安で不気味な世界は、実は真正面からでないと恩恵を受けないんです。
試しに斜めから見てみましょう。

正面から見たものと違って、「パンデミックファミリー」というテーマがわかりにくいですよね。
30秒くらい見てやっと人の顔だと分かると思います。
やっぱり正面から見ないと、大きい二つの丸はマスクをかけた両親で、小さい二つの丸は子供ということも感じられないと思います。
これはコロナ禍で動物園に行った家族が、動物がコロナで死んでいるのに驚いている「絵」だったんです。
これが2次元のディスプレイの特徴です。
2次元のディスプレイは立体的でないので、正面から見た時しか本領は発揮できないんです。
3. 展示は3次元のディスプレイ

3次元のイラストは展示物そのもの。
上のイラストを見てください。
四角いオブジェが置かれています。
奥行きが感じられると思います。
四角いオブジェを真正面から見た図は先ほどの2次元のイラストですが、斜めに見ると、パース線が左右に終点に向かって伸びています。
建築用語でいうと2点透視の状態です。
2次元のパースラインはどこまで行っても平行のままで、終点で交わることはないのですが、3次元のディスプレイは2点または1点で交わるのです。
奥行きがあるのでモノは立体的に見えます。
これは美術館で彫刻を見ているようなものです。
絵は壁に掲示されていますが、彫刻は壁から離れて置かれています。
これはどの位置からも彫刻を観賞できるようにしているからです。
正面→斜め→横→後・・・と位置を変えて彫刻を眺めると、像の表情や情報が変わり楽しいですよね。
発見もあると思います。
そこが3次元のいいところです。

カフェテーブルで「クリスマス」というテーマで2次元のディスプレイをつくってみました。
やっぱり平面的。絵の様です。
下の写真のように、斜めから見ると気持ち、クリスマスのテーマは薄れてしまいます。

今度は立体的な3次元のクリスマスにしました。
オーッて感じ。
高々そびえたっています。
正面上斜めから見ると、その恩恵を受けます。

でも、真上から見た「絵」にすると、ツリーとわかりません。
平面的で味気ないと思うでしょう。

あなたが店で商品展示を行っている時、遠くから奥行きが感じられるか、客目線で見て確認してください。
平面的にべたっと見えたら、それは「絵」と変わらないです。
4. ワフティングは4次元のディスプレイ

4次元のディスプレイは、展示物が空中に浮かんでいるような感じになります。
上のイラストを見てください。
赤い線はあなたが立って展示物を見ている水平の視線です。
展示物が視線の上に下に配置されています。
上にある展示物は見上げる。
下にある展示物は見下ろす。
先ほどの3次元は左右の奥行きを感じたのですが、今度は上下の奥行きも感じます。

上の写真を見てください。
ギンザシックスのパン屋です。
グワーッとパンがワフティング(ライザーや棚で商品を空中に浮かすこと)されています。
最上段の棚はすごく高い位置にあるので、見上げなければいけません。
インパクトがありますね!!
ボリューミーでもあります。

他方、このケーキ屋さんは先ほどのパンみたいにドサッとディスプレイされていませんが、Gケースの中でケーキが浮いているように見えます。
このように、空中に浮いているディスプレイはオドロキを与えてくれます。
地球上に住んでいると、引力の関係で殆どのものは地面に佇んでいますが、それが空中に浮いているのはオドロキです。
美術館にある彫像でさえも真下から見ることはできません。
なぜなら床にピッタリと足が張り付いているからです。
彫刻を宙に浮かせれば、4次元のディスプレイは可能です。
そのためには、彫像の足の裏さえもしっかり表現を刻まなくてはいけません。
オカルト映画「エクソシスト」で何がオドロキかというと、ベッドで寝ているはずのリンダブレアが宙に浮かぶところです。
アワワワッて感じですよね。
このように、4次元のディスプレイは宙に浮いて人にオドロキを与えてくれます。

上の写真は、4次元のカフェテーブルです。
この写真をある時、LINEにポストしました。
すると、これを見た人は「不思議ーっ」と次々にコメントしてくれました。
なんてことない、ライザーがランチョンマットの下に置かれているだけです。
しかし、一瞬見ると浮いている気がするので思わず見入ってしまいます。
これが4次元ディスプレイの効果です。
これが店の中にできていると、お客様は思わず立ち止まって見入ってくれます。
実験してみましょう。
下の写真を見てください。

家の中の菓子箱をディスプレイしてみました。
まあ、普通の3次元のディスプレイですね。
これを4次元にしてみましょう。

オワーッ、浮いている!!
思わず目を止めてしまいますよすね。
どうやって作ったんだろう?
とあなたは思い、まじまじと見てしまうでしょう。
しかし何のことはない、これもやっぱりライザーで浮いているように見せているだけなんです。
下の写真を見てください。
チョコレートを浮かしたディスプレイをつくってみました。
やっばり4次元のディスフレイはパワーがありますね。

5. まとめ

話をまとめます。
上のスライドを見てください。
ディスプレイは2次元、3次元、4次元の順に注目度が増します。
ディスプレイをつくるときは、なるべくパースライン(奥行き)とワフティング(ふわりと浮いた感じ)を意識すること。
これが大事です。
ぜひ、日ごろのディスプレイづくりで4次元のディスプレイに挑戦してください。
ディスプレイを宙に浮かせることにより、フロアを歩いているお客様の足を止めることができます。
なお、ワフティングに関しては下記を参考にしてください。
●ディスプレイをふわっと浮かせる2つのテクニック
そして、次元ディスプレイの実習に参加してみたい!という方は、1月29日のオンラインセミナーに参加してみよう。
●センスアップセミナー「ディスプレイ構成 PART3」
(VMDインストラクター協会事務局)

























