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MDテーマとディスプレイテーマの違い

MDテーマとは何でしょうか。
よく本部のVMD担当がMDPシートを持ってきて、「今週のMDテーマはプレッピーサファリだから」みたいな言い方をしていますね。
実は、MDテーマとディスプレイテーマは同じテーマなのですが、少しニュアンスが違います。

MDテーマというのは、52週MDカレンダーに則った「売るための品揃え」ということで、ファッションテーマが基本です。
「プレッピーサファリとかカントリーウエスタン、ガーリーサーファー」みたいなのがそうです。

MDテーマは、ディスプレイをつくるためのテーマでなく、「売るための品揃え」がテーマなので、色、アイテム、デザイン、価格、マインド、ディティール、素材など商品にまつわるテーマが基本です。

要するに52週MDのMDテーマは、下記がポイントです。

  • 最適な商品を(マストアイテム)
  • 最適なトレンドと(色・ディティール・コーディネート)
  • 最適なテーマと(オケージョン)
  • 最適なディスプレイ方法で(フェイシング他)、 販売する

この4つが主題になっています。
この4つでお店の売上を上げます。

なので、MDテーマ「プレッピーサファリ」と一言でいっても、「タイトシルエットでボーイッシュ」とか「カーキ・モスグリーンが基調」とか「ジャケットはパッチポケットがついたツイード」とか、サブテーマが入ってきます。

ディスプレイテーマは、VPやPPをつくるときのディスプレイを組み立てるためのテーマで、上記のMDテーマ「プレッピーサファリ」をどうやってディスプレイにするかを基本にテーマを決めます。

例えば、「週末のキャンプ場のプレッピーサファリカップル」のように、シーンとシチュエーションを決めます。
でないと、プロップスなどのディスプレイ用品がそろわないからです。

だから、デコレーターさんに、「プレッピーサファリでVPつくって」とはあまり言わないですよね。
MDテーマのディスプレイは、店員さんがつくるテーマだからです。
デコレーターさんは、ウインドウのむずかしいディスプレイをつくりますので、「週末のキャンプ場のプレッピーサファリカップル」みたいにディスプレイテーマをまとめないと、なんのこっちゃ、になってしまいます。

このように、MDテーマとは売上施策のためのテーマ、ディスプレイテーマはディスプレイをつくるためのテーマと心得ましょう。
さて、最後にファッションテーマはどちらに入るの、ということですが、どちらにも入ります。
ファッションテーマは一般的な言葉と捉えてください。
けっこうあやふやなんです。
(vmd-i協会事務局)

アパレルディスプレイテクニック

フォーミングや小手先のアパレルディスプレイは普段から着こなしを自分でやっていないと、ディスプレイに表現することはできないと思います。

アパレルの小手先のディスプレイってなんでしょう。
コツはこれです。

  • フォーミング
  • ポージング
  • ロールアップ
  • ドレーピング
  • レイヤード
  • とぐろ巻き
  • タッキング
  • ピンワーク
  • フライング

●フォーミング
服の中に、エアクッションやライスペーパーを丸めたものを入れて、ふくらみをつくります。アームホールやレッグホール、胸などに詰めてまるで人間が着ている様に表現します。

●ポージング
腕や足が動かせる自在マネキンの場合、腕と足にしぐさをつけることにより、シーンが表現できます。友達と談笑しているシーンは腕を上げたり、走っているシーンは、腕と足を振っているしぐさにします。また、マネキンでなくても、上記のフォーミングでポーズをつけることができます。よくやっているのが、上着のポケットに手を入れているしぐさです。

●ロールアップ
いわゆる腕まくりのこと。その他、足まくり、腕まくり、裾まくりのこともいいます。マネキンの華奢な腕や細く長い足を露出することにより、スタイルよく見せる。シェルビングやハンギングでもできます。

●レイヤード
いわゆる、チラ見せのことです。アウターの服の裾からインナーがちらっと見えたりアウターを、腕まくりをさせてインナーを見せる方法です。これはVP,PPだけでなく、IPでもできます。ポロシャツの下にTシャツを入れてシェルビングするなどしてできます。

●ドレーピング
シルクという素材やピケという織り方で、とろみ感あふれるデザインができ、それを売り物にしたアイテムがあります。ワンピース、ドルマンスリーブシャツ、フルレングススカートなどがそうです。これを表現するには、レイダウンといってテーブル上に広げて見せる方法があります。平たく置くのではなく、わざと軽く曲げて、しなやかさと光沢感を出します。T字スタンドを使用して、ふんわりかけても表現できます。

●とぐろ巻
ネクタイやショールなどで使うディスプレイ方法です。蛇のとぐろのようにして巻きます。立体的に見え、テーブルの上などに置けます。

●タッキング
タックをつけて展示する方法です。例えば、パンツを6cmずつジグザグに折ってレイダウンします。トップスでもネクタイの様な服飾雑貨でもできます。

●ピンワーク
虫ピンで服をコルクボードに留めるディスプレイ方法です。PL法施行後、百貨店、GMSでは全面禁止になりましたが、一部の専門店ではまだ使っています。ピンの差し方で、アクティブな表現ができます。デコレーターが行います。

●フライング
テグスという釣り糸を使って、空中に服を漂わせるディスプレイ方法です。袖や裾、襟等にテグスをかけてもう一方の端を、天井や床にS管やペグでクリッピングします。すると、服が生きている様に、アクティブな表現をします。素人では難しく、デコレーターが行います。

これら小手先のテクニックは、自らがいつも服を着る際に気を付けて行うことで 身に着けることができます。
つまり、ただ着るだけの毎日では、なにもアパレルのディスプレイ、特にマネキンへのウエアリングスキルが発達しません。

オシャレに気を使い、いつも自分を格好よく見せる着こなしをしてこそ、マネキン、アウトフィッティング、フェイスアウトのウエアリングスキルがついていくことでしょう。
例えば、私の場合は365日、同じコーデはしていません。
同じ服装でもどこか変えていますよ。(^^)

アパレルスタッフの方、店舗VMD担当の方、「小手先のディスプレテクニック」の勉強がんばってください。

 

 

(vmd-i協会事務局)