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キャラクターラインがブランドらしさをつくる

キャラクターラインとは、もともと自動車のサイドデザインでその車の特徴を浮き出すボディラインに付けた凹凸のラインのことです。

店舗におけるキャラクターラインとは、デザイン帯として店舗の壁面に化粧します。
セブンイレブンなどの店舗のフロントを見てみましょう。
緑とオレンジと赤の3色ラインがファサードに走っていますね。あれです。
このラインがないと、セブンイレブンらしくありません。
また、ローソンは青いラインでないと、ローソンらしくないでしょう。

要するに、キャラクターラインのキャラクターとは、文字通りそのお店のキャラとなるデザインのことと言えば理解できるでしょう。

さて、キャラクターラインは店内にもデザインされ、コンビニの店内に入ると赤いラインが天井から1m位のところに走っていますよね。あれもそうです。

このキャラクターラインが店内に走っていると、空間が締まります。
特にテナントで入居している店舗などは、隣の店舗とデザインで差別化するためにラインを走らせています。

例えば、100円ショップのセリアの場合は緑、DHCの場合は
青いバーコードのようなキャラクターラインを走らせています。
特にDHCは平場の場合も多いので、ショップインショップとして百貨店フロア内に自分たちのお店がある・・・というように来店客に認識させなくてはいけません。
そんな時に有効なんです。

キャラクターラインは建築で言う天井モールみたいな感じと考えていいです。
そのため、キャラクターラインは、ホリゾンタルライト(壁を照らすライト) と併用されています。
ライトを壁に当てると壁が浮き出るような感じになりますのでそこにデザインラインが来ていると帯がきれいに浮き出ているように見えます。

セリアなどがそうですね。
100円ショップの割には美しい壁面です。
特に、コの字で3方が壁に囲まれている店舗は、壁面の上層部が光っていて帯が流れているので、店内が美しく上品に見えます。

このキャラクターラインは壁面以外には

●柱の上下 またはどちらか
●什器の上下 またはどちらか

にもつける場合が多いです。
什器は、最下段にキャビネットまたはトロッコが来ている場合が多いのでそれらをデザインするのです。
私は、メーカー平場の什器デザインをする時、よくやります。
什器をコーナーに並べた場合、遠目から見て、帯がまとまって見えるので 「ひとつのブランドがコーナー展開しているな」とお客様にわかるからです。
メーカーの存在をカタマリとして見せるわけです。

また、カタマリをさらに進化させるために、パラペットといって、 天井から帯を吊り下げる方法もあります。
この場合は、板パネル、紙、スチレンボードなどいろいろな素材が考えられます。
それらをワイヤーで天井から吊って、空中帯のように天井に漂わせます。
パラペットは四角い形が一般的ですが、東急渋谷店の1Fにあるように丸い形でもOKです。
また、ショップデザインの一部として、ライティングタクトとして併用したり、ガーランドのようつるを這わせている場合もあります。

さて、話は変わりますがキャラクターラインをタテ型にしているブランドもあります。
店内の壁面や柱面に垂直にラインを立てて、タテのキャラクターラインのリピートで、同一ブランドの店内という見え方をさせるのです。
ダーバンやサマンサタバサなどがそうですね。
私も、こちらの店舗できれいなタテストライプのキャラクターラインをデザインしました。

●カファレルなんばパークス店

いろいろ話は尽きないですが、ここまで解説してきたキャラクターラインの利点を整理してみましょう。

  • 店舗空間にまとまりを与える。
  • 自社ブランドのキャラクター(特色)となりうる。
  • 隣の店とデザインで一線を画す。
  • ホリゾンタルライトと併用すれば、美しい店内を演出できる。
  • 平場メーカーの場合は、ショップインショップ効果がある。
  • 来店客が遠くても、目立つ店舗・売場になる。

 
こんな利点があります。

あなたのお店には、キャラクターラインがありますか。
なんとなく、店内空間にまとまりがないときは 一度キャラクターラインを考えてみるといいでしょう。
(vmd-i協会事務局)

ブランド店舗の世界観演出の仕方

お店や売場でのブランドの世界観演出についてお話しします。

世界観とは、ブランドイメージを下記の空間要素で表現するものです。
佇まいは鉛直面が大きくないと訴求するのが難しいのですが、メーカーや卸などコーナー展開やエンド展開 しか許容されていない流通業者もあります。
その場合は、什器やPOP、装飾用品などのディスプレイ用品を駆使して世界観をつくるしかありません。

まずはお店のハード面から。
大道具による世界観演出から見ていきます。
ポイントは下記です。

 

  • 天井
  • 什器

 

ひとつひとつ解説していきます。

●床
全体照明が直接反射する面ですので、壁と天井と共に世界観を表現する重要な3大要素のひとつです。
パネルやタイル、カーペットなど様々な製品が建築メーカーから出てますし、既製品を加工してオリジナルなデザインにすることも可能です。
また、床シートも一般的になり、POPや床の模様として重宝されています。

●壁
壁は鉛直面なので、来店客の視線に自然と入ります。
最強の世界観表現要素といっていいでしょう。
壁面用照明、ウォールウオッシャーをつければ、遠くからも目立ちます。
カウンター後ろでは屋号を付けることが多く、ブランド観を決定づけます。
壁紙やパネル、タイル、シートなど様々な製品が各メーカーから出ており、加工もできますので、世界観に最適なものを選びましょう。

●天井
天井方向の目線は、サイン、POPの他に照明や天井のデザインを捉えます。
空間の解放感は、天井と什器の高さのバランス、照度、POP類の数量によって左右されます。
ダウンライト・ペンダントライトなどの照明、オープン天井・ 幕天井などの形態、廻縁や野縁の意匠性、壁紙やパネルなどのデザインパターンや素材によって、世界観は七変化します。

●柱
平場は壁がない場合も多いので、柱ほど貴重なものはありません。
壁と同じく、PPだけでなく、サインやPOPを設置することができます。
壁紙が禁止の柱でもPOPを使用し柱ぐるりを意匠化することもできます。
また、小さい柱の場合は、柱自体を床・壁・天井に次ぐショップデザインの一部にする方法もあります。

●什器
什器メーカーの既製品は、ほとんどがオリジナルデザインに加工できます。
素材もスチール、アクリル、 木材、合成樹脂など多彩です。
意匠にこだわる場合は、図面を引いて色・形・サイズ・ 素材・機能などをブランドのトーンアンドマナーに合わせるとよいでしょう。

以上です。
(vmd-i協会事務局長)

オリジナル什器のつくり方

オリジナル什器のつくり方について解説します。
どこの売場でも什器がなんか違う・・・ということがありますよね。
什器をどうやって作ったからいいか、解説します。

要素として下記があります。

  • 目的
  • トーンアンドマナー
  • 背後の処理
  • 什器サイズ
  • 棚サイズ
  • 背後の処理
  • 展示の有無
  • 照明の有無
  • 機能
  • オリジナルor加工オリジナル
  • コスト

 

順に解説しましょう。
●目的
什器をつくる目的を決めます。什器デザインのフレームワークから導き出してもOKです。
●トーンアンドマナー
ショップブランド、プロダクツブランド等に合ったトーンアンドマナーを考えます。
→素材 素材の選択により、ブランドの世界観をつぶしもしますし、拡げもします。
→デザイン 形状、色、柄等什器デザインの要素をブランド・トーンアンドマナーに合わせます。
●背後の処理
キャビネットの形状を決めます。扉・スライド戸・引出し・カーテン・アコーディオンetc
●什器サイズ
店頭、壁面、アイランド島の立地、商品の定量、見通しに合った什器サイズを決めます。
●棚サイズ
商品の定量とフェイシングに合った棚サイズを決めます。
●展示の有無
最上段や最下段に展示固定棚をつくるかどうかを決めます。
●照明の有無
棚照明、展示照明、意匠照明をつくるかどうか決めます。
●機能
下記の各種機能を選定します。
→透過性 ガラス棚にすると、下段まで天井のライトが透過できます。
→可動性 什器脚にキャスターを付けると、什器移動が楽にできます。
→転化性 後々、他のアイテムの商品棚に転用できるような機能を持たせます。ラックをハンガーに、等。
→販促機能 POPを取り付けられる機能をつけます。ボード取り付け棚、プライスカード設置棚等。
→在庫保管機能 什器上段または下段にキャビネットやトロッコ、コンテナ機能を持たせ、在庫が保管できるようにします。
●オリジナルor加工オリジナル
まったくオリジナルで造るか、既存什器を加工するか決めます。後者は安く仕上がります。
●コスト
什器メーカーに見積もりを依頼します。

以上です。
(vmd-i協会事務局長)

施工会社への店舗デザイン発注方式

あなたが、商業施設に入居しているテナントの本部VMD担当だとしましょう。
あなたのショップデザイン能力で、3つの発注スタイルが存在します。

それは、

  • ゼネコン方式
  • コストオン方式
  • 分別発注方式

この3つです。

必凸一つ解説します。

■ゼネコン方式
ゼネコン会社とは、施工会社、建築メーカー、内装業社、マネキンメーカー等いろいろ存在します。
設計から施工まで丸投げでき、一括決済できますが、コストが高くなります。設計・施工会社の担当者(営業) に依るところが多くなるので、担当者の出来・不出来で仕上がりに差が出ます。
販促・備品のような細かい対応ができないところも あります。

■コストオン方式
発注者が直接設計者と専門業者に発注するスタイル。
設計者とは監理契約を結び、設計の他に、業社の選定、素材、デザイン、仕上がりのクオリティ、安全性、商業施設への図面提供などをしていただきます。そのため、監理料が派生します。
専門業社とも直接やりとりする機会が多くなるので、こだわりのある方や業界知識に長けている方に向いています。
決済も直接やりとりするので、ゼネコン方式より安くなります。
ただ、打ち合わせが多くなるので、時間がかかります。

■分別発注方式
発注者が直接専門業者に発注するスタイル。
発注者自体に店舗デザイン能力がある方向きです。
発注者は、まず設計や意匠といったソフトの部分を重視して、設計者を選びます。
設計者からは実施設計図買取の形で、直接各種専門業者に発注します。
もちろん、設計者は建築素材・部材・デザイン・什器・備品の指定はします。
ただ、設計者は助言や書類提出のみなので、発注者は各専門業者と打ち合わせから監理までやらなければいけません。
コストはかかりませんが、時間がかかります。

わかりましたでしょうか、3つの発注方式。
ショップデザインは、店舗をつくる際に必要な能力です。
VMDインストラクターの方は、少なくとも図面は読めた方がいいです。
床・壁・天井のデザインや什器の仕様、素材やデザイン、安全性など、いろいろ監修するのが役目です。
施工会社に丸投げしたらダメですよ。
店舗デザインにこだわらないと、いいお店はできないですし、プランドの世界観演出に支障をきたします。

打ち合わせする業社は、設計会社、施工会社、内装会社、什器メーカー、電機・配線業社、サイン業社、マネキンメーカー、展示業社、販促・備品会社など。
これだけの人と渡り合わなければいけません。

VMDはショップデザイン、ディスプレイ、店頭販促、MD。
これら4つの基本構成で成り立っています。
VMD担当の皆さん、お店のデザイン監理がんばって下さいね。

(vmd-i協会事務局長)

ショップブランドの世界観表現

ショップブランドの世界観表現について話します。
つまり、社内や得意先に自社のショップブランドの世界観をプレゼンするときに使うテクです。

それは下記になります。

  • コラージュボード
  • ロゴシート
  • パースボード
  • ペルソナ企画書

ひとつひとつ解説します。

■コラージュボード/

世界観の広がるシーン写真やイラストをマス媒体からピックアップ。ボードに切り 貼りして表現します。
ショップコンセプトを提案するのに使います。
写真は雑誌や本、ネットから拾います。
ピンタレスト、インスタグラム、検索エン ジンなどですぐに入手できます。
ただし、著作権がありますので注意しま しょう。

■ロゴシート/

店舗ロゴやショップ・キャッチコピーを変更する場合のプレゼンシートです。
コンセプトに基づいたキャッチフレーズ案や時によっては、ロゴ変更の提案に使用します。

■パースボード/

大まかなショップデザインを提案するときに使います。CADソフトを使う ことが多いです。
外観や内観、メーカー売場の場合は什器を含めた床・壁デザインになります。

■ペルソナ企画書/

どんな人にショップを利用してほしいか、を提案する企画書です。ペルソナという 登場人物を描きます。マンガタッチ、イラストタッチ、モデル写真などの表現があります。
実際に商品を使っているシーンなども 提示します。

わかりましたでしょうか。
こんな風にオーバルリンクは、 お得意先にプレゼンしています。
当社VMDサービスとしてはも下記が該当します。

●リモデル

(vmd-i協会事務局長)