POPは貼るのではなく、設置する


私たちは、「POPを貼る」という言葉を気軽に使います。
「POP」は「貼るもの」という認識が強い証ですが、「POPを貼る」という概念で売場をつくると、どうなるのか?考えてみましょう。

壁がポスターで埋め尽くされている旅行代理店の店頭。
実機とモックとパンフレットとPOPがごちゃごちゃになっているスマホ売場。
有名ブランドのメイク用品売場は、プライスカードがPOSレールを大きくはみ出し、「サマーフェア」の告知POPとケンカしています。モデルの雑誌キリヌキPOPがそれに参戦していて、肝心のメイク商品が見えません。

こんな光景は、専門店や量販店でよく見られることでしょう。

このように、売場の空いているところに、セロテープでせっせとPOPを貼ってしまうケースが後を絶ちません。POPは本来、商品や売場をわかりやすくするものですが、POPで売場が埋められ、逆にわかりにくくなってしまっています。

POPは貼るものでなく、設置するものなのです。
貼る用途に使うセロテープは、単なるPOP器具のひとつでしかありません。
紙とマジックとセロテープがあればPOP設置は完成すると思っている方が多く、その考えは間違っています。
正しいPOPの設置の仕方は下記になります。

  • 演出POP、説明POP、案内POP、告知POPなど、どの場所にどんな種類のPOPが必要か考える。
  • 売場を構成している、什器、柱、壁、床、天井などの環境とデザインを把握する。
  • それぞれの種類のPOPを、どんな器具でどのように設置するか考える。
  • POPのデザインを考え、作る。サイズ、色、素材、フォント、余白などを決める。
  • POPのトーンアンドマナーにあったPOP器具を選定する。またはオリジナルで作る。
  • 商品を展示または陳列する。
  • POPを設置する。

このような順番でPOP設置を行うと、売場は整理整頓され、商品は見やすくわかりやすく、そして選びやすくなります。
POPとPOP器具のデザイントーンアンドマナーは売場にフィットしてるので、ブランドの世界観を損なうこともありません。

POP器具を知り、売場の適材適所に応じた正しい付け方を習得することは、売場の立ち寄り率、商品の買い上げ率にも大いに寄与します。
まずは、POP器具の種類と使い方を学習しましょう。

(vmd-i協会事務局)