売場塾」タグアーカイブ

マンガで見るVMDの手法

まんがで見る、VMDの手法

VMDの学校、売場塾メソッド、「フレームワーキング」とは何かについて、マンガを書いてみました。

まずは4コママンガをお見せします。

マンガで見るVMDの手法1
マンガで見るVMDの手法2
マンガで見るVMDの手法3
マンガで見るVMDの手法4

1コマ1コマ解説します。

1.売場をカメラアイで見る

人間の目の視野角って左右200度以上になるんです。
左右真横で180゜になるので、後ろも見えているということです。
ただし、有効視野角は60゜なので、60゜から200゜は、はっきり見えているのではなく、ぼんやりなんです。

さらに60゜ははっきり見えていると言っても、人間の目はスコープではありませんので、60゜より外の画像も多分に視覚的な影響を受けます。

例えば、ハンサムな男子があなたの目の前に立っているとします。
あなたの目は、ハンサムな男子をはっきりと捉えますが、男子の背景や側面も同時に捉えています。

ハンサムの背景が洞窟の中だったり、檻の中だったら「この人不気味だな」とか「ワルなのかな」と感じます。
反対に、背景がお花畑や遊園地だったら、「まあ、きれいな人」とか「楽しそうな彼氏」と思うでしょう。

これは感情の錯覚で、周りがキレイだとその人も潔癖だと感じ、周りがおどろおどろしいと「アブナい人」と感じてしまうということです。
たとえそのハンサムが本当に潔癖で礼儀正しく、やさしい人でも周りの風景によって真実は間違って受け取られてしまうんです。

これは売場に例えると、キレイなショッピングモールにテナントで入っているお店は、たとえその店がVMD的にダメな店でもキレイに見えてしまうことです。

私たちVMDインストラクターは店舗診断をする際に、この周りの景色をシャットアウトしたお店の真実を探り当てなければいけません。

なので、目をあえてカメラのファインダーにすることで、周りの風景をシャットアウトするんです。

1パンダ売場

例えば、パンダが好きなあなたは、パンダぬいぐるみ売場を見て「かわいいー」と、ついついVMDの花まるを付けていませんか。

パンダ売場を見る目をカメラアイにしてみましょう。
すると、「下のパンダのフェイスアウトがないな」と気づきます。
つまり、大きなパンダまくらの顔がないことに気づきます。(下写真)

2パンダ売場 拡大

こんな感じで他の風景をシャットアウトすれば、快場の水準に達していないマイナス要因が簡単に発見できるんです。

VMD担当だけでなく、店舗スタッフも同様にカメラアイで自分の売場を見ることをおススメします。
前述の通り、46時中お店にいるスタッフはキレイな商業施設のフロアにいるので、自分たちの店もキレイと勘違いしています。
そこで、カメラアイで売場を見ると、あら不思議、悪いところが浮き出てくるんではありませんか。

まずは売場を正しく見るために、あなたの目をカメラアイにしましょう。

2.カメラアイの写真と似た画像を思い描く

マンガで見るVMDの手法2

カメラアイの捉える画像は、フロア全体から、ゾーン、グループ、棚の陳列、POP、そしてディスプレイと多岐に渡ります。

次々と見る売場は必ずカメラのファインダーを覗くように見てください。
すると、「おや」という被写体がファインダーに映ります。

この「おや」というのは明らかに違和感です。
それは「こんなはずではなかった」という素直な感情です。

「おや」と感じたのは、頭の中に過去の「おや」の画像が反応しているから
例えば、先ほどのパンダの売場を見て「おや」と思ったのは、過去に映画館の怪獣ぬいぐるみ売場で見たあの違和感と同じでした。

そして「あの時とフェイスは同じになっている」というマッチングが突如起こります。
そう、ウルトラマンを見に映画館に行ったときに見たガボラと同じ状態になっているパンダに気がついたんです。

ガボラとネロンガのフェイシング

「そういえば、あの怪獣売場、フェイスがひどかったな」

そう思う反面、こんな売場画像とのマッチングも起こります。
ディズニーランドのぷーさんの売場、しぶちかのコロッケの売場・・・。

くまのプーさん売場
コロッケ売場

その他にもマッチング画像は続々出てきます。
過去に記憶したよいフェイシングも、悪いフェイシングの画像も、頭の引き出しから出てきます。

※ちなみに、この中でマイナスの写真は三角形の写真です。

フェイシングの事例を画像として頭の引き出しに入れているVMDインストラクターは、こんな感じで瞬時に感じた違和感を、引き出しの画像とマッチングすることによって「フェイシングが悪い」ことがわかるんです。

このマッチング時間は慣れるとたったの5秒で行われます。

3.フレームワーク用語を想起する

問題はどうして画像をすぐにマッチングできるのか?です。
言うまでもなく、画像の蓄積が少ない人は、その分マッチする画像が少ないので、「ひとつ、二つの事例でダメと言っていいのかな」と不安になります。

そう、事例画像が少ないと不安になるんです。
だから経験や実績を積んだり、常日頃から売場を見て訓練しないと、事例画像はアタマに蓄積しないんです。

VMDインストラクターは常日頃から、VMDの仕事中でなくてもいろんな売場をカメラアイで見ているので、経験として引き出しに画像が溜まっています。
だから優秀なVMDインストラクターはアタマの引き出しに事例がたくさん詰まっているんです。

ただし、引き出しに画像を溜める際の注意始点として、引き出しに名前を付けないとランダムな記憶のスクラップになる・・・ということを言っておきます。

写真を丁寧にアルバムに収納するように、頭の中に整理整頓して溜めるんです。
それには、引き出しに「55のフレームワーク用語」を付けるといいでしょう。

VMDインストラクターは、55のVMD専門用語を知っているので、引き出しに下記のような名前が付けられています。

  • フェイシング
  • リレーション
  • POP編集
  • ゾーニング
  • VMD分類
  • くくり

などなど最低55の引き出しが頭の中に入っています。

さらに細かく、

  • ネガティブスペース
  • キャッピング
  • コネクトポイント
  • コントラスト配色
  • アメーバ

などというような引き出しも持っているでしょう。

まるでAIが世界中のサイトを検索して瞬時に画像を持ってくるように、VMDプロは画像を探して当てます。
流行りのAIにフレームワーキングをなぞらえると、引き出しはタグのようなものです。
実際に、売場の写真を撮影しているVMDプロは、その写真にタグ付けをして保存してますので、フレームワーキングはまさにタグ検索と同じと考えてください。

※ちなみに写真のタグ付けの仕方はこちら。
●タイパ!売場写真整理術

みなさんがスマホで写真を日々撮っても、整理して保存しておかないので、スマホはほとんどデータのゴミ箱と化していることでしょう。
それと同じです。

4.画像に紐づけられたフレームワークを解説する

そして4コマ目は、VMDインストラクターである所作、アドバイスです。
アタマの中から取り出された画像は、あくまで仮想的な画像です。
写真としてプリントアウトできないし、エスパーでもないのでケータイに念写することはできません。

ではどうするか。
それは画像に紐づけられたフレームワーク用語をベースにして解説します。

先ほどのフェイシングかよい画像・・・

  • ディズニーランドのプーさんのぬいぐるみ売場
  • しぶちかのコロッケ売場
  • ビクトリノックスのナイフ売場
  • フレッドペリーのポロシャツ売場
ネガティブ要因写真2

それらの共通項である「よいフェイシング」とは何かを語るといいんです。
その画像を想像しながら語るんです。
画像はアタマの中に収納すればするほどVMDインストラクターとしてのコンサル能力が増します。

特に画像は

  • 自動車
  • 着物
  • 書籍
  • オーディオ
  • ネズミ捕り
  • 風邪薬
  • タイヤ
  • 冷蔵庫

などなどあらゆるアイテムの売場の画像をアタマの引き出しに収納してしましょう。

つまり、VMDコンサルになるのは食わず嫌いにならないことをおススメします。
でないと、どんな業種・業態・取り扱い商品でも対応できるVMDインストラクターにならないからです。

まとめ

だいたいわかりましたか。
売場塾独自の手法、フレームワーキング(R)。
今回はマンガで書いてみました。

マンガで書くのは、このブログ以来でしたよ。(笑)
●PP,IPと外国で言っても通じない

実のところ、このフレームワーキングという手法は専門的な分野ならどこの分野でもやっていることです。
そもそもフレームワークとは型のことであり、どんな業界でも存在しています。

例えば、

  • 医療業界
  • 天文学業界
  • 薬品業界
  • 物流業界
  • IT業界
  • 広告業界
  • 建築業界

といったみんなが関係する業界でも型は存在します。
それどころか、

  • 釣り業界
  • ペット業界
  • スキー・スノボ業界
  • 園芸業界
  • 飲食業界
  • ツアー業界

といった趣味関連でも型は存在するんですね。
例えば、ルアーフィッシングされる方は、

・ジギング
・フローティング
・バンプアンドキック
・マッチザベイト

などなどいろいろな型を知っています。

白鳳が横綱のころ、「型をもっているヤツは強い」と言いましたが、まさにそれ。
スポーツ業界はほとんど型を中心に選手がしのぎを削っています。
基本的な型はもちろんのこと、

・振り子打法
・スイーパー

などオリジナルな型を持っているイチローや大谷翔平みたいな選手もいます。
型を知るだけでなく、あなた独自のオリジナルな型を持つと、もっと強く超人になれるんです。

VMDプロを目指しているみなさん、ぜひフレームワーキング、会得してくださいね。
VMD業界のイチローや大谷翔平になってください。(^^)

フレームワーキングについて詳しくはこちらです。
●フレームワーキング


(vmd-i協会事務局)

VMDインストラクターの書いた本

VMDインストラクターの書いた本

VMDインストラクターを輩出している売場塾では今まで1000名以上の卒業生がいます。
卒業生の書いた本を紹介します。
すべて読んでみました。いずれも肩ひじ張らずに読める本です。

最近出版したばかりの本「通行客を来店客に変える「店頭集客」」をまずは紹介し、以下今まで読んだ本の内容をお知らせします。

●通行客を来店客に変える「店頭集客」
著者/ 村越和子 出版社/ 同文館出版
ここまで書くか~というほど、入店にトコトンこだわった逸作。
VMDとは売場づくりの技術とはいえ、お客様が店に入らなければ話にならない。
ショッピングモールのテナントや路面店を営む小売店の方、ショップインショップをフロア内で展開しているメーカーの方にグサリと刺さる。
写真がとても多く、Before Afterで事例を解説しているところが親切でわかりやすい。

●売場づくりの法則
著者/ 佐藤玲子 出版社/ 同文館出版
名古屋で活躍中の佐藤さんの本。
自分でリバイスしたさまざまな売場のケーススタディが掲載されている。
その経験と実績をもとにVMDの法則をまとめている。

●いる接客、いらない接客
著者/ 齋藤孝太 出版社/クロスメディア・パブリッシング
接客のポイントは共感・共振・共有という独自の考え方で、わかりやすくまとめた接客指南書。
CRMの参考にもなる本で、自分のクライアント業務の実例も豊富に語っている。
他3冊読みましたが、これが一番わかりやすい。

●頑張らなくても1日3200万売れました
著者/ 坂本玖美子 出版社/ 秀和システム
シングルマザーでいながら接客未経験で大塚家具に入社し、トップセールスになった坂本さんの実話をもとにしている。
「こころの営業」でいかに顧客の心をつかみ、売上を上げていけばいいのかが楽しくわかる指南書。

●買わせる極意
著者/ 吉田美紀 出版社/ 講談社
「真夏にカシミヤコートを売る!」スゴ腕販売員の実戦術!!というタイトルがついている本。
もとスーツのAOKIで販売4冠王に輝く、敏腕セールスレディ。
いままでの接客本と違った、鋭い切り口でノウハウを教えている。

●お客様が本当に喜ぶ 「客単価アップ」販売のススメ
著者/ 久保田正恵 出版社/同文館出版
「目の前のお客様をただ大切にすること」で客単価がアップし、お客様の満足度が高まる方法。「おすすめトーク」「セット販売・コーディネート販売」の極意を解説!
コスギのGolden Bearの店長で担当VMDの経験が生きている。

●リサーチ&リニューアルの策定と実践
著者/ 長谷川 安希子  出版社/ かんき出版
リサーチ&リニューアル(R&R)が集客施設の経営を変える。集客施設のマーケティングの考え方、リニューアルのための各種リサーチ手法、リニューアルの戦略策定の方法と手順などで構成。
商業施設の集客のための調査の基本を知ることができる本。

●集客・販促術大全
著者/ 豊増さくら 出版社/ 明日香出版
小売店だけでなく、VMDで起業している方・副業している方にもためになる本。
集客とリテンション(顧客保持)のテクニックが55+5入っている。
もちろんVMDテクもバッチリ入っている。

これは私が知って読んだ本なので、まだまだ出版している人はいると思います。
卒業生の方は、こんなふうにして自分独自の理論を展開してしています。
接客本が多いのも特徴で、普段から現場スタッフとして活躍していた経験と実践をまとめています。売場塾生の本を読んで知性を高めましょう~。(^^)

もちろん新刊もありますが、中には絶版も。
ただし、中古本市場で販売していますので、アマゾンなどで検索してください。

最後ですがオーバルリンクの本もお忘れなく!!

●オーバルリンクの本

あと、これ売場塾卒業生から出版ご報告いただいた本なので、他にも出版されている方、大勢いると思います。
本を出している売場塾卒業生はぜひお知らせください。(^^)

(vmd-i協会事務局)

売場塾生1000名に

売場塾生1000人記念アーカイブ

1.地下室から始まった売場塾

売場塾の生徒もこの秋で1,000人になりました。
今回は、アーカイブ売場塾ネタで行きたいと思います。

売場塾はいつからどこでやっているのか?
それは2006年4月春期からです。
そして場所は東京三田なのですが地下室から始まったということ。

オーバルリンクは2005年、新橋汐留オフィスから田町駅下車の三田オフィスに移転しました。
マンションの一室で売場塾を始めたのですが、このマンションのいいところは地下に会議室があるということでした。

当時の売場塾第5期の写真がこれ。

8人掛けのテーブルとスクリーンがある地下室。
なんかいいですね。地下室の怪しい雰囲気好きです。
当時、受講生に「虎の穴へようこそ」と言っていました。(^^)

この地下室、ラックと展示用テーブルがあってよかったです。
ディスプレイ見本台にもできるし、IPのワークショップにも最適。
みんなイキイキディスプレイをつくってくれました。

2.手狭になったので近くのビルに移転

その後、受講者がだんだん増えていき、翌2007年の夏は地下室を出て近くのビルで行うようになりました。
これはチームでディスプレイをつくっている様子。

教室もひろび~ろになりました。

ただ、テキストはパワポでつくっていて製本はまだしておらず、下写真のような感じでした。
枚数は多いのですが、ページナンバーも印字していなかったです。
売場塾のロゴも変わっていなかったです。

初めて製本したのは、2009年春から。
とはいえ、まだパワポのページでした。

2010年夏、インデザインでテキスト刷新。
パワポのイラストはすべてCGで立体的に。
お客様の視線で見た売場を忠実に再現。
ほとんどのCGは高さ155cmの視線で見たものになっています。

教材も徐々にオリジナルなものに変身。
最初はスーパーや100円ショップで買っていましたが、売場塾オリジナルデザインに。
これはオーバルビールです。(^^)

3.「移動売場塾」開始

「大阪でもやってほしい」という声が上がりだしのが2009年。
その夏から大阪売場塾を行うようになりました。

売場塾移動キットを開発。
ディスプレイ教材はすべて3梱包のキットで運搬できるように、通常の売場塾とは別に専用キットを作りました。(下写真)

大阪は3日間通しの合宿形式にしていたので、大阪の方というよりも全国から泊りで来られる方が多かったです。
大阪の方はほとんどいなくて北海道や九州からの方が多いときもありました。

そのうちに「当社で売場塾を開催してほしい。VMDチーム全員に資格取ってもらう」という声が多くなり、出張売場塾を開催することになりました。
オーダーメイド売場塾の始まりです。2013年9月のことでした。

オーダーメイド売場塾のいいところは、業種・業態・取扱商品にカスタマイズできることです。
文字通り、企業の本社に行って行うので、受講生の手間は省けますし、その会社の商品で授業ができます。

現在、VMDインストラクターのうち、売場塾を会社の指定校としているのは約半数。
多くのブランドが売場塾をVMD指定校としているんです。

4.日本橋に専用教室

時は2018年になりました。
それまで貸会議室を借りていたのですが、本格的に常設校をつくろう、ということで日本橋に専用教室をつくりました。
日本橋校の始まりです。

常設の売場塾ということで、企業研修やオーダーメイド売場塾もここでやるようになりました。
日本橋の商業施設もすぐ近くなのでフィールドワークもやりやすかったです。
ちょうど三越日本橋店がリニューアル、高島屋が新店舗、コレド室町がオープンなどと話題が目白押しの日本橋。
タイミングよかったです。

5.オンライン売場塾の始まり

と思ったのもつかの間、1年後コロナ禍が訪れました。
2020年4月は、授業閉鎖。しばらく無人になりました。

その時の思い出で、今となってはおもしろいエピソードがあります。
2020年新春講座大手にマスクメーカーの方が受講されていました。

当時は横浜のクルーザーのコロナ感染が問題になっていたころ。
マスクメーカーの方が気を利かせてマスクを持ってきてくれました。
その時はまだ2月でした。

2020年新春講座の受講生が次第にマスクを付け出します。
「時期に収まるだろう」とみんな思っていました。

3月にマスクが不足しだしました。
マスクメーカーの受講生は「いや、ものすごく大変です」といっていました。
そう、コロナ禍はマスクメーカーの方でも予測できなかったんです。

2020年11月にはオンライン売場塾を始めました。
北千住オフィスの一角をつぶしてオンライン売場塾専用スタジオにしたんです。(上写真)

器用な社員のおかげで、オンライン用キットを開発、アパレル以外はすべてオンラインとリアルの兼用に。

昨年までの売場塾受講者はオンラインとリアルが半々位。
コロナが開けた今でも需要があり、オンライン売場塾は12期になっています。

6.銀座に移転

そして今年から売場塾は銀座に移転。
外国人観光客でにぎわう街をフィールドワークの舞台にしています。

会場は松屋の裏にある東京都中小企業会館。
昭和レトロなクラシックビル。
ゴジラマイナス1.0の対策本部みたいですごくいいです。

玄関に塩澤達三先生の像があります。(誰?

7.売場塾の数字

2006年に始まった売場塾。
ただいま18年目になりました。

地下室から始まった売場塾が、ここまで来れたのは皆様のおかげと深く感謝しています。
1000名の受講生の皆さん、ありがとうございます。

ここで数字を振り返りたいと思います。


●資格取得者数
VMDインストラクター 915名
シニアVMDインストラクター 22名

●テキスト改訂数
VMD基本講座 62版
アパレル基本講座 37版
VMD教育指導講座 43版
ディスプレイ指導講座 12版
POP指導講座 24版

●欠席率 1.5%

●開催数
リアル 91期
オンライン 12期

●最南端受講生 沖縄
●最北端受講生 北海道
●海外受講生 中国、韓国、ロシア

●論文数 71

8.事業の続け方

ということで、VMDの会社を21年続けていて山あり谷ありだったんですが、事業を続けていく秘訣を語りたいと思います。
よかったら、下記のブログご覧ください。

●事業を続けていく秘訣

今後とも売場塾並びにVMDインストラクター協会をよろしくお願いします。(^^)

(vmd-i協会事務局)

月刊VMDムック

月刊VMDブログ「売場づくりの知恵広場」が本になりました

1.書籍概要

●タイトル/ディスプレイが深く学べる12か月「商空間ディスプレイ教本」
・株式会社オーバルリンク 代表取締役 深沢泰秀
・定価: 2,500円(税別・送料別)
・サイズ: A4版
・体裁: 77ページ・フルカラー
・出版社: 株式会社オーバルリンク

●詳細・購入はこちら
→製本版はこちら
→キンドル版はこちら

この本は、月刊VMDムックとして販売開始しました。
この本のキャッチは、「ディスプレイが深く学べる12カ月」
毎月コツコツ実践してディスプレイのセンスを磨く本です。
研修用テキストとして、VMD担当や販売スタッフの勉強本として活用できます。
購入は1冊からOKです。

2.当ブログが書籍に昇華した理由

VMDの本

「売場づくりの知恵広場」はかれこれ18年書いてきました。
古い「売場づくりの知恵広場」はライブドアさんにて2016年まで書いていました。

2017年に始まった新しいこのブログサイトは、ふんだんに写真やチャートを足り入れているのが特徴。
アメリカの店舗視察の写真もたくさん取り入れています。
ブログを書くきっかけは売場塾の授業で話したりなかったうっぷんを放出することでした。(笑)
文章にすることによって、VMD理論を整理し、売場づくりのノウハウやハウツーを明快な言葉として開発することに力を注いできました。
ディスプレイ制作の細かいテクニックも多数生み出しました。

その代表的な新テクニックをワークショップ形式で一昨年から毎月披露することにしたのが、センスアップセミナーです。

●オンライン「センスアップセミナー」

このセミナーは、毎月テーマを変えて12か月で完結するようになっています。

1月 VMDとは
2月 VP,PP,IP
3月 ディスプレイ構成1
4月 ディスプレイ構成2
5月 ディスプレイ構成3
6月 ディスプレイ構成4
7月 ライザー
8月 プロップス活用体系
9月 陳列
10月 展示
11月 カラー
12月 POP活用体系

この月例セミナーのテキスト本として活用しているのが月刊VMDという、ブログをテキスト化した雑誌です。
つまり、「商空間ディスプレイ教本」は、1月~12月分の月刊VMD原稿をひとつにまとめ、加筆修正して初心者にもわかりやすくし、アメリカ視察のコラムも設けて本にした、というものです。

ディスプレイのレッスン本としてわかりやすく、ディスプレイ研修やVMD研修のテキストとして使用できます。
売場塾の生徒にも副読本としておススメしています。
売場塾のレクチャーで言い足りないことをブログにし、テキストにしたのがこれなので、正真正銘の副読本!ですね。

3.研修会社のテキストやスタッフの勉強本としても利用可能

ディスプレイの本

皆さんがVMDの講師だったら、ぜひこの本を研修テキストとして利用下さい。
購入部数により割引サービスがあります。
いろいろな売場の写真やチャート図が毎ページ入っているので、すべての業種・業態・取扱商品のお店に適合します。
販売スタッフ研修や店長研修にうってつけです。

100冊以上購入の場合は、広告枠をいれることができるので、自社の宣伝や従業員のベルティとしても使えます。
30冊から段階的に割引価格が適用されます。
詳しい料金・広告サイズは、資料請求をしてください。

●「商空間ディスプレイ教本」資料請求

4.注意 ブログの中身すべては書籍化していません

最後に注意です。
このブログが元となってできた本と言いましたが、ブログすべてを網羅しているわけではありませんので、ご注意ください。
前述のごとく、ブログを一部抜粋し加筆修正した本となっています。

それでは皆さん、月刊VMDムック「商空間ディスプレイ教本」と当ブログをよろしくお願いします。

(vmd-i協会事務局)

ギンザシックスのディスプレイ

ディスプレイをふわっと浮かせる2つのテクニック

1.ワフティングとフローティングとは

今回はワフティングとフローティングについてお話しします。

どちらもディスプレイ制作のテクニックです。
ワフティングは、ふわっと商品を持ち上げること。
フローティングは、ふわっと商品を宙に浮かせること。

英語に直すと下記です。

waft = 漂わせる ふわりと運ぶ
float = 浮かべる 浮かせる

どちらも似ています。
どちらも、重たい商品をフワリとさせることを言います。

では、二つの違いはなんでしょう?
それはライザーが見えるか見えないかの違いです。

ライザーとは、展示台のことです。
ライザー忘れた方は、こちらを見てください。
●ライザーの使い方

それでは実際にどんなディスプレイか見てみましょう。
ワフティングとフローティングを使って、テーブルディスプレイをそれぞれ作ってみました。
インスタグラムでお馴染み、カフェテーブルです。(^^)

●商空間スタイリスト インスタグラム

テーブルカフェ
テーブルカフェ2

上の二つの写真を見てください。
上がワフティング。
下がフローティング。

もう少し、近づいて見てみましょう。

ワフティング
フローティング

上の二つの写真を見てください。
上がワフティング。
下がフローティング。

二つのディスプレイテクの違い、わかりましたでしょうか。
どちらも商品をふわっと浮かせています。

両者の違いを種明かしをしましょう。

ライザーの様子
ライザーの様子

上の二つの写真を見てください。
上がワフティング。
下がフローティング。

わかりますか。
ワフティングは、商品を足で支えています。
フローティングも、商品を足で支えています。

足とはライザーのことです。

「なーんだ、ワフティングもフローティングもライザーを足ゲタにして商品を注に浮かせている、同じじゃん」と思うかもしれません。
確かにその点では同じなんです。

大きな違いは、足が見えるか、見えないか。
そこだけです。

足が見えると、「おー、商品を空中に上げているなあ」というのがわかります。
足が見えないと、「あれ、なんでこの商品浮いているんだろう?」と不思議になります。

つまり、フローティングの方がワフティングよりもオドロキが大きいんです。
デパートや駅ビルに行くと、大きなオブジェが空中をふわふわと浮いていますよね。
下の写真を見てください。

東京駅

おー、あんなでっかいねぶたが浮いている~!!と来店客は感動します。

これが、床に置かれた状態だとあまり目が行きません。
床には他のディスプレイや什器、柱、店舗スタッフその他大勢でごちゃごちゃしているからです。

空中は、他に遮るものがなくノイズも少ないので、まるで飛行機を見上げる様。
地上のものよりも、注目率は高まります。
地上のディスプレイが3次元なら、こちらは4次元のディスプレイなんです。

論より証拠。
お菓子のディスプレイを浮かしてみましょう。

お菓子箱を使ったフローティング1

これが3次元の普通のディスプレイ。

お菓子箱を使ったフローティング2

これがフローティング。
あれれ、浮いているー!!と驚いたと思います。

改めて見比べましょう。
下の写真を見てください。
左が普通のディスプレイ。
右がフローティング。

お菓子箱を使ったフローティング3

これ、黄色いルックチョコを後でライザーが支えているだけなんです。
でも、ライザーは見えないですよね。
だから不思議に見えるんです。

2.ワフティングの実際

ワフティング

今度は実用編。
上の写真はアラモアナのショーウインドウ。
ミラーボールがライザー代わりになり、靴をワフティングしています。
キラキラボールがふわっと靴を持ち上げていて、靴に注目が集まります。

シュガーフィナ店内

上の写真はシュガーフィナのテーブルディスプレイ。
赤と金色のクリスマスチョコがワフティングされています。
ワフティング、お菓子のディスプレイにとてもいいです。

3.フローティングの実際

あなたが文具店にクルトガを買いに行ったとします。
シャープペン売場に行きますよね。

売場を見ると、ユニのシャープ芯のディスプレイが。

UNIのディスプレイ
シャー不便の芯のディスプレイ

近くに行くと、「あれれ、浮いている!!」
と覗き込むようになりませんか?
これ、フローティング効果なんです。

PPとしてユニのショーケースがあるけれど、思わず見入ってしまいます。
それはシャープ芯が浮いて見えるからなんです。

ライザーは何てことない、にょっきっと後ろから出ている棒なんですが、透明プラスチックで出来ている上に背景がメタリックなので、客は棒に気が付かないんです。

これがフローティング効果です。

4.ワフティング・フローティングに有効な商品

ワフティングとフローティングは、下記の効果があるのがわかったと思います。

  • 商品を高く持ち上げ、遠くから目立たせる
  • ふわっとした軽さを表現できる
  • ディスプレイのフォーカルポイントになる
  • 動いているような躍動感ができる
  • 商品のくくりをわかりやすくできる

このようなディスプレイに向いている商品は下記です。

●お菓子
・ギフト箱をふわっと持ち上げて、陳列に動きをつける
・マカロンやシュークリームをふわっと浮かせて軽快感を与える
・皿を浮かせてそこに商品を陳列すれば、皿がくくりとなる
したがって、商品分類がわかりやすくなる

●スポーツ用品
・靴や帽子を浮かせることで躍動感が出る
・サングラスやバッグを浮かせることでカジュアル感が出る
・板を浮かせてそこに靴を展開すれば、板がくくりとなる
したがって、商品分類がわかりやすくなる
・釣り用ルアーやビーチバレーボールなどボールを浮かせることで、動きが出る

●パーティ用品
・クラッカーや風船を浮かせることで、華やぎが出る
・オブジェであるシャンパンボトルやグラスを浮かせることで躍動感が出る
・ランチョンマットを浮かせてそこにつまみを載せれば、メニュー提案になる

●ジュエリー・腕時計
・指輪や腕時計を浮かせることで、一点豪華なフォーカルポイントになる
・スポーツウォッチを上下に浮かせることで、躍動感が出る
・ステージを浮かせてそこに商品を展開すれば、ステージがくくりとなる
したがって、商品分類がわかりやすくなる

なお、フォーカルポイントの用語忘れた方は下記ご覧ください。
●フォーカルポイントとは

上記以外にもいろいろな商品が使えます。
ぜひ、ワフティング・フローティングを使って、来店客にオドロキを与えてください。

なお、毎月開催のセンスアップセミナーでは、上記を始めいろいろなディスプレイテクニックを教えています。
興味ある方は、ぜひお越しください。お待ちしております。(^^)

●センスアップセミナー


(VMDインストラクター協会事務局)