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実用客と快楽客の対処方法

お客様は実用客?それとも快楽客?/ PART3 2タイプの今後の行方

このテーマ論文もPART3になりました。
今回で最終章となります。

PART1では、お客様は実用客と快楽客の2タイプいる、ということをお話ししました。
PART2では、実用客型店舗、快楽客型店舗の2つのタイプに対するVMD施策を伝授しました。

まだPART1と2、読んでいない方は下記をクリックしてください。
●お客様は実用客?それとも快楽客?PART1
●お客様は実用客?それとも快楽客?PART2

これからの問題は実用型店舗の方でした。それをこれからお話しします。

1.実用客型店舗はしだいに快楽客型店舗になっていく

このブログを読んで皆さん、うすうす気が付いていると思います。
そう、実用型店舗はインターネットにシフトしていくということを。

サッと入ってサッと出る、用を足すだけの店舗は、リアルでなくてもよくなりました。
アマゾン、楽天、ヤフーというポータルを筆頭に、文具だったらアスクル、飲み物だったらカクヤス、化粧品だったらアットコスメ・・・といつもの買物ならネットで済むようになりました。
ましてや米やビールなどという重たいものは、届けてくれた方が主婦にとってありがたいです。
コーヒーやプロテインは店に行かなくてもサブスク会員になれば、切れそうな時に宅配便で補充してくれます。
今後は、冷蔵庫の調味料が切れたら自動的に発注し補充してくれる、スマート冷蔵庫も普及することでしょう。

そんなわけで、切れたら買うような商品は、わざわざコンビニやスーパーに行かなくても済んできています。

では、実用型店舗はどう生き残らなければならないか?
それは快楽客型店舗の要素を併せ持つということです。
リアル客にとってのベネフィットをプラスしていきましょう。

  1. そこに行かなければ買えない商品を売る。
  2. 商品そのものでなく、体験も売る。
  3. 店内をいこごちの良いものにする。

一つ一つ説明します。

対策その1. そこに行かなければ買えない商品を売る

ネット社会でも、歩いている時、宅配を待てない時などの不急不要購買できる店舗は重宝されます。
それと、ネットで買えずにそこにしかない商品はやはり店舗に行かなければなりません。
例えば、金のナントカで有名なセブンプレミアムは、ネットで買うことはできません。

対策その2. 商品そのものでなく、体験も売る

商品を買うだけなら、ネットでもできます。
そこに行かなければ得られない体験サービスを売るのです。
キーワードは下記です。

  • 集い
  • 知見
  • 遊び

集いとは、仲間と出会えること。
趣味やライフスタイルなど界隈の人と交わえる時と場所を提供する店舗を目指しください。

知見とは、そこに行っていろいろなものを知り知識の糧になること。
それを与えてくれる店舗になってください。

遊びとは、ワークショップやロールプレイング、ゲームやスポーツなどのことです。
それで来店客を楽しませてください。

このような機能は昨今のスーパーでも取り入れています。
詳しくは下記をご覧ください。
●買い物体験のつくり方

対策その3. 店内をいこごちの良いものにする

店に入るだけで、気分がのる、リラックスできる、興奮できるものにします。
これは五感の仕掛けをいかに店内につくるかにあります。
まずは、MDP、すなわちディスプレイです。
見て楽しい、ワクワクするようなディスプレイをつくれたらよいです。
ドン・キホーテUNY、カルディ、ロピア、ハローディなどのスーパーは入店客をエンタメ気分にしてくれるディスプレイでいっぱいです。

のこりの耳・手・鼻・舌に関しては、このPART1でお話しした通りです。

2.まとめ

えー、そんなのコストかかってできないよ、と経営者は思うかもしれません。
確かに、実用型店舗はローコストで店舗を運営しなければいけません。

しかし、今はOMOの時代。オンラインと融合させればコストは浮きますし、レジや接客など自動化する技術もできています。

セブンイレブンが「なにがあるかな、セブン‐イレブン」とCMで謳っています。、ワクワクして入店できる快楽型コンビニを目指しているのがわかります。

もともとの快楽型店舗もうかうかしていられません。
コロナ禍以降、お客様のリアル店舗に対する目も厳しくなっています。
より構えてワクワクを期待するようになっています。
せっかく来てくれたお客様をガッカリさせないように、もっともっとワクワクを盛り上げてください。
VMDの力で乗り切りましょう~。

ということで、この話の続き聴きたい!という方は、銀座のリアルセミナーに来てください。
体験ツアーに参加して、快楽型の銀座店舗を実際に見てみましょう。
どなた様もお気軽にお越しください。

●売場づくりのディスプレイセミナー 11/20(木)10:00開催


(VMDインストラクター協会事務局)

快楽客に対するVMD

お客様は実用客?それとも快楽客?/ PART2 VMD攻略の仕方

PART1の続きです。
お客様は2タイプあり、それぞれ実用客と快楽客と言います。
タイプによって、商品の買い方やお店の業種・業態があることもだいたい分かったと思います。

※PART1まだ読んでいない方は、下記をクリックしてください。
●お客様は実用客?それとも快楽客?PART1

今回はPART2、それぞれのタイプのお客様に対してどうやって店づくり・売場づくりをしなければならないかをお話しします。
まずは実用客型店舗のVMD施策について論じます。

1.実用客型店舗のVMD対応

そもそもVMDはディスプレイの技術だ、と思われてきました。
VMDに携わる人は装飾のギミックに囚われ、実用客主体の店舗でも華美な装飾をして満足。
「VMD、ここにあり」みたいな感じで業務を行ってきた方もいるかもしれません。

私もVMD会社創業時は、とにかく目立つディスプレイをつくればクライアントである小売店は満足する、そんな感覚になっていた時もありました。

しかし、それでは展示物や造作物、装飾をすることがVMDの目的になってしまいます。
売場を活性化するという本来の目的を達成することができません。

特に実用型店舗は、サッと入ってサッと出て時間をかけない、目的の商品に早く達することができることが求められています。
VMDはここに焦点をあてるべきです。
展示・造作・装飾よりも以下の施策が優先されます。

●実用客向けのVMD

  1. 入店してどこに何があるかわかりやすい。
  2. 最短距離で目的の売場に行ける。
  3. 商品名・価格・容量がすぐにわかる。
  4. 棚の前でいくつかの競合商品を比べられる。
  5. セルフで買える。
  6. レジ清算がスムーズ。

1と2についての施策は下記のフレームになるでしょう。
●分類サインを設置する
スーパーやホームセンターのように、「生鮮」「鮮魚」「コーヒー」「お酒」といった分類サインを目立つように配置する。
●直線通路を配備したフロアレイアウトにする。
直接通路はメイン通路・サブ通路の区別ができるようにレイアウトする。
●什器はストアフロントは低く、奥は高くする。
入口から入って、どこに何があるか見通しをよくするため。

3.4,5に関しての施策は、下記のフレームワークになるでしょう。
●VMD分類とくくりを明確にする。
食品なら、メーカ別・味別・サイズ別など棚割りの際のくくりをわかりやすく設計する。
●POPを画一的に設置する。
商品説明POP、演出POPなどのデザインと設置場所を明確に決め、POP用具も統一する。
●サッと読める短文からなるPOPコピー。
サッと10秒くらいで読める文字数を設定する。
スーパー北野や成城石井のプライスショーカードをイメージするとわかりやすい。
●商品特徴がわかりやすいフェイスづくり。
陳列した商品を手に持にもって確認すると時間がかかる。
棚に目を流すだけで、商品特徴が判明するようなフェイスづくりをする。

6に関しての施策は下記になります。
●レジのレーンを多角的にする。
通常レジに加え、エクスプレス、セルフなど、その時の客の希望でレーンを選べるようにする。
●サッカースペースを取る。
サッカー場を広く取り、快適に袋詰めができるようにする。
●自然な客の流れになるようゾーンや通路を整備する。
レジをフロア内から視覚的に分かる位置にし、サインもフロア四方から見えるようにする。
買い物客のフロア内導線に沿った、目当ての商品を短距離に導くルートで位置決めする。

こんなところです。

2.快楽客型店舗のVMD対応

快楽客対応のVMDは従来、百貨店やアパレルショップ、バラエティショップが行ってきた施策を続ければよいです。
ただし、テーマパークのような世界観をストアデザインで表現したり、華美で大がかりなウインドウディスプレイをつくったりするのが、それら業態のVMDだと思わないでください。

それらはハコの中の演出にすぎません。
VMDはMDというワードが入ってるように、品揃えを媒介させてショッピングを楽しむ場=快場をつくる技術です。

快楽客は何といっても、来店前に「構える」のが特徴です。
実用客型店舗はほとんど構えません。
目的のものをサッと買って行くので、店舗に入る心構えはいらないです。
トレーナー姿で入れるし、サンダルでも入れます。

ところが、快楽客は入店するシーンを想像します。
そこに行く服装を決めたり、いっしょに行く人とどんな過ごし方をするか考えたりします。
そしてワクワクときめきくのです。

シャープペンの芯を買いにコンビニに行くとき、ときめきはないでしょう。
でも壊れたシャープペンを新しいものに代えようと文具専門店に行くときは、ときめくかもしれません。
そこにはいろいろなメーカーのシャープペンがあり、試し書きもできる。
POPが自動押し出しできるクルトガみたいなペンをおススメしているかもしれません。
ちいかわやハローキティのシャープペンが、キレイな什器に入って売っているかもしれません。

文具店でも、伊東屋やロフトやハンズの文具売場のような店は、お客様はワクワクしながら入るということです。
1人で行っても楽しいし、友達と行っても楽しい。
彼氏が店の外でつまらなそうに待つ、ということはないでしょう。
例え、買うものがなくても店内を歩けば、誰でも楽しい売場に出会えます。

私たちがやることは、ワクワクしてきた客をガッカリさせない、連れまで楽しませることができるVMD構築です。
その対策を下記に紐解きます。

●快楽客向けのVMD

  1. ワクワク「構えて来る」客を満足させる商品がある。
  2. 回遊通路をそぞろ歩きできる。
  3. 魅力的なマグネット売場がそこかしこにあり飽きない。
  4. 商品そのものだけでなく、商品を取り巻く情報を与えてくれる。
  5. 専門の店員による接客がフォローしてくれる。
  6. ディスプレイを始め、においやBG、照明など五感に訴える演出がある

1に関しての施策は下記になるでしょう。
●MD分類・VMD分類を快楽客に合わせる
お客様の嗜好にあった分類の切り口に合わせて商品を仕入れる。
服だったら、色・柄・サイズの他に、TPOやモチベーション、テイストや季節などがあります。
食品でしたら、製法やアイテムの他に、単品かコースか、産地やオケージョン、人的構成(ファミリー、シングル、カップルetc)などがあります。
これらを踏まえた上で商品を仕入れます。
VMD分類は仕入れた商品を店内でどうやって展開するかの技法です。

2と3に関してはフロアレイアウトになります。
●楽しんで歩ける通路と什器レイアウトにする
そぞろ歩きとは、池泉回遊式の公園をぶらぶらするようなイメージです。
石庭あり、池あり、島あり、竹林ありの、回って四季を楽しめる散歩のことです。
フロアも一直線の通路ではなくて、角があったり島があったり、通りがあったりと、池泉回遊式の什器レイアウトにするということです。

詳しいフロアレイアウトの仕方は下記リンク参照ください。
●什器レイアウトの考え方 PART2;什器配置の型

マグネット売場とは、お客様を引き付ける売場ということです。
倉庫のような、モノがたくさんあるだけのフロアでは、お客様はどこを見ていいのか分からず、最終的に歩き疲れてしまいます。
フロアのそこかしこに視覚的な「寄りどころ」をつくります。
これも詳しくは下記ご覧ください。

●マグネット売場で店内回遊率を上げよう


4に関しては下記になります。
●演出POP、ナーチャーリングPOPを多用する。
価格やサイズ、性能や効能というスペックだけではなく、どんな生活ができるか?とか、どんな自分が表現できるか?と行った付加価値情報が得られる売場をつくるということです。
具体的には、商品を消費するときの気分を醸し出してくれる演出POPや、知識を与えてくれるナーチャーリングPOPなどがおススメです。
演出POPとは、食品ならシズル感あふれる料理の盛り付け例、服ならモデルの着用シーン、車なら友達同士グランピングしているシーンのPOPになります。

ナーチャーリングPOPとは顧客育成という意味の言葉で、お客様に知恵を授けるPOPのことです。
例えば、美容家電ではナノバブルのシャワーがどのように美肌を作ってくれるかのレクチャーを簡潔にPOPがしてくれます。
POPは専門家の代わりになります。

演出POPに関しては下記をご覧ください。
●演出POPでブランド空間を演出する


5に関しては、家電店店員または化粧品店の美容部員をイメージするとわかるでしょう。
押しつけではない、お客様の心に寄り添った接客をしてくれるので、買わなくても大丈夫。
会話が楽しいひと時を与えてくれます。


6に関しては、下記が大事です。
●ショップデザインの明確な設定
●テーマ設定のカレンダーづくり

ショップデザインとは、いわば床・壁・天井・什器という大道具で囲まれた舞台のデザインです。
お客様は観客です。
舞台は、照明や音楽、においで満ち溢れています。
つまりショップデザインは、5感で訴える舞台装置をつくるようなものだと考えてください。
このプランをしっかりやらないと、何の演劇が始まるのかお客様はわからなくなります。

もっと詳しく知りたい方は下記をどうぞ。

●自店の店舗デザインはどうあるべきか


テーマ設定のカレンダー作りとは、時系列でディスプレイのテーマをつくるということです。
こよみをつくるように、店内ディスプレイは毎月毎期1つのテーマに沿って動いていかなくてはいけません。
1月になったらバレンタイン、6月になったら夏休み、というテーマに沿ってフロア内ディスプレイを切り替えていきます。

テーマには打ち出し商品というものがあり、ディスプレイの主役である商品は、テーマに即したものでないといけません。
例えば靴店が夏休みというテーマだったら、アウトドアシューズが来ますよね。
革靴は来ません。

だいたいわかりましたか。
買い物客は2タイプあり、VMDもそれに則してプランしなければいけません。
引き続き、PART3では、二つのタイプの今後を占いましょう。
下記をクリックしてください。

●お客様は実用客?それとも快楽客?PART3

(VMDインストラクター協会事務局)

0什器レイアウトの変遷

什器レイアウトの考え方 PART3;実践

お待たせしました。
今回は「什器レイアウトの考え方 PART3」をお送りします。
まだ、PART1とPART2を読んでいない方は、下記をクリックしてください。

●PART1; ゾーニング
●PART2; 什器配置の型 

特にPART2のAからGの什器レイアウトの7パターン、覚えましたか。
什器レイアウトをするには、ただ倉庫みたいに並べればいいというものではないのが分かったと思います。
今回は、この7つの型を使った什器レイアウトの直し方を実践します。

PART1で事例に出した、アウトドア用品のフロアの什器レイアウトをもう一度見てみましょう。
実際に什器レイアウトを直してみます。
3ステップごとに解説しますので、直す理由や企てが分かります。

1.什器レイアウトの直し方 ステップ1

1什器レイアウトの直し方

図1を見てください。仮想アウトドア店、こんな感じのゾーニングになっていました。
確かに各カテゴリのゾーンは固まっていますが、什器レイアウトが単調です。
ブルーのゾーンやピンクのゾーンはアメーバになっています。
できれば、もう少し四角く固めたいですね。

オレンジのキャンプ用品は、調理器具やテーブルなどのキッチン用品、ランタン・懐中電灯などの照明器具、焚火用着火燃料・器具、家電と多岐に渡るので、什器を細分化した方がよいと思いました。

ブルーのバッグ、収納用品も同様。
用途別VMD分類では、キッチン用品収納、レジャー用品収納、食材・ドリンク類収納、キャンプツール収納などいろいろあります。
こちらも長い通り化よりも、そうしたVMD分類別の短い什器配置を組み合わせた方がよさそうです。

2.什器レイアウトの直し方 ステップ2

2什器レイアウトの直し方

そんな思惑で2の図にしてみました。
まあまあですね。
オレンジとブルーの通り化什器配置は短くなっています。

これなら、用途別に分けたブルーのバッグ・収納用品、アイテム別に分けたオレンジのキャンプ用品は探しやすそうです。

アイランドで分類ごとに固まっているし、短い通り化を歩いている時も左右を見渡せば関連商品が手に入りやすくなっています。


ただし、ブルーが壁にびろーんと長くなっているのは、キャンプツール収納の売場でメーカ別、サイズ別種類がたくさんあるため、壁一面で見られるようにしています。
この中にはシュラフも入ります。

しかし、考えてみるとアウトドアウエアはかなり売場面積があり、たくさんのアイテム、ブランド、用途がひしめいていました。
半分のウエアはブランド物で、残り半分はノン・ブランド物。
このお店のPBもノン・ブランド物の中に入っています。

ブランドものはある程度、世界観が必要なので閉合することにしました。
下図3のピンク部分を見てください。
奥のブランドウエアが閉合されるように、什器を突き出して「入口」をつくりました。

3.什器レイアウトの直し方 ステップ3

3什器レイアウトの直し方

すなわち、「完全閉合型」什器レイアウトにしました。
そしてその閉合の中で、スノーピーク、ノースフェイス、ロゴス、ファイヤーフォックスなど有名ブランドの売場を短いアイランドで固めました。
スノーピークなどは人気があるので、ピンク左奥上のコの字型什器配置でコーナー化しています。

閉合の入口にあるグリーンの売場はウエアと関連あるスポーツ用品売場にしました。
サンバイザーなどの帽子類、グローブやアームカバーなど暑さ対策グッズです。

片や、テント・タープ類もじっくり選べるように、入口をある程度ふさいで閉合型にしました。
これはパープルの売場を見てください。

パープル閉合の入口には、最近はやりの「ソロキャンプ」グッズをアイランド配置。1人用テントをはじめ、シュラフや火起こし、バイクや自転車用収納グッズも入れました。

4.まとめ

4什器レイアウトの直し方

まとめです。
単調な什器レイアウトからVMD分類をベースにしたレイアウトに変更しました。
先述した、どんなタイプの什器レイアウトを活用しているか、図4に書きました。

活用した什器レイアウトの型は下記です。

  • 通り化
  • アイランド
  • 閉合
  • 完全閉合
  • コーナー

だいたいわかりましたでしょうか、什器レイアウトの仕方。

このアウトドア用品店は架空なのですが、実際に什器レイアウトを変えて140%の売上アップになった店もザラにあります。
ぜひ、什器レイアウトを貴店VMDの戦力にしてください。

メーカーの方は、小売店からフロアのどこをいただくか?の重要なプランとなります。
小売店から空いている売場をもらう・・・というのはもうやめましょう。
小売店フロア全体、カテゴリー全体の什器レイアウトを提案できるようにしてください。
これがドラッグストアでできているのは花王や資生堂でしょう。
これをカテゴリーマネジメントと言います。

さて大事な点が1つあります。
什器レイアウトは一筋縄でできません。
下記の要素を考えながら什器レイアウトは遂行しなくてはいけないということです。

  • ゾーニング
  • 定数・定量
  • VMD分類
  • 導線
  • マグネット売場
  • 通路幅

知りたい方は、上記単語にリンクを貼っているので、ぜひお読みください。
そしてさらに知りたい方、学習したい方は売場塾にお越しください。

売場塾用教材

売場塾では、什器レイアウトのワークショップは、ブロックで行っています。
ある商業施設にフロアをつくることになりました、という想定の実習です。
アイテム、定数を受講生に与えて、その場で考えていただき、什器レイアウトを発表いただいています。

オンライン売場塾ではつい先週やったばかりでした。(^^)
このワークショップ、興味ある方はぜひ売場塾説明会にお越しください。
どんなワークショップをやっているのか、詳しくお教えしています。
皆様のお越し、お待ちしております。(^^)

●売場塾&VMDインストラクター説明会 銀座
●売場塾&VMDインストラクター説明会 オンライン

(VMDインストラクター協会事務局)

ダイソーのゾーニング

什器レイアウトの考え方 PART2;什器配置の型

1.什器レイアウト

先達からお届けしている「什器レイアウトの考え方」3部作のPART2です。
今回は、PART1のゾーニングに続く、什器レイアウトの仕方に話を移します。

PART1に出てきたアウトドア店を再び事例にします。
同店の別店舗ゾーニング図を什器レイアウトに落とし込んだのが下記です。

1.アウトドア用品店の什器レイアウト図

これが什器レイアウトになります。
なんだ、簡単じゃないかと思うかもしれませんが、そんなに甘くはありません。
どのように来店客を動かすか、詳細に導線ストーリーをプランしないといけないからです。

売場塾では、上記のブロックを什器と見立てて、ゾーニングから什器レイアウトのワークショップを行っています。
この場合、ただブロックを平面図に並べていいというものではありません。
ゾーニング・導線・リレーション・来店客の嗜好などを加味してブロックを配置しなければいけません。
しかも20坪のお土産店でも考え方は人それぞれでして、正解はありません。
唯一の正解は「売上が上がる」ということなんです。

売上を上げるには、たくさんのお客様に入店いただき、売場を長ーく回遊していただき、滞在時間も長ーくさせていろいな商品を見ていただかないといけません。
つまり買い上げ率を上げるための什器レイアウトなんです。

2.売場の什器レイアウトのパターン

では什器レイアウはどんな型があるのか見てみましょう。

A.倉庫型什器レイアウト

3.倉庫型什器レイアウト

ホームセンターやコンビニ、ドラッグストアなどでお馴染みのパターンです。
特に量をさばく量販店・専門店にうってつけで、ユニクロのフロアでもこのパターン、よく見ると思います。

下記は都内の駅ビルに入っているユニクロのメンズ売場です。

4.ユニクロ 北千住店什器レイアウト

100円ショップのダイソーやセリアなどもこのパターンが多く、例えばこれはSCに入っているセリアの什器レイアウトです。

5.セリアの什器レイアウト

倉庫型の利点としては下記があります。

  • 面積効率がよい
  • 主通路・副通路が設計しやすい
  • ワゴンエンドから副通路に客を誘導しやすい
  • リレーション(売場の繋がり)をつくりやすい
  • リピートしてリズミカルにレイアウトできる
  • 同じ仕様の什器を使用できる
  • 分類サイン設置で客を誘導しやすい

など。

ただ、レーンをあまり長くすると副通路に入ったお客様は抜け出せなくなります。
必要な食品や探しもの書籍がある目的買いのお客様などにはよいのですが、買う目的がはっきりしていないバラエティショップやおもちゃ店、セレクトショップなどは不向きです。

6.什器配置レーンの違い

あれこれいろいろ見たい、でもあまり長居したくないお客様には適度に売場を抜けて、他の売場にすぐ移れるレーンの「空き」があった方が快適な場合があります。
その場合は上図の短いレーンにシフトするといいでしょう。
ただし、空きである通路を設けた分、什器が減るので商品展開数量は少なくなります。

B.柱展開型什器レイアウト

7.柱展開1

什器の柱展開とは、柱をぐるりと取り囲んだ什器レイアウトになります。
上図は柱にそのまま什器を押し付けた形です。
セルフの売場として見てください。
お客様は柱をぐるっと回って商品を探す形態になります。

柱展開型の利点として下記があります。

  • 柱を売場にできる
  • 柱の上に分類サインを掲示できる
  • 柱の上にPOP掲示やPP掲示もできる
  • ショップインショップに都合がよい
  • 柱をコネクトポイントにできる

などです。

8.ツタヤの柱展開

例えば、上写真は書店の柱展開。
ENJOY ROADBIKE LIFEと掲示されていて、ロードバイクを楽しむための雑誌コーナーになっています。
オブジェとして店長の自転車もディスプレイされていて、雰囲気はよいです。

8.柱展開2

上図は、デパ地下のお菓子フロア、同じく1階の化粧品フロアでよく目にする柱展開です。
柱に背を向けてスタッフが立って接客する店舗形態です。
ブランドのショップインショップとして理想的な什器配置です。
例えば、下記はSCフロアの化粧品ブランドの柱展開です。

10.丸井の化粧品フロア

柱はコネクトポイントにすることもできます。
コネクトポイントとは他のゾーンから別のゾーンに移動させるゾーン切り替えポイントになる売場のことです。

11.無印良品 柱展開1

例えば、上の写真は無印良品の柱展開ですが、見事にコネクトポイントになっています。
柱展開はアパレルで、食品から右のアパレル売場に移るコネクトポイントになっています。

ゾーンからゾーンにお客様を移動させることにより、店内回遊率は高まり、お客様滞在時間は長くなるのが、コネクトポイントの利点です。

C.コーナー型什器レイアウト

12.コーナー展開の什器レイアウト

コーナー展開とは、文字通りフロア角の什器レイアウトです。
什器レイアウトは図のようになります。

基本的には入隅(いりすみ)といい、Lの字型のコーナーになります。
逆L字型は出隅(ですみ)といい、上図3のように突き出した形のコーナーになります。

入隅コーナーの利点としては下記があります。

  • 二方向からお客様が歩いて来るので客だまりができやすく、にぎやかさの演出になる
  • 二方向から歩いて来ると、コーナーが突き当りになり視認性がよく、遠くから売場がよく見える
  • 壁面を抱くので、PPやサイン・POP掲示がしやすく、オーケストレーションも発揮できる
  • コーナーに立つお客様は90度首を振るだけで売場全体を見ることができる

※オーケストレーションとは壁面の集合ディスプレイのことを言います。
詳しくは下記参照ください。
●白壁を直して来店客を増加させよう

入隅コーナーの手前に図2のようにテーブルを置いたり、ワゴンを置いたりするとコーナーは拡張します。
さらに、図4のように入隅同士を組み合わせると、コの字型の大きなコーナーになり、もう一段階上のグループに発展できます。
例えば、ドラッグストアだったら、ボタニストだけのコーナーが自然派ヘアケア用品のグループに拡張できます。

13.無印良品のコーナー什器

具体的なコの字コーナーを見てみましょう。
上写真は無印良品のスナック売場ですがコの字になっており、中央かごには投げ込み陳列されているお菓子が見られます。
コの字になると売場はさらに閉合し、いっそう●●コーナーとわかりやすくなります。

※閉合とは売場を什器で閉じることです。下記参照。
●売場づくりにツカえる、閉合の法則

D.完全閉合型什器レイアウト

14.完全閉合型什器レイアウト

コーナー展開コの字型の進化系が完全閉合型です。
コの字型は三方を閉合された空間でしたが、ロの字にして四方で空間をふさいでしまいます。(上図)

15.未来屋書店のVMD1

上写真は未来屋書店のロの字型売場。
推理小説本で四方が囲まれていて、ミステリアスな空間になっています。
座り読みできるソファや柱もクラシックなデザインで、密室という雰囲気がよく出ています。

16.マツキヨの閉合型什器レイアウト

こちらは、マツモトキヨシの比較的新しいお店。
厳選コスメが楕円型什器配置により、閉合されています。
プリオール、アベンヌ、エリクシールなどが1什器ごとに配置されています。
宇宙ステーションのような未来的な空間になっています。

完全閉合型の利点は下記です。

  • 空間を完全に閉じることで、他の売場と一線を画すことができる
  • 入口と出口が限定されるので、特別な売場という訴求ができる
  • 什器デザインや、プロップス・POPなどのデザインを工夫することにより、空間の持つ世界観を醸し出すことができる

E.通り化型什器レイアウト

17.通り化の什器レイアウト

通り化とは、文字通り●●通りという通りを什器配置で作ることです。
基本は上図1の形です。
通路の左右の什器に同じアイテム・カテゴリ・メーカーブランドなどの商品を置きます。

お客様は通路を左右を見ながらグジザグに進みます。
量販店は長く通路をつくる傾向もあり、スーパーの「駄菓子通り」とか「冷蔵食品通り」「ワイン通り」などよく見ます。

個人的なことですが、スーパーの冷凍食品通りはピザやおにぎり、ギョーザやスイーツなどたくさんの冷凍食品がひしめいて長いレーンになっているところもあり、とても寒いです。

18.ヨドバシカメラのメルちゃん通り

上写真はヨドバシカメラの「メルちゃん」通りです。
家電店やGMSの玩具売場は、よく玩具ブランドの●●通りという形態をとっています。

19.イトーヨーカドーのプラレールのVMD

通り化の派生形図2のタイプを見てみましょう。
上写真はイトーヨーカドーのプラレールの売場ですが、真ん中が島で、左右を別のレーンが囲っています。
つまり通りが2つある売場です。

大抵の通り化の売場には、メルちゃん通りやプラレール通りのようにゲートがあります。
つまり、通りを通る門がPOPで作られています。。
ゲートPOPがあると、通り感が増しますので、近くを歩いているお客様の興味を掻き立て、通りに誘導することができます

通り化の利点は下記です。

  • 通りを歩くことによって、お客様は左右を見ながら同一ブランド、あるいは関連カテゴリーを探すことができる
  • 左右が同一ブランドあるいは同一カテゴリーを集積した売場なので、ブランドや商品群の世界観を発信することができる
  • 書店や雑貨店などは、目的買いと言うよりも散歩をする感覚で商品を探すことができる

F.アイランド型什器レイアウト

20.アイランド島什器いろいろ

アイランドとは島什器のことです。
壁面にくっつくことなく、フロアに浮いている什器で上図のようなタイプになります。
エンドワゴンとサイドワゴンが四角く合体していて、お客様は島の周りをぐるりと回って買い物してくれます。

ですので、島を長方形と考えると、各4面の商品が関連付けられていなくてはいけません。
スーパーだと、お菓子はお菓子、調味料は調味料で島周りをぐるっと囲めば、お客様はぐるぐる回ってくれるからです。

ただ、島を回ると言っても、図4くらいに長くなるので不向きです。
1周回ってくれるのはせいぜい図2か3くらいと心得ましょう。
図4だと、エンドワゴンで180゜曲がらずにまっすぐ歩いてアイランドから離脱してしまいます。

どうしても図4くらいの島にしたい場合は、先ほどの通り化にした方がよく、ゲートPOPを什器上に付けるべきです。

なお、エンドワゴンは主通路に向けてください。
主通路沿いのエンドで立ち止まったお客様は、サイドワゴンにそのまま行きます。
スーパーマーケットの加工食品ゾーンは、周遊メイン通路からお客様を副通路に誘導するために、エンドを主通路に向けているのです。

アイランド型の利点は下記です。

  • 四角い什器なら組み合わせいかんで、いかようなサイズの売場がつくれる
  • エンドワゴンが主通路のお客様の目に留まるので、売場に誘導しやすい
  • 関連商品を隣通しに置けば、お客様は島をぐるぐる回ってくれる
  • 什器の上に分類サインを付ければ、島全体が●●コーナーと認識してもらえる

なお、アイランド型には、図1’のようなタイプもあります。
これは全ての面がエンドでできているようなものなので、お客様は自動的に1周回ってくれます。

G.そぞろ歩き型什器レイアウト

21.そぞろ歩き型什器レイアウト

今までの什器レイアウトは什器のグリッドに沿って歩くタイプでした。
グリッドとは通路に面した什器のフチが直線にそってビシッと揃っていることを言います。
グリッドがなく、什器がでこぼこに配置されていると、通路がわかりにくくお客様の方向感覚を麻痺させてしまいます。
つまりフロアで迷いやすくなるということです。

あとひとつは防災上の決まりで、什器が通路にデコボコに出てしまうと、災害の時の通路がわかりにくく避難する誘導通路になりえないからです。

なので、あのドン・キホーテでさえも通路に沿って什器は並んでいるのです。(下写真)

22.ドン・キホーテの什器レイアウト

そぞろ歩き型は上図のような什器配置になっています。
1はディズニーストアなどのバラエティショップのお店、2はカルディや銀座ロフトのようなお店と考えてください。

先ほどのアイランド型や通り化は什器グリッドラインがあっていましたが、こちらはあっていません。
アイランド什器には違いないのですが、通路に面した面がすべてエンドになっているのがわかります。

実際に見てみましょう。
下写真はカルディ。

23.カルディの什器レイアウト

スーパーは倉庫型が多く、こんな風になっていないですよね。
前述のようにカルディはすべてがエンドになっているので、売場にサイドワゴンという感覚をお客様に与えません。
売場がすべてオトクなエンドに見え、宝探しをするような間隔でぐるぐる店内を回遊してくれます。

下記写真は銀座ロフトの2階です。

24.ロフト銀座の什器レイアウト

ただ、カルディも銀座ロフトも什器のグリッドは実はあっています。
下記写真を見てください。
カーブしつつも通路はわかりやすいです。
しかも、段ボールはグリッドからほとんどはみ出していません。

25.カルディの通路

今度はディズニーストアを見てみましょう。(下写真)

26.ディズニーストア2

島什器がデコボコに配置されているのがわかります。
上図1のような感じの配置です。
回遊型のバラエティショップならではの什器レイアウトと言えます。

繰り返しになりますが、ディズニーストアもカルディも主通路はあります。
主通路がないと来店客の往来にリズムがなくなり、どこに何があるか迷いやすくなります。
防災上からも非難しにくくなり危険です。

図1のグレーの太い線が主通路です。
ブルーの細い線がお客様の動線と考えてください。

どちらの店もくねくね曲がった副通路ながらも、主通路があるおかげで回遊はしやすくなっています。
入口と出口もわかりやすいです。

3.PART2のまとめ

チャプタ2はとても長くなりましたが、什器レイアウトにはさまざまな型があるということが、分かったと思います。

私の担当する店や売場の什器レイアウトはどうなっているのか、振り返ってみましょう。
街に出て、いろいろな什器レイアウトを見学して研究しましょう。
什器レイアウトの型を知ることは、VMD戦略の重要な要になります。
この時代、ディスプレイをよくしただけでは売上は上がりません。
VMD分類から始めて店独自のオリジナルな什器レイアウトをプランしなければ、売上UPは見込めないでしょう。

次回part3は、今回紹介したAからGの什器レイアウトの型を、どのようにミックスして、単純なフロアレイアウトから個性的なフロアレイアウトに変貌させるか?についてお話しします。

読み進める方は、PART3へ進んでください。
●什器レイアウトの考え方 PART3/什器配置ミックスの仕方

(VMDインストラクター協会事務局)

銀座ロフトの什器レイアウト

什器レイアウトの考え方 PART1;ゾーニング

今回は什器レイアウトのプランニングの仕方をお教えします。
少し話長くなりますので、PART1から3に分けてお話しします。
まずはPART1から語ります。

1.什器デザインの種類

什器は商品を陳列したり展示したりする調度品です。
自動車や洗濯機のように床に直置きする商品もありますが、大抵の商品は什器に商品を置きます。
食品然り、文具然り、衣料品然り、化粧品然り。
什器レイアウトとは、これら什器ををフロアにレイアウトすることです。

什器特徴として、デザインがいろいろあること
色や素材、形や仕様などさまざまです。

コンビニの小さい空間にも10種類くらいのデザインは軽くあるんです。
なぜかというと、什器は下記の要素によりデザインが変わるからです。

  • 店舗デザインテイスト
  • 商品アイテム
  • 商品サイズ
  • 商品ブランド
  • ゾーン
  • 導線
  • フロア位置
  • フロア面積
  • 通路幅
  • 定数(1フロアにおける什器数)
  • 定量(1什器における商品数)
  • 展示
  • 商業施設の高さ規定
  • フロアの見通し
  • その他特定の目的

例えば、コンビニは商品の違いで下記のように什器デザインが違います。

  • アイスを売る什器
  • 冷たい飲み物を売る什器
  • 温かい飲み物を売る什器
  • 惣菜を売る什器
  • 文具を売る什器
  • 雑誌・新聞を売る什器
  • 傘を売る什器

また、フロア位置により什器デザインは変わります。

  • 入口の什器
  • アイランドの什器
  • 壁面の什器
  • カウンター周りの什器
  • エンドワゴンの什器
  • サイドワゴンの什器

と、こんな感じ。
什器と言えども、家の家具を買うようには行かないのです。

※もちろん、家具にVMDのノウハウを持ち込むことはできます。
●魅せる収納・イエナカディスプレイ

さて、こんなたくさんのデザイン什器をどうやってフロアに置けばいいんでしょうか。
もちろんテキトーに置くわけにはいかないですよね。

そこでゾーニングの登場です。

2.什器レイアウトの前にゾーニング

什器レイアウトを考える前にやることがあります。

それは下記です。

  • MD分類
  • VMD分類
  • ゾーニング

MD分類とは「何を売るか?」詳細を決めることです。
そもそも商品がないと物販店になりませんので、売るものを整理します。

その次にVMD分類と言って、売るものをどう分類して売るか?考えるわけです。
商品は運送屋さんが段ボールに入れて持ってきますので、そのまま段ボールを店のフロアに置いて売るわけにはいかないですよね。
(まあ、スーパーやディスカウントショップはそのまま置く場合もありますが)

段ボールから商品を取りだして、どのゾーンのどの什器に置くか決めなければいけません。
ゾーンとは、フロアをざっくり分けた商品区画をいいます。
大ざっぱに、どこに何を置くか決めるのがゾーニングで、下記の様なゾーン図をプランします。
下はアウトドア用品店のゾーニング図です。

アウトドア用品店のゾーニング1

アウトドア用品店にて、大分類した商品群をゾーン図として示したものです。
色別に、テント・タープ、アウトドアウエアなどに色が分かれています。
例えば、商品がシュラフなら寝具の区画に置くということになります。
ベッドやピローも同じ区画、バーナーややかんは、キャンプ用品の区画に置くということになります。

ゾーニングを決めるには、先ほどのVMD分類に加え、

  • リレーション
  • 導線
  • 通路

もいっしょに考えなければいけません。

例えば、先ほどのゾーン図に主通路を引っ張ると下記になります。
VMD担当は上記3つを加味してある程度導線を策定し、いろいろな角度からゾーニングを考えます。
私の場合、ゾーニングパターンは少なくとも5パターン位は考えています。
そのうちのひとつが下記図です。

アウトドア用品店のゾーニング2

なお、今まで出た用語に関しては下記リンク参考にしてください。

●リレーション

●MD分類とVMD分類

●見通し・定量など


ここまでが、什器レイアウトの前提、ゾーニングです。
次は、PART2に進んでください。

●什器レイアウトの考え方 PART2/什器配置の型

(VMDインストラクター協会事務局)