VMD全般」カテゴリーアーカイブ

メガネ店のVMD

メガネ店の売場づくりのコツ

メガネ店、あるいはメガネメーカー・卸の方向けに、今日はメガネ売場のVMDフレームワーキングしたいと思います。
メガネ売場を改善するフレームワークは主に下記です。

  • VMD分類
  • ゾーニング
  • リレーション
  • くくり
  • フェイシング
  • 定量
  • ディスプレイ構成
  • ディスプレイ用品
  • サイン編集
  • POP編集

それではフレーム項目に沿って解説していきます。

VMD分類・ゾーニング・リレーション

メガネ店は、特売、メンズ、レディス、ユニセックス、サングラス、キッズなどでフロアが区分されています。
この区分をゾーンと言い、それを考えることをゾーニングといいます。

それぞれのゾーンは、、PB(プライベート)ブランド、ナショナルブランド、海外ブランドなどのグループに分けられます。
グループはさらに、セルフレーム・メタルフレームなど素材別、またはオーバル、ボストンなどフレームのシルエット別に分けられます。

このゾーンやグループに分けるもとになるのがVMD分類
それをまとめると下記になります。

  • ブランド
  • 国内・海外
  • PB・仕入れ
  • 値段
  • 性別
  • エイジ(年齢)
  • フレームの色
  • 素材(メタル・セル・ツーポイント)

そのほかの分類としては、

  • オケージョン(つけるシーン、釣り・読書・スポーツetc)
  • テイスト(服と同じでクラシックとかモダンとか)
  • シーズン(春・夏・冬)
  • トレンド(アドバンス、コンサバなど)

などがあります。

VMD分類項目のどれを優先にするかで、ゾーニングやリレーションが変わってきます。
メンズ・レディス→ブランド→価格→フレームの素材 がいいのか、
メンズ・レディス→価格→ブランド→フレームの素材 がいいのか
メンズ・レディス→フレームの素材→ブランド→価格 がいいのか、
来店客の買い方によりかなり違ってきます。

例えば、レディスゾーンでも価格に敏感な女性が多ければ価格帯優先にゾーンを組むべきですし、ブランドに敏感な女性が多ければブランド優先にゾーンを決める必要があります。

よくあるのが、仕入れ先別ブランドにゾーニングしてしまうこと。
エイジやテイストが優先なのに、コーチ、ハナエモリ、ラルフローレン、カルバンクラインなどと仕入れ先別に売場を分割し、メーカー持ち込み什器で売場が混とんとしてしまうという例があります。

エイジが優先なら

  • ティーン(13-15歳)
  • ハイティーン(16-19歳)
  • ヤング(19-24歳)
  • ヤングアダルト(25-34歳)
  • アダルト(35-44歳)
  • ミドル(45-54歳)
  • マチュア(55歳~)

などと、エイジ別に分け、それにふさわしいブランドを配置すべきです。

その時の隣同士の売場は、必ず年齢が近いブランドを配置するなど考慮しなければいけません。
これをリレーションといいます。

くくり

売場の棚割りレベルの「くくり」に関してもゾーン同様、優先順位というものがあります。
先ほどVMD分類の項目で述べたとおり、

  • カラー
  • 素材
  • シルエット
  • トレンド
  • テイスト

などと分類項目が考えられます。

これもゾーン同様、お客様の購買優先順位を考えてくくります。
素材が優先なのに、フレームのシルエットを大くくりにしてしまい、次にメタル・セルとくくっても後の祭りです。
お客様が買いにくいこと、この上ありません。
本来は、売上データと顧客データを分析し、きちんと優先順位を決めるとベストです。
ただ、それができない場合は推測でもいいのでゾーンごとの優先順位を決めてください。
さらに優先順位は、男性と女性とで違うケースがあるので注意してください。

さて、くくりの仕方ですが、下記に留意してください。

・グリッドライン
シルエット別でも色別でもそれがわかるように、分類と分類の間を空けて、フレームを折りたたんだ場合は、「智」(ヒンジ部分)が一直線に揃うように置いてください。
これをグリッドラインといいます。

・ネガティブスペース
くくりが素材→シルエットでしたら、素材同士のくくりは8cm空けてシルエット同士のくくりは5cm開けるなど、最新の注意を払って陳列させてください。
この5cmとか8cmとかの隙間をネガティブスペースといいます。

定量

多くの一般メガネ店が、いろいろなブランドのメガネを仕入れており、店内に陳列しているその数は200種類を下らないでしょう。
ABC分析やC-C分析もせずに、卸やメーカーが持ってくるものをすべて並べていたら、棚はいろいろなブランドであふれかえってしまいます。

しかも、3万円のブランドも5,000円のブランドも同じようにぎゅうぎゅうに棚に詰めている様は、よろずメガネ店としかいいようがありません。
しかも、4万円のオリバーピープルズのフレームの横に6,000円のMr.JUNCOを置くなどリレーション(隣同士の関連性)も乱れていると言う始末です。

これを解決するために、定量と言って、プライスラインごとに置く数を決めることをお勧めします。

例えば、3万円以上のフレームは6cm間隔でフレームを並べ、1万円以下は3cm間隔で並べるなど、価格帯ごとに並べるスペースを決めます。
すると、価格帯により売場のたたずまいは変わりますので、お客様も「このブランドは高級そうだな」とブライスカードを見ずとも、すぐに認識できるのです。
高級ならブランドの世界観を逸することもなくなります。

フェイシング

メガネが他の商品と違うのは、商品が透明ということです。
これはレンズのことを言っています。
ほとんどのフレームには展示用のレンズがついており、天井のライトを反射してキラッと光っています。

実は透明というのはやっかいで、後の景色を拾ってしまいます。
つまり、フレームの後ろの他のフレーム、壁紙、POP、メガネケースなどあらゆるものが、レンズごしに見えてしまうのです。

するとどうなるか?
それら透過物はフレームのシルエットのノイズとなり、商品がきれいに見えなくなるのです。
特にプロップスの透過にも気をつけましょう。
プラダやグッチなど高級メガネには、こことばかりにみんな装飾を施します。
造花やスカーフ、壺にクリスマスツリーなど、メガネの後に配置しています。
するとそれらがレンズを通してノイズとなり、グッチのフレームシルエットがわからなくなるのです。

モデルのポスターも注意してください。
メーカー供給のポスターやPOPをそのままメガネの背後に置くと、やっぱりフレームのシルエットはわからなくなるのです。
「メガネの後には何も置かない」
このひとことを念頭に入れておいてください。

ディスプレイ構成・ディスプレイ用品

VPやPPなど、売場のフォーカルポイントとなる展示物は、美しいプロポーションが求められます。
そもそもメガネ自体、ノーブルでインテリジェントな感じのする商品なので、ディスプレイも品よく構成するのが望ましいです。

低価格帯のメガネは、一方向に等間隔でズラッと並べていますが、プラダとかバーバリーなどのハイブランドは展示のように置かれています。
ただし、メガネが通常のVP,PPと違うのは、それは見本ではなく売り物だということです
メガネ店ではディスプレイしているメガネはすべて現品です。
そのため、展示する商品は、取りやすく戻しやすくする必要があります

三角構成にする際は、本や辞書のようなプロップスやメガネスタンドを使った方が安定します。
針金やワイングラスを使ったワフティング(宙に浮かせること)も面白いですが、そこにフレームを置いたら不安定になります。
そういう展示はウインドウの中だけにしましょう。

サイン編集・POP編集

この場合のサインとは分類サインのことです。
メガネはその性質上、どれも同じに見えるし、メンズとレディスとを見間違えることもあります。
ブランドの他に、読書用・釣り用・スポーツ用・PCメガネ用など用途を絞ったメガも多数販売しています。

そんなみんな同じに見えるメガネをわかりやすくするために、分類サインや分類POPがあるのです。
分類サインとは、プラカードのようなものを什器上や天井近くに展開するもので、スーパーの「ふりかけ」「コーヒー」のようなプラカードと同じようなものです。

ところが、この分類サインが下記の理由でわからないケースが多いです。

  • サインとPOPの位置関係が逆転している。
  • サインがPOPや商品に隠れて見えない。
  • サインの位置がバラバラ。
  • サインのデザインがバラバラ。

例えば、一つの什器に「レイバン」「サングラス」「ポリス」というサインやPOPがあったとします。
レイバンの大きいPOPが什器の一番上にあって、その下に「サングラス」のサインと「ポリス」のPOPがあったりします。

これでは、サングラスの売場というのはわかるけど、どれがレイバンで、どれがポリスか、わからなくなります。
分類サイン展開の仕方は、天井近くが大分類のサイン、その下が中分類サインと心得ましょう。

POPに関しては、メーカー提供のPOPの扱い方に特に注意します。
POPを適当に置いている売場はどうなっているかというと、「メガネがPOPに埋まった状態」になっています。
スタンド型POPにしろ、プライスカードにしろ、棚でのPOPの位置を決めないと、POPが商品より主役になってしまいます。

ましてやタグ処理を怠っていて、フレームのブリッジやリムにタグが引っかかっていたり、ヨロイに糸がぐるぐる巻きついていたりと、タグがフレームのノイズになっている状態をよく見ます。
これでは、メガネのシルエットがよく見えません
タグは最小限にとどめ、つけたとしてもどの位置にどのようにつけるか決めなければいけません。
こうしたタグ処理とPOPの適正数量、POPの位置と取り付け器具をコントロールして、商品が主役になる売場づくりを心がけます。

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メガネVMD関係者の皆さん、わかりましたでしょうか、
メガネを心地よくショッピングできる快場つくってくださいね。
ちなみにホームページで私がかけているメガネは、シャルマンのラインアートです。
●オーバルリンク代表 深沢泰秀
さわやか~な感じを醸し出しています。(^^)

メガネのVMDもっと覚えたい、というあなたは、毎月開催している日本橋のセミナーにお越しください。
●VMDセミナー
またはオンラインでもやっています。
●オンラインVMDセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

インディジョーンズの倉庫

マグネット売場で店内回遊率を上げよう

インディジョーンズの倉庫

この写真を見てください。
●インディジョーンズの倉庫

ご存じ、映画インディジョーンズシリーズ「レイダーズ 失われたアーク」に出てくる倉庫です。
危険なアークを壮大な倉庫に保管してしまう、というラストシーンです。
これなら、誰も柩を探すことができないから安心ですね。
めでたし、めでたし。

と、さーて、本題に入りましょう。
今日は、「寄りどころ」の話です。

上図を見てください。
なんだか、インディジョーンズの倉庫みたいですよね。
これはあなたのお店かもしれません。

お店に入って、180度見渡してもすべて同じような風景に見えるフロアは、どこに何があるかわからず不安です。
とりあえず、探偵のように手前から棚をしらみつぶしに見ていくしかありません。

でも、よい商品に出会えるのか不安なうえに、どこまで行っても同じような雰囲気なので、歩く気力がだんだん失せてきます。
そのうちに、先に行くのもおっくうになって買い物するのをやめてしまいます。
失われた柩は永遠に見つからないでしょう。

そんなあなたのお店はインディジョーンズの倉庫になっているのです。


「寄りどころ」とは

砂漠の中にぽつんと1人でいると不安です。
敵に見つかりやすいうえに、何かあった時に身を隠す場所もありません。

大きな岩があったり、木が立っていたり、池があったらそこをめがけて歩いていくでしょう。
そこが安全そうに見えるからです。
これが「寄りどころ」です。

同じように、倉庫のような店は砂漠と同じ。
整然と什器が並び、品物が整理整頓して棚に収まっていては、寄りどころが見えません。
フロア内見渡しても、すべてが同じ風景に見えるからです。

上図を見てください。
寄りどころをつくってみました。

倉庫のような店の中に、赤い売場をつくりました。
すると、お客様にとってはそこが気になって「オアシスかもしれない」と、踵を赤い売場の方に向けて歩いていきます。

このようにフロアの中に目標物をつくってやると、人はそれを意識して歩くのです。
これは建築心理学でおなじみの現象で、

  • 人は公園の木の周りに集まる
  • 休憩するときは、壁や柱を背にする
  • 山に登るとき、ランニングするとき、道しるべとなる目標物を設定する

フロアを180度見渡した時に、視覚的に目立つ場所をつくると、人はそこに注視します。
注視するところが来店客の寄りどころになるんです。

「寄りどころ」を色でつくる

上図のように、色で目立つ売場をつくりましょう。

その場所だけ色を変えると、そこだけ目立ちます。
白い壁の中に黒い場所をつくるようなものです。
すると、そこが注目点になります。

色はどのようにつくってもかまいません。
壁紙の色を変える。天井の色を変える。床の色を変える。
中でもお店は壁が一番目立つので、まずは壁の色を変えるのがベターでしょう。

その他、什器の色を変えてもいいし、陳列されたパッケージの色を統一してもいいのです。
遠くから見る売場は、色のカタマリに見えるので、他と違う色を用いて、なるべく単色にするとよいです。
多色にする場合はトーンを合わせて色のカタマリにします。

「寄りどころ」を構造物でつくる

店内店、いわゆるショップインショップのように、フロアの中に別の構造物が立っていると目立ちます。
通常は什器で埋まったフロアなのに、そこだけやぐらがあったり、オーニングがかかっていたりして、まるで店の中に店があるようなつくりをした売場です。

盆踊り会場の中のやぐらを思い出してください。
やぐらは会場の中心にそそり立っていますよね。
こういう構造物をみたら、「なにかやっている!」という感覚でお客様は寄ってくるのです。
上図を見てください。
同じ風景の見通しの中で、丸い赤い柱が目立っています。
これが店内店のイメージです。

やぐらやオーニング以外でも、柱を違うデザインの什器で囲ったり、天井からパラペットを吊るしたりしてもOK。

下図を見てください。パラペットを吊るしています。
このように、ある空間が閉合して見えれば、視覚的に目立つ売場になります

「寄りどころ」を展示物でつくる

展示物とは狭義で言うと、プロップスを利用したディスプレイのことです。
百貨店に行くと、フロアの天井から大きなオブジェが吊るされているのを見ますよね。
クリスマスシーズンには、大きなサンタが宙に浮いています。
テーマパークでは、アラジンの大魔神が天井からにらんでいます。
こうした展示物、特に人型の造作物はとても遠くから目立ちます

それはデパートの屋上から揚がっているバルーンのようなもの
いろんな方向からお客様が注視し、その正体を明かそうと「行ってみよう」ということになるのです。
上図はそのイメージです。

このような展示物は、ディスプレイが上手な人なら100円ショップの装飾品でも作ることができます。
テーマや構成、色使い等をしっかり行って造作物をつくれば、遠くのお客様を引き付けることができます。
プロップスの展示物のつくり方は、下記を参考にしてください。

●ディスプレイの装飾品「プロップス」とは

また、VP(ビジュアルプレゼンテーション)、PP(ポイントプレゼンテーション)も、この原理を生かした展示物です。
プロップスを使っていない場合も多く、商品同士を魅力的に組み合わせることによって、目立つ展示物をつくることができます。

「寄りどころ」をMDでつくる

今まで述べて来たことは比較的、目にすぐ訴えることのできる視覚反応に基づいた売場づくりです。
今度は情報を与えることによってできる、心理的反応に基づいた売場づくりについてお話しします。

MDとは品ぞろえのことです。
品ぞろえをそこだけ変えることにより、目立つ売場に変化させることができます
例えば、下記の様な品ぞろえです。

  • CMなどマス広告で話題になっている商品
  • 花見やハロウイン商品など季節もの商品
  • 廉価商品
  • 人気のブランド商品 etc

これらを遠くの人にわからせるには、文字という情報が有効
つまりサインやPOPが売場に設置されていれば、読んだだけで何の売場かわかります。
それが自分に価値ある情報とわかったら、お客様はその売場に近づいていくでしょう。
上図がその象徴です。
クリスマスと書かれているので、クリスマス用品に関心ある人を引き付けることができます。

人気のブランド商品ならそのブランドロゴ、CMなどマス広告で話題の商品ならCMに出演しているタレントのポスターやパネルが設置されていれば、注目率は増します。

これら情報は、プライスカードのような小さいものではなく、10m位からある程度読める広告の大きさが必要です。

「寄りどころ」をプロモーションでつくる

「寄りどころ」という文字は人が寄っているところという意味があります。
(実は、私の造語です)

つまり、フロアの一角に人がたくさん集まっている風景を設けると、人は「なんだろう」と、そこを注視します。
その要因は、店頭販促(プロモーション)であるケースが多いです。
下記の様なものです。

  • 試飲・試食
  • メイクデモ
  • 作家のサイン会
  • ミニセミナー etc

人が集まる場所は、来店客の注目を集め、文字通り「寄りどころ」となります
東急ハンズの店頭デモ、大丸デパートの試飲・試食、伊勢丹ミラーのメイク相談カウンターなど、多くの場所で見られるのがこの、店頭プロモーションです。
図にすると上の様になります。

人は元来、人が集まるところに注視する性質があるので、フロアの中にこのような寄りどころをつくってやりましょう。

マグネット売場を戦略的に配置する

そろそろ「寄りどころ」を「マグネット売場」に言い方を替えます。
マグネット売場の原理が今までの話で分かったと思います。

マグネット売場づくりには注意点があります。
お客様を歩かせて店内滞在時間を長くつくるには、ただ「目立つ売場」を作るだけでなく、これらを戦略的にフロア内配置しなければいけません

最初のマグネット売場に人が集まったら、そこから第2のマグネット売場に誘導する、第2のマグネット売場からまた第3、第4・・・に誘導していきます。

フライングタイガー・コペンハーゲンのように、一方通行の強制的な順路ならまだしも、普通の店は入ってすぐにUターンして帰ることができます。
お客様の進行方向に矢継ぎ早にマグネット売場を設定していかないと、動線長(お客様の歩く長さ)は長くなりません。

そこで、下記のマグネット配置が望まれます。

  1. 第1マグネット売場から第2マグネット売場が見える配置
  2. 第2マグネット売場から第3マグネット売場が見える配置(あとはこの繰り返し)
  3. フロア内主通路沿いにマグネット売場がある配置
  4. 通路の突き当りにマグネット売場がある配置
  5. 店の奥にマグネット売場がある配置

4,5のイメージは上図になります。

上記1~5のように客導線を想定した配置プランを立てて、どのようなストーリーでお客様を歩かせるのか考えなければいけません。
これを「導線ストーリー」と言います。

導線ストーリーがうまく行くと、お客様の店内滞在時間は増えます。
売場立ち寄り率、買い上げ率も増えていくので、お店の売上は上がります。

まとめ

あなたのお店は、インディジョーンズの倉庫になっていませんか?
フロアが倉庫状態になると、お客様は手探り状態で商品を探さなくてはいけません。
それはまるで砂漠をさまよっているよう。

適度なオアシスをそこかしこにつくって、お客様に歩く目標をつくってやりましょう。
それがマグネット売場です。

マグネット売場を戦略的に配置すると、来店客の店内回遊率は増え、お店の売上も上がります。

(vmd-i協会事務局)

ドン・キホーテ北千住店

VMDとは空間のブランディング

VMDとは空間のブランディング

VMDとは、「買い物空間のブランディングである」と売場塾でよく言っています。
小売店にとっては店舗がブランドですが、小売店という軒下を借りているメーカーにとっては売場がブランドです。

先週、近所に「ドン・キホーテ」がオープンしたので行ってみました。
やっぱり楽しい店舗ですね。
トンネルをくぐるような圧倒的な陳列と過度の装飾、そしてPOPのユニークさ。
この「熱帯雨林陳列」こそがドンキのブランドたるゆえんでしょう。

そして商品もユニークで安い!!
通常5,000円以上はする「モエ・エ・シャンドン」が4,500円で、私の好きな不二家の「LOOKチョコレート」も山積み価格。
こんなわけだから、私を含め北千住に住んでいる人は「またドンキに来よう!」というローヤリティが形成され、ブランディング効果絶大になったのでした。

ブランドは多階層になっている

さてここまでブランドがいろいろ出てきました。
「ドン・キホーテ」は店のブランド、「熱帯雨林陳列」は売場形態のブランド、「モエ・エ・シャンドン」や「LOOKチョコレート」は商品ブランドですね。
さらに、「ドン・キホーテ」は会社のブランドでもあります。

なんだか、ブランドってたくさんあってわかりにくいですね。
ちょっと下記に整理してみました。
ブランドって実は多階層になっていて、冒頭言った「買い物空間のブランディング」はおおよそ、緑色の層に属します。
下に行くほど、メーカーが関わる部分が多くなってきます。

上記ブランド階層図をドンキに当てはめてみましょう。
ドンキの親会社は、「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」という会社グループの組織がブランドになっています。
その下に事業ブランドがいろいろあって、そのひとつが株式会社ドン・キホーテになるわけです。

ユニクロで言うと、ファーストリテーリングが会社グループブランドで、株式会社ユニクロや株式会社ジーユーが事業ブランドということになります。

ここまでは会社ですが、これから下は店舗名ということになり、まずマスターブランドがあります。
マスターブランドとは核となる店舗チェーンのことで、事業名がそのまま店舗になるのがほとんどです
店舗の知名度やイメージは、「ブランドエクイティ」(知識資産のこと)として既に確立しているので、会社名と店舗名が一緒の方が大衆になじみやすい、ということです。

マスター店舗をさらに「ライン」店舗として、商品や対象顧客に合わせた店のバリエーションをつくっていくのが、ラインブランドです。
ドン・キホーテだと、「MEGAドン・キホーテ」や「ドン・キホーテUNY」になりますし、イオンだと、下記の様に「イオンスタイル」「イオンリカー」がラインブランドになります。

ラインのブランディングは、大きなフロア空間をどうデザインしていくかというVMDが中心になり、ゾーニングや導線、什器レイアウトやそのデザインなども関わってきます。

これから先の細かい売場施策に関わってくるブランドは、カテゴリーや商品といったブランドで、ドンキの場合は、「情熱価格」や「ありえ値え!」といったプライベートブランドや、「昆虫食のTAKEO」といったメーカーブランドになってきます。

イオンで言うとPB「トップバリュ」や、下着ブランド「BODY SWICH」「PEACE FIT」あたりになります。
ここでのVMDは、これらのPBブランド売場、商品ブランド売場をどうするか?というコーナー対策的なブランディングになります。
ABCマートで言うと、ナイキやプーマのインショップ売場ブランディングになり、メーカーと小売店が協業でVMDを行っていくことになります。

ライン・ブランドを成長させるのは超大変!

実は、ライン・ブランドは浮き沈みが激しいです。
私はもう18年VMDの仕事をしていますが、一世風靡をして消えてしまったライン・ブランドは多いです。

例えば、伊勢丹の「エムアイプラザ」。
これは、伊勢丹の小規模専門店ブランドで、郊外SC中心にかなり展開していましたが、今はほぼ終了間際になりました。

フランフランの原宿的なミステリアスな雑貨店「フランフランUFO」は、一昨年かなり話題を集めましたが、意外と持たず1年で閉店しました。

Zoffの女性業態店舗「コンソメ」は、スイーツショップをベースにした店舗デザインとMDPで一世風靡しましたが、こちらも数年で撤退。

そんな中、「ワークマン女子」や「ジーユー」などは、数少ない成功ライン・ブランドと言えるでしょう。

いずれにしろ、「百貨店」や「GMS(総合スーパー)」という業態ブランド自体が縮小していく昨今、マスター・ブランドのみの運営では、企業として心もとなくなりました。
なので、みんな必死でライン・ブランドを開発しています。
ましてや、特約店、FC店、代理店形態で直接ライン・ブランドを運営できない事業ブランドも多いので、本部として四苦八苦してVMDしているお得意先も多いです。
そんなブランドをやりくりしているクライアントの皆様、売場塾卒業生の皆さん、がんばりましょう!!

階層どうしのブランドのせめぎあい

ブランドの階層構造、だいたい分かったと思います。
この階層構造、いつも同じではなくて時代によりトレンドにより、せめぎあいが続いています。

特にマスターブランドの中に、インショップブランドが入る場合
家電業界で言うと、ビックカメラ。
昔は、ソニーやパナソニックなどのインショップメーカーとしてのブランド色が強く打ち出されていましたが、今はビックカメラのブランドが強く打ち出されていると思います。
今のビックを見ると、メーカーのPOPがほとんどありません。
フロアの見え方が均一になって白く、すっきりしています。
バーミキュラやダイソンのような強力な差別化ブランドでなければ、カテゴリーの中に包括されてしまうメーカーも多くなってきました。

「どこのメーカーの商品も同じ」時代に、マスターブランドである小売店が今一度店舗ブランドを見直しているのではないかと思います。
でないと、生き残っていけないからでしょう。

コロナ禍の後に、どんな風にブランド階層が変化していくか。
これからも推測していきたいと思います。

(vmd-i協会事務局)

ドラッグストアの化粧品売り場

ドラッグストア・化粧品店の売場づくりのコツ

ドラッグストア業界、このところますます勢いづいていますね。
コンビニやスーパーマーケットの機能を付加させ、流通の覇権争いの中心業態になっています。

一方、化粧品店はメーカー別チャネルの整理が進んでいて、お店や売場のブランディングが進んでいます。
特に自然派化粧品、高級化粧品のブランドVMDが盛んです。

VMDの学校{売場塾」では化粧品メーカーの受講率が高く、売場自体をブランド化する目的で勉強されている方も多いです。

●ハリウッド化粧品のVMD

そんなドラッグストアと化粧品店のVMDについて今回はお話しします。
化粧品店やドラッグストアでよく使う売場づくりのフレームワークは、下記です。

・POP編集・制作
・フェイシング
・リレーション(売場のつながりのこと)
・くくり
・テーマ設定
・PP・IPの配置方法
・マグネット売場

それでは個々の直し方を説明しましょう。

●POP編集

化粧品店の店内にはたくさんのPOPがあふれています。
メーカーの販促物としてのPOP、お店の制作したPOP、卸会社の持ち込みPOP・・・。
これらが入り乱れている売場が多いんです。

基礎化粧品売場を見てください。

メイベリン、マキアージュ、KATE、雪肌精、SK-Ⅱ、コスメデコルテ・・・。
こういったブランドサインが売場のあちこちにありますが、ほとんどPOPで隠れていると思います。

目薬売場を見てください。

スマイル40、サンテPC、マイティアCL、アイボン・・・。
薬のパッケージの商品名が見えない、効能のキャッチフレーズが読めないと思います。
それはPOPがパッケージに覆いかぶさっているからです。

まだあります。

有名なタレントのPOPが化粧瓶を隠しています。
POSレールは4.5cm幅なのに、8cmくらいの大きなPOPがニョッキっと出ていて、シャンプーのラベルが隠れている売場があります。
格安表示の大きなプライスカードは、商品説明POPの上に覆いかぶさっています。

結論から言いましょう。
POPは読めなければ意味がありません。商品は見えなければ意味がありません。
POPがきちんと読めて、商品がきちんと見えるように陳列してください。

それにはまず、POPと商品陳列を含めた棚割りを考えることです。
棚の空いた隙間にPOPを貼る・・・こんな考えではいけません。

●フェイシング

ブランド商品はパッケージ自体もブランド。
お客様が棚をパッと見てブランドらしさがすぐわかるようにフェイスをつくってください。

ネピアの鼻セレブは、ちゃんとペンギンの顔が見えていますか。
キンチョーの蚊取り線香は、鶏のマークが見えていますか。

Agプラスは、ニオイ鑑定人のオバさんシールが見えていないとCM想起はされません。
ユンケルはやっぱり、イチローの顔が隠れていてはブランド感が減退します。

化粧品や薬は、パッケージそのものがPOP。
商品名はもとより商品の特徴を表しているコピー、テレビCMのタレント、商品のシェイプ・・・それらがきちんと見えるように陳列してください。
それをフェイシングといいます。

●くくり

いろいろなメーカーの商品が並んでいる売場はにぎやかさがありますが、探しやすくないとお客様のためになりません。
メーカー別に陳列商品をくくっていると思っても、アメーバのようにくくっていては探しにくいです。
つまり、タテヨコの商品のグリッドラインを揃えて陳列しないと、どんな種類の商品がカタまっているのか、お客様にはさっぱりわからないのです。

エッセンシャル、TSUBAKI、いち髪、パントーン、キュレル・・・。
こうした商品が、ブランド別にくくられて、さらに香り別にくくられて、さらにシャンプーとリンスとにくくられて、さらに詰め替えとボトルにくくらなければいけません。
フェイスはまっすぐ列数もそ揃えて、くくりもタテヨコにグリッドラインを揃えましょう。

●テーマ設定

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」「夏の紫外線を撃破」「雨の日でもサラサラいい気分・・・」。
ワゴンエンドにその週のMDテーマ展示をしているお店は多いのですが、テーマに見合わない商品が棚にまぎれていないか、チェックしましょう。

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」の棚に肌をつるつるにする入浴剤を集めたのに、「温泉の素」がまぎれている。
「夏の紫外線を撃破」のエンドに日焼け止めや乳液などを置いたのに、カラフルマニキュアがまぎれている。

こんなことがないように、テーマに沿った商品が展示・陳列されているかチェックしましょう。
ワゴンエンドは、ひとつのテーマに絞り込むとわかりやすいです。

●PP・IPの配置方法

PPは展示のこと、IPは陳列のことですが、これが同じ棚にバラバラに置かれていませんか。
PPはポイント・プレゼンテーションといい、IPはアイテムプレゼンテーションといいます。

※IPとPPは当社ホームページ「VMDのディスプレイ」参照

SK-Ⅱの棚、コスメデコルテの棚、トワニーの棚、クレ・ド・ポーの棚・・・。
こうした高級化粧品は、POPと展示物と展示台を一体化させた「展示」が必要なんです。

もちろん、テスターやカタログ・パンフも「展示」の中に入ります。
そして、隣接して「陳列」を置き、そこで商品を買い上げてもらうようにします。
つまり、展示は商品をアピールする場所、陳列を商品を買う場所と、メリハリをつけてディスプレイするんです。

ところが、展示と陳列をごっちゃにして「空いた棚に適当に置いている」店は、展示と陳列がバラバラになり、在庫置き場のように見えてしまいます。
これでは高級化粧品のブランドは瓦解してしまいます。

そうならないように、たとえひと棚のディスプレイでも、ひとつのブランドに限定し、展示と陳列のメリハリをつけたものにすることです。

化粧品の売場って、とくにクリスマス時期になったら大変。
美容部員さんがツリーやリースを自社売場に展示するのはいいのですが、先ほど言ったように、展示と陳列の区別をつけないで適当に置いた場合は、あわれなブランド空間になります。
ツリーのようなプロップスを含めたすべてのディスプレイ用品をどう配置するか、ディスプレイ構成を考えてディスプレイしてください。

●リレーション

ドラックストアは、ラックを単調に並べてその中に商品を入れ込みます。
ラックは、アイテムごとに並べられており、店内は大きく、化粧品、薬、エチケット用品、健康器具、健康食品、・・・などと大分類されています。

そして化粧品が、メイク、基礎化粧品、ヘアケアなど。
薬が頭、目、口、体、皮膚、胃腸など。
エチケットが、アロマ、バス、ボディ、オーラル、マスクなど。
健康器具が、ボディ、フェイス、家庭用品、服飾など。

と中分類に分かれています。
その下に、小分類、小々分類と細かく棚が分かれています。

各々の大分類・中分類・小分類・・・の隣通しの分類群や商品群がリレーション、つまり関連性がないと、お客様にとって不便極まりない売場になってしまいます。
それどころか、ついで買いが誘発されないため、買い上げ率が少なくなってしまいます。

中分類では、メイクのヨコに目薬が来る、健康器具のヨコにエチケットが来る。
基礎化粧品のヨコにマスクが来る。
こういう並び方では、ついで買いも誘発されず、お客様は買いにくいままです。

メイクのヨコがたとえ薬ゾーンだとしても、皮膚関連薬にすべきですし、基礎化粧品のヨコがたとえエチケットゾーンだとしても、バス・ボディなどのリラックス商品にすべきでしょう。

●マグネット売場

マグネット売場とは、目立つ売場のことです。
あなたのお店は、とにかく棚に商品を詰め込んでしまい、倉庫のようなお店になっていませんか。

倉庫のようなお店だと、すべての売場が同じように見えてしまい、踵が動きません。
つまり、「あっちの売場、おもしろそうだから行ってみようかな」という視覚的に魅力的に見える売場がないと、お客様は店内を回遊してくれないのです。

店内回遊時間が少ないと、買い上げ率も少なくなり、1人当たり買い上げ単価も少なくなります。
なので、魅力的に見える売場をそこかしこにつくりましょう。

商品的には、大量にCM打っている商品、特売商品、梅雨対策などを一カタマリにしてマグネットにしましょう。

展示的には、タレントの等身大ポスター、大きなマスクをつけたヘッドマネキン、すだれなどの風物的なプロップスを使用して飾りつけをしましょう。

店舗デザイン的には、木製什器とナチュラルな壁紙を使って「ナチュラルダイエット」というコーナーをつくりましょう。

体験販促的には、酵素の試飲コーナーをつくったり、梅雨の洗濯対策プロモーションを行って人を引き付けましょう。

このようなマグネット売場をフロアのそこかしこにつくることによって、お客様の回遊率をアップさせ、店内滞在時間を長くできるんです。

だいたいわかりましたか。
化粧品店・ドラッグストアの売場改善の仕方。

以上お話ししたフレームワークは、売場づくりの基礎セミナーもしくは、売場の改装・改善セミナーで具体的にお話ししています。

興味ある方はぜひお越しください。

●売場づくりの基礎セミナー

●売場の改装・改善セミナー

お越しをお待ちしております!!

(vmd-i協会事務局)

テスラのショールーム

カーディーラーVMDのコツ

カーディーラーの売場づくりのコツを解説します。

意外とVMDを学ぶ方は自動車関係の方が多く、売場塾にたくさんのカーディーラーやメーカーの方が来られていますし、実際に訪問コンサルもよく行っています。

●ディーラーVMD改善事例

今回は、カーディーラーで働いているショールームレディの方を特に意識しました。
彼女たちが実際にショールーム内のたたずまいをつくっているからです。
ズバリ、ショールームで改善しなければいけないフレームワークは下記の通り。
ケースが多そうな順に並べます。

  1. フェイシング
  2. テーマ設定
  3. サイン編集・制作
  4. IPワーク
  5. くくり
  6. POP編集
  7. スタリング
  8. 什器デザイン
  9. フロアレイアウト

では順に解説していきましょう。

1.フェイシング

これは商品の置き方のことです。
客としてショールームに入ると、「ノベルティ在庫棚」が多数存在するのを見かけます。
夏キャンペーンのバスタオル、Tシャツ、トートバック、etc。
これらが箱や袋に入ったまま、会議室机の上に積んであるのをよく見ます。
ノベルティの顔がほとんどわからない上に山積みになっているので、どう見ても箱が積んであるとしか見れません。
しかも、キャンペーンPOPも置かれていないので、お客様には、ただの在庫棚としか見えないのです。
箱出し、袋出しフェイシングをして、商品を魅力的にディスプレイしましょう。

2.テーマ設定

ショールームのテイストにおよそ合わない会議机の上に黒い布を敷き、その上にカーアクセサリーをたくさん置いていませんか。
こういう状態を「物置きになっている」と言います。
車内アロマグッズ、エンジン潤滑剤、高性能オイル、キーホルダー・・・と、テーマなしに適当に置いたその状態は、やっぱり物置きにしか見えません。
ディスプレイテーマ設定をきちんとしましょう。
「長距離ドライブに最適な快適グッズ」「エンジンの性能をよくするベストバイ」などとテーマを設定して展示商品を絞り込み、先ほど言ったフェイシングをきっちりやれば、ようやっと物置き状態から解放されます。

3.サイン編集

TOYOTA、HONDA、NISSAN、MITSUBISHIなどブランドサインは店内外に掲示されています。
困ったことに、これらサインは、クリスマス、ハロウイン、七夕、夏休みなどの時期になると、たちまち姿がわからなくなります。
特にカウンタ後ろのサインは気を付けてください。
ハロウインのカボチャがロゴやマークにぶら下がっていたり、七夕札がくっついていたりするのです。
ブランドマークやロゴは汚すことのできない神聖なもの・・・と考えてください。

4.IP
5.くくり

IPとは陳列のこと。
くくりとは分類整理された状態をいいます。

これ、セットで悪くなっている売場があります。
それが顕著なのはカタログコーナー。

車は、排気量、車種、用途、乗車人数などにより分類は様々。
これらがバラバラに置かれていませんか。
ひどいところになると、保険商品やメンテカタログまで入り乱れて陳列されています。
よくできた旅行代理店のパンフコーナーのように、タテ列は車種、ヨコ列は価格別・・・などと、見やすくわかりやすく陳列し直しましょう。

6.POP編集

公道を車で走っていると、ディーラーのショールームを通り過ぎることがあります。
その際、のぼりとポスターでショールームの中が見えないお店に出くわします。

そのお店は、POPが主役になっているんですね。
商品である車はわき役になっています。
これでは本末転倒です。
ショールーム内の展示車が見えるように、POPを設置しましょう。

7.スタイリング

車は物販の中では住宅の次に高価なもの。
なのに、カウンタ周りを見渡すと、100円のボールペンが転がっていませんか。
店の人が好きで置いた招き猫や七福神。
神田信用金庫のカレンダー。
ゴルフコンペの優勝盾。

これらはディーラーのブランドテイストに合わないのではないでしょうか。
カウンタ周りはすっきりさせ、カレンダー市販のものに変え、ボールペンは最低1,000円位のものを使いましょう。

8.什器デザイン

先ほど話した会議室の机。
近くのホームセンターで買ってきたラック。
通販カタログで安売りしているスチールワゴン。

これらをカタログコーナー、ノベルティ置き、雑誌・新聞ラックにしていませんか。
売場がデコボコになる上に、どう見ても、物置・在庫置き場にしか見えません。

インテリアコーディネーターを雇うほどではないけれど、服と同じように、什器もテイストを統一するということを覚えましょう。

9.フロアレイアウト

展示車、受付、グッズコーナー、キッズの遊び場、商談、メンテ待ち、カタログなどなど、ショールームにもゾーンがあります。
各ゾーンは、導線を考えてフロアレイアウトしていますか。
カタログコーナーがショールームの奥にあったり、グッズコーナーがフロアにバラバラに点在していませんか。

お客様が入ってから展示車を見て、商談に入り、そしてカタログを取って出ていく・・・などと客導線ストーリーをきっちり考えてゾーニングしてください。

ざっとこんな感じです。
まだまだありますが、今日は比較的簡単に改善できるコツを伝授しました。

さらに勉強したい方は、当社ディスプレイセミナーにお越しになると、テーマ設定の仕方やテーブルディスプレイを実際につくることができます。

●VMD売場づくりのディスプレイセミナー

3か月に1回やっています。
お待ちしております。~(^^)

(vmd-i協会事務局)