テーブルディスプレイ」タグアーカイブ

マカロンのカフェテーブル ダロワイヨ

ディスプレイの審美性は美的形式原理から成り立つ

以前、ディスプレイの構成は下記3つをベースに考えると、個性的で美しいディスプレイができると簡単に解説しました。

●個性的なディスプレイ制作の法則

  1. 審美性
  2. 演出生
  3. 創造性

●ディスプレイ美的センスアップの秘訣

上記ブログはコップで簡単に説明しましたが、今度はカフェテーブル・ディスプレイと実際の売場写真を使って詳しく説明します。
今回は、1.審美性についてお話しします。

0.審美性とは

審美性のある女性モデル

審美性とは、美しさそのものという解釈です。

つまり、このモデルの顔のように均整の取れている状態と思ってください。
一般的に目、鼻、口などのパーツが左右対称(シンメトリー)に配置され、黄金比と呼ばれるバランスが整っている端正な顔が美しいです。

 

美ボディ ヨガ

美ボディに関しては、八頭身という、頭から足元まで8つに体のパーツが分割できている比率になっていると美しいと言われています。
これをプロポーションがいいと言います。

左右対称にしても、プロポーションにしても下記の美的形式原理に当てはまります。
美的形式原理は7つです。

  1. 調和 ハーモニー harmony
  2. 均衡 バランス balance
  3. 対称 シンメトリー symmetry
  4. 比例 プロポーション proportion
  5. 対比 コントラスト contrast
  6. 律動 リズム rhythm
  7. 階調 グラデーション gradation

この7つの原理を活用すれば、あなたのディスプレイはたちまち美人になります。

以下、カフェテーブルと売場のディスプレイ例を使って解説します。

1.調和 ハーモニー

調和 テーブルディスプレイ アースディ

ハーモニーとは、音楽用語では、2つ以上の音が同時に鳴って美しく響くことをいいます。
ディスプレイ用語では、いくつもの商品でテンポよくきれいに陳列または展示されることをいいます。

例えば、上写真は「アースディ」というテーマでつくったカフェテーブルです。
水に浮いているゴミを模しましたが、美しい風景だと思いませんか?
それは、下記を理由にハーモニーを感じるからです。

・等間隔にゴミが浮いている
・すべてのゴミは斜めに浮かんでいる
・向きがあちこちにまんべんなく向いている
・コーヒーカップとゴミと玉は違和感なく存在している

売場の事例を見てみましょう。

調和 シュガーフィナ

米国のキャンディ屋さん、シュガーフィナの売場です。
キャンディが3つのカタマリでとびとびに並んでいます。
下段の箱も3つ4つ固まっておかれているけれども、バラバラ観はありません。
なぜなら上段のキャンディと同じく、隙間を入れて等間隔に並んでいるからです。

売っている商品はいろいろな種類があるけれど、バラバラに見えない。
それは調和、ハーモニーが感じられるからです。

2.均衡 バランス

均衡 スマートボール カフェテーブル

バランスとは、気持ち的な重量感が取れているということです。
やじろべえみたいなものです。

例えば、上写真は「スマートボール」というテーマでつくったカフェテーブルです。
ネスプレッソの空き箱でつくりました。
一見、ボールが動いているように見えると思います。
しかし、動いているからといって、左右どちらかに偏っているようには見えないと思います。
全体のバランスがよいからです。
その理由は下記です。

  • テーブル全体に重量感が均一に行くようにモノを配置
  • ボールは動いているように見えるが、方向に偏りなく配置
  • コーヒーカップとケーキ、ミルクピッチャーも偏りなく配置

売場事例で言うと下記です。
デトロイトのブランド「シャイノラ」のノート売場です。
棚が互い違いになっているにも関わらず、壁全体のディスプレイは均衡がとれています。

均衡 シャイノラ

3.対称 シンメトリー

対称性 フラワーパーク カフェテーブル

美心の顔は左右対称です。
目や鼻、口が左右対称に配置されています。
美人なディスプレイも左右対称です。

ただ、美的形式原理の対称は、左右対称でなくても、斜め対象でも、上下対称でも構いません。
重心が中心にあり、見た目にも感覚的にもバランスが取れている状態ならOKです。

例えば、上写真は「公園の花時計」というテーマのディスプレイです。
またもや、ネスプレッソの空箱で作成しました。
花時計を中心に斜め対称になっているのがわかります。

対称性 アラモアナ ブルーミングデール 

上はブルーミングデールスのチョコレート売場ですが、左右対称にギフト箱が並んでいるのがわかります。
重量感も左右で均衡がとれています。

4.比例 プロポーション

プローション 夕日の空 カフェテーブル

比例とは別名マスターパターンのことです。
マスターパターンとは、等分割、黄金分割、ルート2分割、ルート3分割などがあり、ディスプレイを四角く分割した場合のバランスがよいことをいいます。
詳しくは下記ご覧ください。

●マスターパターン

例えば、上写真は「夕日の海原」というテーマのディスプレイです。
ランチョンマットの境に注目してください。
上部分が空で、下部分が海です。

空の高さを1とすると、海の高さは0.618になっています。
つまり、黄金比率になっています。

今度は下記を見てください。
テーマは「入道雲の海原」です。
上部分が空で、下部分が海です。

プローション 入道雲の空 カフェテーブル

空の高さを1とすると、海の高さは1になっています。
つまり、等分割になっています。

このように、マスターパータンをディスプレイに取り入れれば、プロポーションのよいモデルのように美しく見えるのです。

売場事例を見てみましょう。

比率 紳士服VP1

これは紳士服のVPですが、右の小物とマネキン2体の配置を見てみましょう。
ラインを引くと上下・左右に等分割されていて、その範囲内に各々が収まっているのがわかります。
この場合の比率は、上下左右が1:1です。

比率 紳士服VP2

ちなみに身の回りのもの、それがスマホでもドアでもポスターでも、外形はすべてマスターパターン内に収まります。
商品デザイン、建築デザイン、広告デザインの別なく、美しいデザインはすべてマスターパターンを応用しています。

5.対比 コントラスト

コントラスト コルク カフェテーブル

コントラストはモノの強弱がはっきりついていて、メリハリがあることを言います。
メリハリがないと、全体がぼんやりとした霞かがったディスプレイになってしまいます。

上写真は、「コルクタイムズ」というテーマでつくったディスプレイです。
コルクボードの上に、それと似た質感・色のバッチャン焼き陶器を置いています。
全体的に薄茶色のぼやーっとした空気感が漂っています。

一方、下写真を見てください。

コントラストあり カフェテーブル

「ブラックアンドホワイト」というテーマでつくったディスプレイです。
先ほどの「コルクタイムズ」と比べると文字通り白黒はっきりついたコントラストになっています。

対比はこのような「色の対比」の他に下記の要素があります。

  • 大きさの対比・・・大きい・小さい
  • 形の対比・・・四角と丸
  • 質感の対比・・・つるつるとざらざら
  • 密度の対比・・・多い・少ない
  • 光の対比・・・明るい・暗い
コントラスト セーフウェイ

アメリカのスーパー、セイフウエイの生鮮売場です。
中央のパブリカを見てください。
下記3つのコントラストがあります。

色・・・そこだけ鮮やか
形・・・そこだけ棚がカーブしている
密度・・そこだけモノが密集している

コントラストが効いている売場は、お客様の注目度が高く、「おやっ」ということで売場に立ち寄る可能性を大にしてくれます。

6.律動 リズム

リズミカルなマカロン カフェテーブル

朝起きてすがすがしいのは、外で鳴く鳥の音がリズミカルだからです。
工事現場の雑音とは違います。

同じように、リズミカルな陳列は売場を見る人に心地よさを感じさせます。
商品がバラバラに陳列されていると、廃品置き場と化してしまうでしょう。

上写真を見てください。
テーマは「踊るマカロン」ということで、CD上に色とりどりのマカロンを、まるでダンスしているように置きました。

リズミカルに感じる理由は下記の4点です。

・CDの配置がクネクネしていること
・クネクネのラインが二つ平行して走っていること
・マカロンを立ててディスプレイしていること
・マカロンの向きをあちこち向けていること

それでいて、他の食器は一様に左下を向いています。
マカロン、アンドゥトロワみたいにワルツ踊っていますね。(^^)

リズム アラモアナ レゴブロック

売場事例を見てみましょう。
上はアメリカのレゴブロックの売場です。

まずは棚を見てください。
棚が横一線ではなくて、上下に揺れていますね。
まるでゆらゆら波に揺れているようです。

そして、商品である箱を見てください。
平置きしたものと縦置きした商品が交互に並んでいます。
商品が「寝ている」シェルビング、「起きている」フェイスアウトを繰り返しています。

そのくせ、最上段の商品の高さは真横一線に整っています。
壁の上部分は白くきれいに保たれていて、その下の商品群はゆらゆらしています。

この寄せては返す波のようなリズミカルな壁面ディスプレイは、アクティブに遊ぶ玩具、レゴブロックにピッタリでした。

7.階調 グラデーション

グラデーション カフェテーブル

沈む夕日、雨が止んだ後の虹、近づいて来る黒雲、自然界にはグラデーションがいっぱいです。

ディスプレイもこのようになっていると、自然界で見慣れている状態なので、なんだか心が落ち着きます。

上写真は、中央のオブジェに向かって水色から濃紺へとグラデーションしていくディスプレですイ。
テーマは「深海の生物」です。
海の底の生物を探査するようなブルーグラデにしました。

グラデーションはこのように色を使うことが多いのですが、下記もグラデになります。

  • 大きさ・・・小さい→大きい
  • 光・・・暗い→明るい
  • 数量・・・少ない→多い
  • 形・・・丸→楕円→長円

売場例を見てみましょう。
下は紳士の売場ですが、ネクタイが虹色にグラデーションしています。
気持ちいいですね。

グラデーション ネクタイ売場

今度はワイシャツに注目してください。
こちらも虹色配色しています。
なんだかワクワクしますね。(^^)

グラデーション ワイシャツ売り場

8.まとめ

美的形式原理、だいたい分かったと思います。
この原理、ドイツのバウハウスが体型化したのが始まりのようです。
よくできています。

ただ、7つの項目ひとつひとつで独立して使うものではなく、複数組み合わせて使います。

ブラックアンドホワイトの置き物 カフェテーブル

例えば、このディスプレイは下記の要素を使っています。
テーマは「ブラックアンドホワイトの置き物」。

  • 調和 ハーモニー harmony
  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 比例 プロポーション proportion
  • 対比 コントラスト contrast
花見の団子

このディスプレイは下記です。
テーマは「花見の団子」。

  • 調和 ハーモニー harmony
  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 階調 グラデーション gradation
ジャズテーマのディスプレイ

このディスプレイは下記です。
テーマは「ジャズ」。

  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 比例 プロポーション proportion
  • 対比 コントラスト contrast

ディスプレイにいそしんでいる皆さん、ぜひ美的形式原理を活用して、審美性を追及して「美人なディスプレイ」つくってくださいね。

 

そして次回のブログは、「個性的なディスプレイ制作の法則」その2.演出性に進みます。
お楽しみに!!

●個性的なディスプレイ制作の法則
1.審美性
2.演出性
3.創造性

審美性の勉強の役に立つセンスアップセミナーにも、ぜひお越しください。
毎月開催しています。
次回は3/26(木)です。

●オンライン センスアップセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

獅子舞ディスプレイ拡大

テーブルウエアで獅子舞つくってみた

ディスプレイを日常生活に取り入れれば心潤うことをブログに書きました。

●ディスプレイすれば生活は潤いになる

コーヒーを飲むときに、売場塾であまったプロップス使って食卓を飾ろうかなと思い立ちました。
2015年10月17日の朝でした。
これが第一号のディスプレイ。

ランチョンマットの端が折れています。(笑)
以来、毎週末コーヒーを飲む時に5分でディスフレイをつくってきました。
コーヒーを飲む時間は高校時代から好きな時間でした。
忙しくあわただしい毎日にホッとつける、ネスカフェのCMみたいなひと時です。

なんで5分でディスプレイ作っているかというと時間かけると面倒だから。
電気ポットでお湯を沸かしペーパードリップに湯を注いでカップに移す、その合間に作るんです。
キッチンにあるランチョンマットやカップ、カトラリーにプロップスを加えて完成です。
そのプロップスも文具や本、フレームといった家にあるものを使っています。

ということで、2025年を明日に迎えた今日は、テーブルウエアのみで獅子舞をつくってみました。
獅子舞ディスプレイ・メイキング始まり、始まり~。

1.布を敷く

オンライン売場塾でクロマキー用に使っている幕を用意します。
人間が入っている獅子のように丸ーい背中にしました。

2.目と鼻をつくる

目はコースター、眉毛はお菓子を載せているお盆。
鼻は花の形をした皿、鼻の穴は日本酒のおちょこです。

3.ほっぺたをつくる

伊勢丹三越オリジナルの丸いランチョンを左右に置きました。

4.たて髪を入れる

金色の刺繍のようなランチョンをおでこに置きました。

5.口をつくる

獅子舞は口が肝心。
あのカタカタ言う歯は懐紙でつくりました。
いつも和菓子を置いているものです。

6.あごひげ入れる

顎髭はお皿に。無印良品とケユカのソーサーを使いました。
くるくるって感じが出ています。

7.耳を入れる

耳どうしようかな~と思いましたが、小さいランチョンを耳型に折って、その上に葉っぱのコースターを置きました。
いい感じです。

8.角を入れる

なんかアタマのあたりが物足りないな、と思い、角を入れました。
これ、ネスプレッソのおまけにもらったコースターです。
よくよく考えると、獅子舞はライオンだから角はなかったです。
でもまあ、芸術には脚色もアリなんで、架空の獅子としました。

9.完成!!

詳しくは、明日の年賀状見てください~。

明日から新年ですね。
インフルエンザやコロナ流行っていますが、お体大事に。
よいお年を~。

(vmd-i協会事務局)

テーブルディスプレイ

ディスプレイ布の美しい敷き方

0.はじめに

今回は、ディスプレイ布の美しい引き方についてお話しします。

街中のウインドウやお店のテーブルディスプレイに布が使われていますよね。
大半は、テーブルクロスみたいに使っています。

ドラッグストアのディスプレイ悪い例

ドラッグストアでは、こんな感じで展示物に布を敷いています。
でもキレイでないケースも多々見受けられます。

下記は過去の売場塾のワークショップ作品なんですが、やっぱり布の敷き方、工夫していない人多いかな、と思います。
テーブルにふわっと掛けるだけでは、しわも寄るし、リムやドレープも汚く見えてしまいます。

ディスプレイ授業作品悪い例

今日は、美しい布の敷き方についてお話しします。

1.布はレイヤーする

敷き布がレイヤーされていないディスプレイ

まずは上の写真を見てください。
テーマは「贈り物」だったと思いますが、赤い布が敷かれています。
でも敷き方は何の変哲もない、テーブルクロスのような感じ。

敷き布がレイヤーされているディスプレイ

次に上の写真を見てください。
ちょっとした変化が生まれています

中央に金色の布がライナーのように敷かれています。
なんだかアカデミー賞授与式のじゅうたんみたいですよね。

このように、2枚以上の布をクロスすることをレイヤーと言います
オシャレな人はTシャツ2枚をレイヤーしていますよね。
それと同じです。

1枚だと、ただのランチョンマットもしくはテーブルクロスだけど、2枚以上レイヤーするとディスプレイがおもしろくなります。

おもしろい、というのはinterestでして、funnyではないことに注意してください。

2.ただふわりと掛けただけでは趣は出ない

ここでinterestを趣(おもむき)と解釈しましょう。
アートは趣があったほうがおもしろいんです。

敷き布の敷き方の悪い例

上の写真aを見てください。
布ではないんですけど和紙を1枚ふわりと掛けただけの写真です。

ディスプレイ敷き布のよい使用例

次に写真bを見てください。
和紙を2枚レイヤーしたディスプレイです。
青い和紙とピンクの和紙を使っています。

a,bどちらの方が趣ありますか。
そう、bですよね。

どうしてbの方がおもしろいかというと、変化があるからです。
その変化を細かく言うと下記です。

  • 青い部分とピンクの部分が見える
  • ピンクの和紙は波打っている
  • ピンクの波と桜の枝はテーブルをタテに横切っている
  • 青い和紙も裾がやや波打っている

一方、aのディスプレイは、

  • ふわっと和紙をテーブルにかぶせていて、ところどころ盛り上がっている
  • 桜の枝はテーブルに対して横に置かれている

こんなところでしょうか。

a,bどちらも和紙の軽くて淡い質感、ザラメのつぶつぶ感はします。
でも、bのディスプレイの方が、リズム感があります

リズム感とはなんでしょう?
aのディスプレイは、ボワッボワッという感じのリズムですが、bのディスプレイはサラサラ、サラサラと川が流れているような感じがしませんか。

向こうからピンクの波が押し寄せてきていて、手前ではそれが青に変わって波は収まり静寂が訪れる・・・。
しかも、その波に呼応するかのように桜の枝が、波の波紋に添ってリピートしています。
ちょうどピンクと青の境目に桜の枝が来ているので、奥から手前に色がグラデーションしているようにも見えます。

このディスプレイに音を重ねると、向こうから

  • ザザザー ときて、
  • チョロ、チョロ に変わり、
  • ピチョン という音に最後は変化しています。

このリズムの変化をおもしろくしているのが、和紙のレイヤーと言えるでしょう。

売場塾では、ハーモニゼーションとかオーケストレーションとか、音楽の名前の付いたディスプレイスキルを教えていますが、まさしくディスプレイは音楽なんです。
リズムを感じさせるディスプレイ、それが趣のあるディスプレイなんです。

3.どのようにレイヤーを考えればよいのか

さて、レイヤーのつくり方をお教えします。
まずは二つの和紙の重ね方をリハーサルするといいです。
テーブルに商品を載せる前に、どのように和紙を重ねるのか、推敲するんです。

推敲とは文章を寝るときに使う言葉なんですが、私はディスプレイをつくる時にも使っています。
創作や造作、制作などの言葉は似合わないからです。
「考えながらつくる」
まさに推敲なんです。

推敲は下記の2つを念頭に置くといいです。

●構図的なポイント
・重ねる範囲(オーバーラップ)
・敷く向き(グリッド)
・構造線(リニアスキーム)

●テクニック
・ドレーピング(ドレープさせる)
・タッキング(タックを入れる)


まずは構図的なポイントの3つを念頭に入れながら、最低5つ以上は構図を考えましょう
慣れてくれば、テクニックを使ってタックやドレープも取り入れて推敲します。
ディスプレイは三次元ですが、下に敷く布は絵のように二元的に考えるので、この場合は構成ではなくて構図になります。

A,B,C,D4つの敷き布の構図

試しにAからDの、4つ作ってみました。
どれがよさそうか、吟味しましょう。

ディスプレイABの構図

AとBはタックでつくった三角形を取り入れた構図です。
・重ねる範囲はAは大きめ、Bは小さめです。
・敷く向きはAはピンクの右を下げていて、Bは折り畳みの底辺を下に設けています。
・構造線は、Aは左下に角が向かうようにつくり、Bは右上に角が向かうようにしました。

CとDはタックを入れた四角形を組み合せた構図です。
・重ねる範囲はどちらも半分弱にしました。
・敷く向きはCはピンクが上から、Dはピンクが左から斜めに入るようにしました。
・構造線は赤いライン。ピンクの中央に2.3のラインが入るようにしました。

次に展示する食器やプロップスをどこに置けば、効果的な構図ができるか推敲します。
実際に食器とプロップスを置いてみてください。
その際には、構造線(リニアスキーム)を考えながら置くといいです。
結果、採用したのはBとDでした。

Bは上のディスプレイになりました。
もみじ饅頭ディスプレイです。
三角形の部分に桜の枝を入れました。
ブーケで包んだような、おもしろい構成になりました。

敷き布のよい使い方事例

B,Dとも使ったテクニックはタッキングでした。

三角形のテーブルディスプレイの構造線
ディスプレイのまっすぐな構造線

B,Dに構造線を入れる上になります。
Bは三角形を丸く囲うようにコーヒーカップとお菓子を配置しました。
推敲の結果、青とピンクは逆にし、三角形の方向は左上に変えました。

Dは前述のようにさざ波が川下に流れてくる構造線になっています。

こんな感じで、構図とテクニックを駆使して推敲してみてください。

ちなみに、一番上の写真はDに借景を取り入れたものです。
床に波をイメージする布を敷いてみました。
ますますおもしろいディスプレイになりました。

4.構図が複雑になると解釈は多様になる

生八つ橋のディスプレイ

今度は、先ほどのBとDの構図をミックスしたディスプレイを紹介します。
お菓子は生八つ橋にしました。

これをどう解釈するかはあなた次第。
ディスプレイは見る人にとって趣がありおもしろければいいんです。

私の見立ては左から来た川が、やがては滝となってドドーッと右下に落ちていくような様です。
だから一番目が行きつく先は右の生八つ橋になるんです。
三角形が矢印のようになって私たちの視線を導いてくれるからです。

生八つ橋のディスプレイの構造線

構造線を入れると上になります。
三角形と直線に丸が加わり、より複雑になっています。

ディスプレイ鑑賞も絵画鑑賞と同じだと考えてください。
実際、絵画や写真と同じようにディスプレイも複雑な構図から成り立っているんです。
複雑ながらもリズムを感じるから心地よいんです。

テクニックとしては、タッキングの他に相似形を使いました。
皿の上の生八つ橋を見てください。
三角形が三連続していますよね。

生八つ橋

生八つ橋の三角形も考慮して構造線を入れましたのが下記の写真です。
いかがですか。
三角形が8つ繰り返しているのがわかります。
これを三角形の相似形と言います。

人は同じものが連続しているとリズムを感じるんです。
街頭の電柱、ハイウェイの照明、天井の蛍光灯、教室の机・・・。
どれも同じカタチがリピートしていますよね。
これが人間には心地よいんです。

リピートしているもみじ饅頭ディスプレイ

5.まとめ

だいたいわかりましたか。
布ものの美しい敷き方。

構図とテクニックを駆使すれば、個性的であなたらしいディスプレイができるんです。

とはいえ、最初はシンプルにレイヤーしていくといいです。
アーチスト気取りで、いきなり複雑なレイヤーにすると失敗します。

レイヤーのある敷き布

まずは先ほどのこんなディスプレイから始めてください。
慣れてきたら、時と場合によって複雑なアート表現をするといいです。
画家やカメラマンと同じように推敲してください。

私は、ここ10年間、コーヒーを飲むときに毎週違うテーブルディスプレイを作っていて、早や1000回になりました。
こんな風に日常にディスプレイを取り入れれば、本番でも苦になりません。
インスピレーションはいつもひらめくようになります。

参考に下記のブログも読むと、ディスプレイの構造がますます理解できます。
時間あったらディスプレイの知識深めてください。

●リニアスキームと三角構成

●どうして上から見て三角形にするのか

●リニアスキームの種類


また、ディスプレイのスキルもっと得たい方は、9/26のセンスアップセミナー「展示と陳列の法則」にぜひご参加下さい。
実際にディスプレイをつくっていただくオンラインセミナーです。

●9/26(木) 11時開催「展示と陳列の法則」

●毎月やっているディスプレイ・オンラインセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

メガネのディスプレイ

ガムットでバラバラに整然さを加えよう

今回は、ディスプレイ用語「ガムット」の話をします。

ガムットとは「傾きをおさえること」を言います。
リニアスキームとは、ディスプレイの構造線を考える事ですが、構造線を5つ以内に抑えることを「ガムット」といいます。

ガムットとは

トランプで「ガムット」を実験してみます。

まずはこの写真を見てください。
トランプをパーチクル(小さな装飾品のこと)として使います。
バラバラに机の上に置いてみます。

バラバラに置いたので、トランプはいろんな方向を向いています。

今度は、傾きを4つのみに限定してみます。
下の写真がそうです。

改めて上の写真を比べてみてください。
左よりも右の方がなんだか整然さが感じれられます。

やっぱり右の方が少し整然としていますね。
これがガムットです。

パーチクルを散布する際に、ガムットを使えば、ディスプレイは整います。
なので、「このディスプレイ、なんかバラバラだな少しすっきりさせたいな」という時にガムットを使えばよいです。

自然だけど、少し人工的・・・という美的感覚を養うのに便利なテクです。

ガムットの線を写真に引いてみました。
これでこのテーブルディスプレイは4種類の方向の線しか使用していないことがわかります。
構造線を180゜45゜135゜90゜の角度にしたのでわかりやすいと思います。

ガムットの応用

これは、トランプでなくメガネでも同じ。
下の写真を見比べてみてください。
最初の写真がガムットなし、次の写真がガムットありです。

ガムットあり、の方はなるべく等間隔にも置きました。
ガムットと同時に等間隔陳列もすること、これが鉄則です。
すると、ディスプレイは整って見えます。

例えば、あなたがイタリアンで食事しているとします。
テーブルから見える柱が見えました。
ガムットに意識して見てください。

ポスター、メニュー黒板、ボトルの陳列枠、メニューチラシ、これ全部長方形です。
トランプの代わりだと思ってください。
でもキレイなたたずまいには見えないですよね。
なんか、広告物をバラバラに貼っている感じ。
秩序が感じられません。

確かに長方形の傾きは全部で4。
ガムットとしてはセーフですが、モノとモノの間が等間隔になっていないので雑然と感じるんです。
つくった人の失敗は、ポスターやボトルケースとの距離を考えていないことにありました。

ガムットで楽しいディスプレイ

さて、せっかくだから、トランプ・ディスプレイの続きをつくりましょう。
少し整然としているカードは兵隊さんのように見えます。
そこでフォークを使って、このトランプをお城の門番にしてみました。

次にカップを入れました。
ウサギと帽子屋との茶会にしてみましょうか。

となると、怒ったお城の女王様も必要。
もうわかりましね。
テーマは「不思議の国のアリス」でした。

追加した食器の傾きも4種類以内に収まっています。

ディスプレイって楽しいですね。
ぜひセンスアップセミナーでディスプレイセンス磨いてください。

●センスアップセミナー

お待ちしております。(^^)

(VMDインストラクター協会事務局)