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マカロンのカフェテーブル ダロワイヨ

ディスプレイの審美性は美的形式原理から成り立つ

以前、ディスプレイの構成は下記3つをベースに考えると、個性的で美しいディスプレイができると簡単に解説しました。

●個性的なディスプレイ制作の法則

  1. 審美性
  2. 演出生
  3. 創造性

●ディスプレイ美的センスアップの秘訣

上記ブログはコップで簡単に説明しましたが、今度はカフェテーブル・ディスプレイと実際の売場写真を使って詳しく説明します。
今回は、1.審美性についてお話しします。

0.審美性とは

審美性のある女性モデル

審美性とは、美しさそのものという解釈です。

つまり、このモデルの顔のように均整の取れている状態と思ってください。
一般的に目、鼻、口などのパーツが左右対称(シンメトリー)に配置され、黄金比と呼ばれるバランスが整っている端正な顔が美しいです。

 

美ボディ ヨガ

美ボディに関しては、八頭身という、頭から足元まで8つに体のパーツが分割できている比率になっていると美しいと言われています。
これをプロポーションがいいと言います。

左右対称にしても、プロポーションにしても下記の美的形式原理に当てはまります。
美的形式原理は7つです。

  1. 調和 ハーモニー harmony
  2. 均衡 バランス balance
  3. 対称 シンメトリー symmetry
  4. 比例 プロポーション proportion
  5. 対比 コントラスト contrast
  6. 律動 リズム rhythm
  7. 階調 グラデーション gradation

この7つの原理を活用すれば、あなたのディスプレイはたちまち美人になります。

以下、カフェテーブルと売場のディスプレイ例を使って解説します。

1.調和 ハーモニー

調和 テーブルディスプレイ アースディ

ハーモニーとは、音楽用語では、2つ以上の音が同時に鳴って美しく響くことをいいます。
ディスプレイ用語では、いくつもの商品でテンポよくきれいに陳列または展示されることをいいます。

例えば、上写真は「アースディ」というテーマでつくったカフェテーブルです。
水に浮いているゴミを模しましたが、美しい風景だと思いませんか?
それは、下記を理由にハーモニーを感じるからです。

・等間隔にゴミが浮いている
・すべてのゴミは斜めに浮かんでいる
・向きがあちこちにまんべんなく向いている
・コーヒーカップとゴミと玉は違和感なく存在している

売場の事例を見てみましょう。

調和 シュガーフィナ

米国のキャンディ屋さん、シュガーフィナの売場です。
キャンディが3つのカタマリでとびとびに並んでいます。
下段の箱も3つ4つ固まっておかれているけれども、バラバラ観はありません。
なぜなら上段のキャンディと同じく、隙間を入れて等間隔に並んでいるからです。

売っている商品はいろいろな種類があるけれど、バラバラに見えない。
それは調和、ハーモニーが感じられるからです。

2.均衡 バランス

均衡 スマートボール カフェテーブル

バランスとは、気持ち的な重量感が取れているということです。
やじろべえみたいなものです。

例えば、上写真は「スマートボール」というテーマでつくったカフェテーブルです。
ネスプレッソの空き箱でつくりました。
一見、ボールが動いているように見えると思います。
しかし、動いているからといって、左右どちらかに偏っているようには見えないと思います。
全体のバランスがよいからです。
その理由は下記です。

  • テーブル全体に重量感が均一に行くようにモノを配置
  • ボールは動いているように見えるが、方向に偏りなく配置
  • コーヒーカップとケーキ、ミルクピッチャーも偏りなく配置

売場事例で言うと下記です。
デトロイトのブランド「シャイノラ」のノート売場です。
棚が互い違いになっているにも関わらず、壁全体のディスプレイは均衡がとれています。

均衡 シャイノラ

3.対称 シンメトリー

対称性 フラワーパーク カフェテーブル

美心の顔は左右対称です。
目や鼻、口が左右対称に配置されています。
美人なディスプレイも左右対称です。

ただ、美的形式原理の対称は、左右対称でなくても、斜め対象でも、上下対称でも構いません。
重心が中心にあり、見た目にも感覚的にもバランスが取れている状態ならOKです。

例えば、上写真は「公園の花時計」というテーマのディスプレイです。
またもや、ネスプレッソの空箱で作成しました。
花時計を中心に斜め対称になっているのがわかります。

対称性 アラモアナ ブルーミングデール 

上はブルーミングデールスのチョコレート売場ですが、左右対称にギフト箱が並んでいるのがわかります。
重量感も左右で均衡がとれています。

4.比例 プロポーション

プローション 夕日の空 カフェテーブル

比例とは別名マスターパターンのことです。
マスターパターンとは、等分割、黄金分割、ルート2分割、ルート3分割などがあり、ディスプレイを四角く分割した場合のバランスがよいことをいいます。
詳しくは下記ご覧ください。

●マスターパターン

例えば、上写真は「夕日の海原」というテーマのディスプレイです。
ランチョンマットの境に注目してください。
上部分が空で、下部分が海です。

空の高さを1とすると、海の高さは0.618になっています。
つまり、黄金比率になっています。

今度は下記を見てください。
テーマは「入道雲の海原」です。
上部分が空で、下部分が海です。

プローション 入道雲の空 カフェテーブル

空の高さを1とすると、海の高さは1になっています。
つまり、等分割になっています。

このように、マスターパータンをディスプレイに取り入れれば、プロポーションのよいモデルのように美しく見えるのです。

売場事例を見てみましょう。

比率 紳士服VP1

これは紳士服のVPですが、右の小物とマネキン2体の配置を見てみましょう。
ラインを引くと上下・左右に等分割されていて、その範囲内に各々が収まっているのがわかります。
この場合の比率は、上下左右が1:1です。

比率 紳士服VP2

ちなみに身の回りのもの、それがスマホでもドアでもポスターでも、外形はすべてマスターパターン内に収まります。
商品デザイン、建築デザイン、広告デザインの別なく、美しいデザインはすべてマスターパターンを応用しています。

5.対比 コントラスト

コントラスト コルク カフェテーブル

コントラストはモノの強弱がはっきりついていて、メリハリがあることを言います。
メリハリがないと、全体がぼんやりとした霞かがったディスプレイになってしまいます。

上写真は、「コルクタイムズ」というテーマでつくったディスプレイです。
コルクボードの上に、それと似た質感・色のバッチャン焼き陶器を置いています。
全体的に薄茶色のぼやーっとした空気感が漂っています。

一方、下写真を見てください。

コントラストあり カフェテーブル

「ブラックアンドホワイト」というテーマでつくったディスプレイです。
先ほどの「コルクタイムズ」と比べると文字通り白黒はっきりついたコントラストになっています。

対比はこのような「色の対比」の他に下記の要素があります。

  • 大きさの対比・・・大きい・小さい
  • 形の対比・・・四角と丸
  • 質感の対比・・・つるつるとざらざら
  • 密度の対比・・・多い・少ない
  • 光の対比・・・明るい・暗い
コントラスト セーフウェイ

アメリカのスーパー、セイフウエイの生鮮売場です。
中央のパブリカを見てください。
下記3つのコントラストがあります。

色・・・そこだけ鮮やか
形・・・そこだけ棚がカーブしている
密度・・そこだけモノが密集している

コントラストが効いている売場は、お客様の注目度が高く、「おやっ」ということで売場に立ち寄る可能性を大にしてくれます。

6.律動 リズム

リズミカルなマカロン カフェテーブル

朝起きてすがすがしいのは、外で鳴く鳥の音がリズミカルだからです。
工事現場の雑音とは違います。

同じように、リズミカルな陳列は売場を見る人に心地よさを感じさせます。
商品がバラバラに陳列されていると、廃品置き場と化してしまうでしょう。

上写真を見てください。
テーマは「踊るマカロン」ということで、CD上に色とりどりのマカロンを、まるでダンスしているように置きました。

リズミカルに感じる理由は下記の4点です。

・CDの配置がクネクネしていること
・クネクネのラインが二つ平行して走っていること
・マカロンを立ててディスプレイしていること
・マカロンの向きをあちこち向けていること

それでいて、他の食器は一様に左下を向いています。
マカロン、アンドゥトロワみたいにワルツ踊っていますね。(^^)

リズム アラモアナ レゴブロック

売場事例を見てみましょう。
上はアメリカのレゴブロックの売場です。

まずは棚を見てください。
棚が横一線ではなくて、上下に揺れていますね。
まるでゆらゆら波に揺れているようです。

そして、商品である箱を見てください。
平置きしたものと縦置きした商品が交互に並んでいます。
商品が「寝ている」シェルビング、「起きている」フェイスアウトを繰り返しています。

そのくせ、最上段の商品の高さは真横一線に整っています。
壁の上部分は白くきれいに保たれていて、その下の商品群はゆらゆらしています。

この寄せては返す波のようなリズミカルな壁面ディスプレイは、アクティブに遊ぶ玩具、レゴブロックにピッタリでした。

7.階調 グラデーション

グラデーション カフェテーブル

沈む夕日、雨が止んだ後の虹、近づいて来る黒雲、自然界にはグラデーションがいっぱいです。

ディスプレイもこのようになっていると、自然界で見慣れている状態なので、なんだか心が落ち着きます。

上写真は、中央のオブジェに向かって水色から濃紺へとグラデーションしていくディスプレですイ。
テーマは「深海の生物」です。
海の底の生物を探査するようなブルーグラデにしました。

グラデーションはこのように色を使うことが多いのですが、下記もグラデになります。

  • 大きさ・・・小さい→大きい
  • 光・・・暗い→明るい
  • 数量・・・少ない→多い
  • 形・・・丸→楕円→長円

売場例を見てみましょう。
下は紳士の売場ですが、ネクタイが虹色にグラデーションしています。
気持ちいいですね。

グラデーション ネクタイ売場

今度はワイシャツに注目してください。
こちらも虹色配色しています。
なんだかワクワクしますね。(^^)

グラデーション ワイシャツ売り場

8.まとめ

美的形式原理、だいたい分かったと思います。
この原理、ドイツのバウハウスが体型化したのが始まりのようです。
よくできています。

ただ、7つの項目ひとつひとつで独立して使うものではなく、複数組み合わせて使います。

ブラックアンドホワイトの置き物 カフェテーブル

例えば、このディスプレイは下記の要素を使っています。
テーマは「ブラックアンドホワイトの置き物」。

  • 調和 ハーモニー harmony
  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 比例 プロポーション proportion
  • 対比 コントラスト contrast
花見の団子

このディスプレイは下記です。
テーマは「花見の団子」。

  • 調和 ハーモニー harmony
  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 階調 グラデーション gradation
ジャズテーマのディスプレイ

このディスプレイは下記です。
テーマは「ジャズ」。

  • 均衡 バランス balance
  • 対称 シンメトリー symmetry
  • 比例 プロポーション proportion
  • 対比 コントラスト contrast

ディスプレイにいそしんでいる皆さん、ぜひ美的形式原理を活用して、審美性を追及して「美人なディスプレイ」つくってくださいね。

 

そして次回のブログは、「個性的なディスプレイ制作の法則」その2.演出性に進みます。
お楽しみに!!

●個性的なディスプレイ制作の法則
1.審美性
2.演出性
3.創造性

審美性の勉強の役に立つセンスアップセミナーにも、ぜひお越しください。
毎月開催しています。
次回は3/26(木)です。

●オンライン センスアップセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

カフェテーブルのディスプレイ

客の目を引く4次元ディスプレイとは

今回は次元ディスプレイの話をします。
ディスプレイは次元で捉えることができ、店の商品を陳列したり展示したりするときの表現方法として活用できます。
すなわち、お客様から見たディスプレイ空間の感じ方を変化させることができます。

わかりやすくお教えするために、リビングのカフェテーブルを題材にお話しします。
まずは1次元から初めて、2次元→3次元→4次元と続けていきます。
それではいってみましょう。

1. 点は1次元のディスプレイ

1.1次元のイラスト

1次元は点です。
広い空間にぽつーん、と1点あるディスフレイです。
上のイラストだと、白い空間にぽつーんと黄色い点がる状態です。

点だけなので、表現としてはカフェテーブルにぼつーんと1客のコーヒーカップを置いただけの状態です。

食器棚の中のカップたち。これも1次元なんです。
私は毎朝、ここから好きなカップを選んでいます。
順番待ちのカップというわけですね。
この状態は、店のバックヤードに置いてある在庫商品と同じです。
店の棚に置かれる前の商品のディスプレイというわけです。

見ると、カップが棚ごと横一線に並んでいます。
線のように見えますが、点であるカップが横にズラッと並んでいるので線に見えるんです。

線は点の集合。線も同じく1次元のディスプレイです。

2. 絵は2次元のディスプレイ

3.2次元のイラスト

上のイラストは2次元を表しています。
赤い線は、あなたが立って見ている、水平視野角35度の線です。
まるで絵を見ている様ですね。
1次元の点が板の上にちりばめられた表現です。
黄色い点がエアブラシで噴かれたように四角い板を埋めています。

このように、2次元のディスプレイは絵のようなものです。
油絵絵や水彩画、写真と同じです。
これらは正面から見てこそ価値があります。

例えば、美術本や写真本は斜めに撮影した絵の写真を掲示してないですね。
どの本も正面から見た絵や写真を掲示しています。
モナリザは正面から見ることにより、よさがわかるものです。

上の写真を見てください。
先ほどの食器棚のカップをいくつか使って、「絵」をつくってみました。
ランチョンマットやプロップスも使用しています。
テーマは「パンデミックファミリー」。

この「絵」を見ると、感じるものがあるはずです。
そう、驚いている人の顔が感じられます。
テーブル上に広がっている不安で不気味な世界は、実は真正面からでないと恩恵を受けないんです。

試しに斜めから見てみましょう。

正面から見たものと違って、「パンデミックファミリー」というテーマがわかりにくいですよね。
30秒くらい見てやっと人の顔だと分かると思います。

やっぱり正面から見ないと、大きい二つの丸はマスクをかけた両親で、小さい二つの丸は子供ということも感じられないと思います。
これはコロナ禍で動物園に行った家族が、動物がコロナで死んでいるのに驚いている「絵」だったんです。

これが2次元のディスプレイの特徴です。
2次元のディスプレイは立体的でないので、正面から見た時しか本領は発揮できないんです。

3. 展示は3次元のディスプレイ

6.3次元のイラスト

3次元のイラストは展示物そのもの。
上のイラストを見てください。
四角いオブジェが置かれています。

奥行きが感じられると思います。
四角いオブジェを真正面から見た図は先ほどの2次元のイラストですが、斜めに見ると、パース線が左右に終点に向かって伸びています。
建築用語でいうと2点透視の状態です。

2次元のパースラインはどこまで行っても平行のままで、終点で交わることはないのですが、3次元のディスプレイは2点または1点で交わるのです。
奥行きがあるのでモノは立体的に見えます。

これは美術館で彫刻を見ているようなものです。
絵は壁に掲示されていますが、彫刻は壁から離れて置かれています。

これはどの位置からも彫刻を観賞できるようにしているからです。
正面→斜め→横→後・・・と位置を変えて彫刻を眺めると、像の表情や情報が変わり楽しいですよね。
発見もあると思います。

そこが3次元のいいところです。

7.クリスマスの絵のようなディスプレイ 正面

カフェテーブルで「クリスマス」というテーマで2次元のディスプレイをつくってみました。
やっぱり平面的。絵の様です。
下の写真のように、斜めから見ると気持ち、クリスマスのテーマは薄れてしまいます。

8.クリスマスの絵のようなディスプレイ 斜め

今度は立体的な3次元のクリスマスにしました。
オーッて感じ。
高々そびえたっています。

正面上斜めから見ると、その恩恵を受けます。

9.クリスマスの立体ディスプレイ 斜め正面

でも、真上から見た「絵」にすると、ツリーとわかりません。
平面的で味気ないと思うでしょう。

9.クリスマスの立体ディスプレイ 正面

あなたが店で商品展示を行っている時、遠くから奥行きが感じられるか、客目線で見て確認してください。
平面的にべたっと見えたら、それは「絵」と変わらないです。

4. ワフティングは4次元のディスプレイ

10.ワフティングしている4次元のディスプレイ

4次元のディスプレイは、展示物が空中に浮かんでいるような感じになります。
上のイラストを見てください。

赤い線はあなたが立って展示物を見ている水平の視線です。
展示物が視線の上に下に配置されています。

上にある展示物は見上げる。
下にある展示物は見下ろす。
先ほどの3次元は左右の奥行きを感じたのですが、今度は上下の奥行きも感じます。

11.銀座シックスのパンのディスプレイ

上の写真を見てください。
ギンザシックスのパン屋です。
グワーッとパンがワフティング(ライザーや棚で商品を空中に浮かすこと)されています。
最上段の棚はすごく高い位置にあるので、見上げなければいけません。
インパクトがありますね!!
ボリューミーでもあります。

12.銀座シックスのケーキのディスプレイ

他方、このケーキ屋さんは先ほどのパンみたいにドサッとディスプレイされていませんが、Gケースの中でケーキが浮いているように見えます。

このように、空中に浮いているディスプレイはオドロキを与えてくれます。
地球上に住んでいると、引力の関係で殆どのものは地面に佇んでいますが、それが空中に浮いているのはオドロキです。

美術館にある彫像でさえも真下から見ることはできません。
なぜなら床にピッタリと足が張り付いているからです。

彫刻を宙に浮かせれば、4次元のディスプレイは可能です。
そのためには、彫像の足の裏さえもしっかり表現を刻まなくてはいけません。

オカルト映画「エクソシスト」で何がオドロキかというと、ベッドで寝ているはずのリンダブレアが宙に浮かぶところです。
アワワワッて感じですよね。

このように、4次元のディスプレイは宙に浮いて人にオドロキを与えてくれます。

13.浮いているカフェテーブル

上の写真は、4次元のカフェテーブルです。
この写真をある時、LINEにポストしました。
すると、これを見た人は「不思議ーっ」と次々にコメントしてくれました。

なんてことない、ライザーがランチョンマットの下に置かれているだけです。
しかし、一瞬見ると浮いている気がするので思わず見入ってしまいます。
これが4次元ディスプレイの効果です。
これが店の中にできていると、お客様は思わず立ち止まって見入ってくれます。

実験してみましょう。
下の写真を見てください。

14.浮いていない菓子箱のディスプレイ

家の中の菓子箱をディスプレイしてみました。
まあ、普通の3次元のディスプレイですね。

これを4次元にしてみましょう。

15.浮いている菓子箱のディスプレイ

オワーッ、浮いている!!
思わず目を止めてしまいますよすね。

どうやって作ったんだろう?
とあなたは思い、まじまじと見てしまうでしょう。

しかし何のことはない、これもやっぱりライザーで浮いているように見せているだけなんです。

下の写真を見てください。
チョコレートを浮かしたディスプレイをつくってみました。
やっばり4次元のディスフレイはパワーがありますね。

カファレルのディスプレイ

5. まとめ

17.まとめのスライド

話をまとめます。
上のスライドを見てください。
ディスプレイは2次元、3次元、4次元の順に注目度が増します。
ディスプレイをつくるときは、なるべくパースライン(奥行き)とワフティング(ふわりと浮いた感じ)を意識すること。
これが大事です。

ぜひ、日ごろのディスプレイづくりで4次元のディスプレイに挑戦してください。
ディスプレイを宙に浮かせることにより、フロアを歩いているお客様の足を止めることができます。

なお、ワフティングに関しては下記を参考にしてください。
●ディスプレイをふわっと浮かせる2つのテクニック

そして、次元ディスプレイの実習に参加してみたい!という方は、1月29日のオンラインセミナーに参加してみよう。
●センスアップセミナー「ディスプレイ構成 PART3」


(VMDインストラクター協会事務局)

0メイシーズのディスプレイ

壁と天井のディスプレイ演出の仕方

1.はじめに

今回は少し変わったテーマにしました。
壁と天井をどう演出するか?

これを施工会社の仕事だと思わないでください。
VMD担当の役目です。
物販店というハコである店内は、あなたのブランド空間で待たされていなければいけません。
アルマーニが体育館で売っていないように、アルマーニを売るふさわしいハコを作らなければいけないのです。

具体的には、ハコは床・壁・天井でできています。
VMD担当は商品棚だけでなく、これら大道具の演出も抜かりなくやらなければいけません。
そのために、下記のポイントをVMD担当は押さえて店舗デザイナーや施工会社にオリエンするのです。

  • 素材
  • 装飾
  • サイン
  • POP
  • 照明

さて、今回は「演出」をテーマにしているので内装の話はしません。
壁と天井のディスプレイについて話します。
視線より上、170cm以上の壁や天井をどう処理するかにフォーカスします。

2.PPによる演出

1ノードストロームのディスプレイ

視線より上の位置にあるディスプレイ演出で代表的なのはPPです。
PPはポイントプレゼンテーション(会社によってはポイントオブプレゼンテーション)といい、商品の見本展示のことです。
詳しくは下記参照ください。VP,PP,IPセットで覚えてください。

●VP,PP,IPとは

商品の見本展示といっても目線より上のPPは、商品に触れたりできません。
手が届かないし、届いても取りにくく戻しにくいです。
また天井近くのPPにおいて、展示品に商品説明POPを置くことは少ないです。
それは、POP位置がお客様よりも遠いからです。
大きなキャッチフレーズ程度の文字なら読めますが、小さい文字だと読めないからです。

つい最近も水族館の土産店で、高さ2.4m程のPP固定棚に商品説明POPや紹介ビデオ・モニタが設置されていました。
大丈夫、誰も見る人はいません、と売り場担当者に伝えときました。(笑)

PPはどちらかというと、展示商品の詳細を伝えるというよりも、上写真のように遠くのお客様をPPのある壁面に誘導する目的で設置します。
だからPP部分で細かい商品説明はせず、IPの商品陳列部分に置いたPOPを通じてお客様に商品内容を伝える事が多いです。
これなら、商品が手に取れるし、説明もじっくり読むことができます。

アパレル、雑貨、玩具、キャラクター、化粧品などの専門店・専門フロアには、PP固定棚が設けられていて、そこにPPを配置しています。

無印良品、ユニクロ、アフタヌーンティー、フランフランなどの雑貨・アパレル専門店、伊勢丹や大丸、東武百貨店、高島屋など多くの百貨店は各フロアにPP固定棚があります。

これらの企業には専任、兼任のVMD担当がいて常に天井近くのPP固定棚をコントロールしています。
PP設置作業はVMD担当が行う場合もありますが、大半はフロアスタッフが行います。
当然、PPは直下のIPの商品を展示しなければいけないので、それをガイドラインに謳っています。
VMDインストラクターが、IP・PP研修をスタッフ向けに頻繁に行うのもそのためです。

3.インテリアディスプレイによる演出

アパレル・雑貨店の壁面はこうしたPP固定棚方式が一般的ですが、インテリアディスプレイ固定棚方式を採用している店舗も多いです。

インテリアディスプレイとは、下記の定義です。

1.商品以外のインテリア小物をディスプレイしている棚
2.商品を含めた、商品に関係するインテリア小物をディスプレイしている棚
3.演出POPをディスプレイしている棚
4.造作物を展示している棚

ひとつひとつ説明します。

1.商品以外のインテリア小物をディスプレイしている棚

目的は世界観やテーマの演出です。
ブランドの世界観、季節をテーマにした演出、バレンタインというモチベーションをテーマにした演出などを指します。

ロイズの店舗

例えば、上写真は新千歳空港のロイズの店舗ですが、奥壁面上部はインテリアディスプレイで飾られています。
お城や花、人形のオブジェがリピート展示され、そのはるか下にIPがあります。(下写真)

3.ロイズのディスプレイ拡大

2.商品を含めた、商品に関係するインテリア小物をディスプレイしている棚

商品の世界観を重視したディスプレイ演出です。
商品を使うシーンや環境、対象を強調するディスプレイ展示で、商品自体は強調されるどころか、ディスプレイの小道具と化します。

4.ワイン売場 インテリアディスプレイとPP

例えば、上写真はワイン売場で壁面最上段は、ワインと食器を使ったインテリアディスプレイになっています。
写真を拡大しましょう。

5.ワイン売場 インテリアディスプレイとPP 

ワイン銘柄はまったく分からず、ただのワイン瓶ですが、お酒を楽しむシーンは感じることができます。

3.演出POPをディスプレイしている棚

このタイプはポスターを掲示している事が多いです。
セール時は「セール」「バーゲン」という告知ポスターを掲示しています。
平常時は商品に関連するイメージ写真を天井近くに掲示しています

ゴディバ

例えば、上写真はゴディバの演出ポスター。
シズルと言って、チョコレートのおいしそうな拡大写真を掲示しています。
チョコレートやジュエリーのような服以外の商品は小さいので、ポスターなら拡大写真を掲示します。

もちろん、服でもモデルや風景の写真は演出POPになります。
バナリパやGAPも天井近くに演出ポスターをフレーム入りで掲示しています。

7.バナリパのポスター

ポスターだけでなく、小物を使った演出POPもあります。
例えば、プラザの天井近くの棚は立体POPの展示スペースとなっており、シーズンに合わせた演出POPを展示しています。

8.プラザのディスプレイ

4.造作物を展示している棚

9.東京駅のディスプレイ

これはほとんど店舗デザインに組み込まれているディスプレイです。

私たちが造作物と呼んでいるのは、社内スタッフでなく、外部のクリエイターがつくるようなディスプレイです。
デコレーターや工芸作家、小道具スタジオ、マネキンメーカーなどが造作物をつくります。
アート的な要素を持つものが多く、空中に浮かんでいるオブジェ、壁から突起しているオブジェなどがそうです。

10.ロフトのマスキング売場

例えば、上写真はロフトのマスキングテープの売り場。
天井近くにマスキングテープを材料にしたオブジェが林立しています。
カラフルで楽しいですね。

11.ロフトのマスキング売場拡大

4.ウオーターフォールによる壁面演出

12.東急プラザのTWG

ウォーターフォールとは、滝のような壁ということです。
無印良品やユニクロでお馴染みの、IPをー天井近くまで積み上げる演出方法です。

例えば、上写真は銀座東急プラザTWGの壁面。
天井まで紅茶の缶が陳列されています。

13.東急プラザのハンカチ売場

こちらは東急プラザのハンカチ売場。
上までハンカチが連なっています。

TWGの壁の缶はこれは売り物ではなくオブジェのようなもの。
ハンカチ売場は下に同じ商品が陳列されているので壁を埋めるための商品と考えてください。
つまりダブル陳列なんです。

もともとウォーターフォール陳列は売場塾が考えた言葉ではなく、アパレルVMDの受講生が考えた言葉でした。
その受講生のブランド売場はワイシャツが天井から下までズラリと陳列されていました。
これが彼の作ったガイドラインにも示されていましたので、まさにそのブランドの売場の顔となっていたわけです。

5.壁が白いとどうなるか

14.セブンイレブンの白い壁

壁に何も演出を施さなかったらどうなるでしょう。
実のところ、壁を演出していない店は多いです。

  • コンビニエンスストア
  • ドラッグストア
  • ホームセンター
  • スーパーマーケット

こういう目的買いの多い、時間かけずに用を済ましたい店の多くは壁は白いままです。

※これに関しては他のブログで詳しく解説しているので下記クリックしてください。
●白壁を直して来店客を増加させよう

15軽井沢銀座のはちみつ店

例えば、これは軽井沢銀座のはちみつ店。
お土産を買いに来たお客様は玄関入ってガッカリしますよね。
白い壁が出迎えているからです。
これではまるで倉庫。
ウキウキ感が半減してしまいます。

壁を埋める努力は、みなさんいろいろ工夫しています。
例えば無印良品は壁を埋めるためにヤーン糸を計画的に使っています。

16.無印良品のヤーン

無印良品は近年、有機綿を使用した服が多いです。
その素材の良さを感じさせるためにこうした演出物を各店に支給しています。

17.ユニクロの圧倒的な陳列

ユニクロのウォーターフォール、いわゆる「圧倒的な陳列」は、天井まで同品番の商品を積み上げていく方式です。
2000年前後のフリース全盛時代に原宿店で開発した手法で、中国店を出した時の現地責任者が大成させた手法です。

6.壁を埋めるための問題点

ただ、コロナ禍後、小売企業は下記の点で店舗運営の合理化・コストダウンを図っています。

1.セルフレジ、ロボット導入による人件費の削減
2.DXによる店舗運営のデジタル化・自動化
3.省スペース、可動式什器による店舗レイアウトの可変化

2.がVMDと密接にかかわっているポイントは、何といってもデジタルサイネージでしょう。
PPやPOPを毎期付け替えるよりも、PP部分をサイネージ化してしまえば、店舗ごとでディスプレイを作る必要はなくなるし、POPを付け替える必要はありません。
動画もオンエアできます。
ABCマート銀座店やマツキヨ池袋店の店舗を見ると、サイネージの活用はハンパないです。

18.ABCマート サイネージ

3.に関してはユニクロ・GU、ライフが可変什器、移動什器を標準装備して店内レイアウトを機動的にできるようにしています。

ユニクロのダミーIP

ユニクロで特に面白いのが、ダミーIPですね。
上写真を見てください。
天井近くのシェルビングしている服はダミーパックです。
在庫を上まで積む必要はなく、パックを棚に積むだけでOK。
これは在庫対策にも、人件費削減にもってこいでしょう。

白ボール紙に生地を巻きつけて7枚を1パックにしているのではないかな、と思います。

20無印良品のオーケストレーション

また、無印良品は前述のヤーンだけでなく、自店の関連商品そのものを壁埋め商品として使用していて、その行為が全店で普通に行われています。
とても素晴らしいです。

例えば、上写真。
紳士服売場の上段PPの中に収納用品(ハコ)がシンメトリーに並んでいます。
先ほどの売場もそうでしたが、店で売っている関連商品を置く分には、プロップスを調達する必要はなく、すべて店で賄えますし、在庫置き場としても一石二鳥になるのではないかと思います。

その点ではカルディもそうですね。
店内上部に在庫商品を置く棚が設置されて、そこに商品を置いています
無印良品と同じで、商品で壁が埋まっている状態になり、とてもボリューミーでよいです。

私たちもこうした在庫で壁を埋める提案はよくしており、在庫の積み方をアート的に積んだり、在庫の箱でオブジェをつくったりしています。

ただ問題は、それを行う時間と人が確保されていなければ、いつかは崩れてしまうということです。

21カルディ 2005

例えば、これは2005年のカルディ店内。
けっこう上まで商品が詰まっていますよね。

カルディ PP

これは最近のカルディの店内。
けっこう上棚の空間、空いてますよね。

23無印良品 拡大

こちらも2018年の無印良品。
やっぱり上棚、空いています。

2013年に撮影した時は、下記写真のように充足していました。

24無印良品

最初はウォーターフォールとして、売場商品の豊富感や宝さがしのような売場演出でスタートしたと思いますが、持続がなかなか難しいようです。(もしかしたら地震対策かもしれませんが)
ひとつは、前述した人件費の削減で、こうしたルーティーンは後回しになっているのでしょう。そういう意味だと、ドン・キホーテの熱帯雨林演出は持続力すごくありますよね。
いまだに壁が空いているドンキ見たことないです。(^^)

先ほどのユニクロのPPパックの例のように、人が割けない場合はこうした施策に切り替えるのも手です。
サイネージや永久的に演出展示できるような工夫をするといいでしょう。
例えば、コンビニのナチュラルローソン、壁や天井は額縁の演出POPやインテリアディスプレイで演出されていて、数年見ているけれど変わっていないです。

25ナチュラルローソン インテリアディスプレイ2

VMDインストラクターの皆さん、ぜひ壁と天井の演出キープしてくださいね。
店舗運営コスト削減の今、工夫とアイデアで店内の佇まい、持続させていきましょう。

ということで、今度の8月20日、銀座のいろいろなお店の壁見学、やりますよ~。
VP,PP,IPもいっしょに見てみましょう。
●銀座VMDフィールドワーク

(VMDインストラクター協会事務局)

マンガで見るVMDの手法

まんがで見る、VMDの手法

VMDの学校、売場塾メソッド、「フレームワーキング」とは何かについて、マンガを書いてみました。

まずは4コママンガをお見せします。

マンガで見るVMDの手法1
マンガで見るVMDの手法2
マンガで見るVMDの手法3
マンガで見るVMDの手法4

1コマ1コマ解説します。

1.売場をカメラアイで見る

人間の目の視野角って左右200度以上になるんです。
左右真横で180゜になるので、後ろも見えているということです。
ただし、有効視野角は60゜なので、60゜から200゜は、はっきり見えているのではなく、ぼんやりなんです。

さらに60゜ははっきり見えていると言っても、人間の目はスコープではありませんので、60゜より外の画像も多分に視覚的な影響を受けます。

例えば、ハンサムな男子があなたの目の前に立っているとします。
あなたの目は、ハンサムな男子をはっきりと捉えますが、男子の背景や側面も同時に捉えています。

ハンサムの背景が洞窟の中だったり、檻の中だったら「この人不気味だな」とか「ワルなのかな」と感じます。
反対に、背景がお花畑や遊園地だったら、「まあ、きれいな人」とか「楽しそうな彼氏」と思うでしょう。

これは感情の錯覚で、周りがキレイだとその人も潔癖だと感じ、周りがおどろおどろしいと「アブナい人」と感じてしまうということです。
たとえそのハンサムが本当に潔癖で礼儀正しく、やさしい人でも周りの風景によって真実は間違って受け取られてしまうんです。

これは売場に例えると、キレイなショッピングモールにテナントで入っているお店は、たとえその店がVMD的にダメな店でもキレイに見えてしまうことです。

私たちVMDインストラクターは店舗診断をする際に、この周りの景色をシャットアウトしたお店の真実を探り当てなければいけません。

なので、目をあえてカメラのファインダーにすることで、周りの風景をシャットアウトするんです。

1パンダ売場

例えば、パンダが好きなあなたは、パンダぬいぐるみ売場を見て「かわいいー」と、ついついVMDの花まるを付けていませんか。

パンダ売場を見る目をカメラアイにしてみましょう。
すると、「下のパンダのフェイスアウトがないな」と気づきます。
つまり、大きなパンダまくらの顔がないことに気づきます。(下写真)

2パンダ売場 拡大

こんな感じで他の風景をシャットアウトすれば、快場の水準に達していないマイナス要因が簡単に発見できるんです。

VMD担当だけでなく、店舗スタッフも同様にカメラアイで自分の売場を見ることをおススメします。
前述の通り、46時中お店にいるスタッフはキレイな商業施設のフロアにいるので、自分たちの店もキレイと勘違いしています。
そこで、カメラアイで売場を見ると、あら不思議、悪いところが浮き出てくるんではありませんか。

まずは売場を正しく見るために、あなたの目をカメラアイにしましょう。

2.カメラアイの写真と似た画像を思い描く

マンガで見るVMDの手法2

カメラアイの捉える画像は、フロア全体から、ゾーン、グループ、棚の陳列、POP、そしてディスプレイと多岐に渡ります。

次々と見る売場は必ずカメラのファインダーを覗くように見てください。
すると、「おや」という被写体がファインダーに映ります。

この「おや」というのは明らかに違和感です。
それは「こんなはずではなかった」という素直な感情です。

「おや」と感じたのは、頭の中に過去の「おや」の画像が反応しているから
例えば、先ほどのパンダの売場を見て「おや」と思ったのは、過去に映画館の怪獣ぬいぐるみ売場で見たあの違和感と同じでした。

そして「あの時とフェイスは同じになっている」というマッチングが突如起こります。
そう、ウルトラマンを見に映画館に行ったときに見たガボラと同じ状態になっているパンダに気がついたんです。

ガボラとネロンガのフェイシング

「そういえば、あの怪獣売場、フェイスがひどかったな」

そう思う反面、こんな売場画像とのマッチングも起こります。
ディズニーランドのぷーさんの売場、しぶちかのコロッケの売場・・・。

くまのプーさん売場
コロッケ売場

その他にもマッチング画像は続々出てきます。
過去に記憶したよいフェイシングも、悪いフェイシングの画像も、頭の引き出しから出てきます。

※ちなみに、この中でマイナスの写真は三角形の写真です。

フェイシングの事例を画像として頭の引き出しに入れているVMDインストラクターは、こんな感じで瞬時に感じた違和感を、引き出しの画像とマッチングすることによって「フェイシングが悪い」ことがわかるんです。

このマッチング時間は慣れるとたったの5秒で行われます。

3.フレームワーク用語を想起する

問題はどうして画像をすぐにマッチングできるのか?です。
言うまでもなく、画像の蓄積が少ない人は、その分マッチする画像が少ないので、「ひとつ、二つの事例でダメと言っていいのかな」と不安になります。

そう、事例画像が少ないと不安になるんです。
だから経験や実績を積んだり、常日頃から売場を見て訓練しないと、事例画像はアタマに蓄積しないんです。

VMDインストラクターは常日頃から、VMDの仕事中でなくてもいろんな売場をカメラアイで見ているので、経験として引き出しに画像が溜まっています。
だから優秀なVMDインストラクターはアタマの引き出しに事例がたくさん詰まっているんです。

ただし、引き出しに画像を溜める際の注意始点として、引き出しに名前を付けないとランダムな記憶のスクラップになる・・・ということを言っておきます。

写真を丁寧にアルバムに収納するように、頭の中に整理整頓して溜めるんです。
それには、引き出しに「55のフレームワーク用語」を付けるといいでしょう。

VMDインストラクターは、55のVMD専門用語を知っているので、引き出しに下記のような名前が付けられています。

  • フェイシング
  • リレーション
  • POP編集
  • ゾーニング
  • VMD分類
  • くくり

などなど最低55の引き出しが頭の中に入っています。

さらに細かく、

  • ネガティブスペース
  • キャッピング
  • コネクトポイント
  • コントラスト配色
  • アメーバ

などというような引き出しも持っているでしょう。

まるでAIが世界中のサイトを検索して瞬時に画像を持ってくるように、VMDプロは画像を探して当てます。
流行りのAIにフレームワーキングをなぞらえると、引き出しはタグのようなものです。
実際に、売場の写真を撮影しているVMDプロは、その写真にタグ付けをして保存してますので、フレームワーキングはまさにタグ検索と同じと考えてください。

※ちなみに写真のタグ付けの仕方はこちら。
●タイパ!売場写真整理術

みなさんがスマホで写真を日々撮っても、整理して保存しておかないので、スマホはほとんどデータのゴミ箱と化していることでしょう。
それと同じです。

4.画像に紐づけられたフレームワークを解説する

そして4コマ目は、VMDインストラクターである所作、アドバイスです。
アタマの中から取り出された画像は、あくまで仮想的な画像です。
写真としてプリントアウトできないし、エスパーでもないのでケータイに念写することはできません。

ではどうするか。
それは画像に紐づけられたフレームワーク用語をベースにして解説します。

先ほどのフェイシングかよい画像・・・

  • ディズニーランドのプーさんのぬいぐるみ売場
  • しぶちかのコロッケ売場
  • ビクトリノックスのナイフ売場
  • フレッドペリーのポロシャツ売場
ネガティブ要因写真2

それらの共通項である「よいフェイシング」とは何かを語るといいんです。
その画像を想像しながら語るんです。
画像はアタマの中に収納すればするほどVMDインストラクターとしてのコンサル能力が増します。

特に画像は

  • 自動車
  • 着物
  • 書籍
  • オーディオ
  • ネズミ捕り
  • 風邪薬
  • タイヤ
  • 冷蔵庫

などなどあらゆるアイテムの売場の画像をアタマの引き出しに収納してしましょう。

つまり、VMDコンサルになるのは食わず嫌いにならないことをおススメします。
でないと、どんな業種・業態・取り扱い商品でも対応できるVMDインストラクターにならないからです。

まとめ

だいたいわかりましたか。
売場塾独自の手法、フレームワーキング(R)。
今回はマンガで書いてみました。

マンガで書くのは、このブログ以来でしたよ。(笑)
●PP,IPと外国で言っても通じない

実のところ、このフレームワーキングという手法は専門的な分野ならどこの分野でもやっていることです。
そもそもフレームワークとは型のことであり、どんな業界でも存在しています。

例えば、

  • 医療業界
  • 天文学業界
  • 薬品業界
  • 物流業界
  • IT業界
  • 広告業界
  • 建築業界

といったみんなが関係する業界でも型は存在します。
それどころか、

  • 釣り業界
  • ペット業界
  • スキー・スノボ業界
  • 園芸業界
  • 飲食業界
  • ツアー業界

といった趣味関連でも型は存在するんですね。
例えば、ルアーフィッシングされる方は、

・ジギング
・フローティング
・バンプアンドキック
・マッチザベイト

などなどいろいろな型を知っています。

白鳳が横綱のころ、「型をもっているヤツは強い」と言いましたが、まさにそれ。
スポーツ業界はほとんど型を中心に選手がしのぎを削っています。
基本的な型はもちろんのこと、

・振り子打法
・スイーパー

などオリジナルな型を持っているイチローや大谷翔平みたいな選手もいます。
型を知るだけでなく、あなた独自のオリジナルな型を持つと、もっと強く超人になれるんです。

VMDプロを目指しているみなさん、ぜひフレームワーキング、会得してくださいね。
VMD業界のイチローや大谷翔平になってください。(^^)

フレームワーキングについて詳しくはこちらです。
●フレームワーキング


(vmd-i協会事務局)

アートとディスプレイ

アートなディスプレイは自然と秩序の中間

アートとは何か

今日は、アートなディスプレイとはどんなものか?についてお話しします。

商品を売らなければいけない商業の世界において、ディスプレイは広告そのもの。
絵や写真、彫刻やインスタレーションなどの美術作品は、そのものをアートとして売りますが、VMDの場合はディスプレイに使われている商品を売る、という宿命があります

それが、VMDのディスプレイは商業ディスプレイである所以です。

大丸のルイヴィトンのディスプレイ

もちろん、美術要素がないわけではありません。
上はデパート大丸のルイヴィトンのディスプレイですが、見事にアートが加わっています。

上は街で見かけた質屋のディスプレイ。
ルイヴィトンをただウインドウに置いただけになっています。
これでは、アートなディスプレイとは言えず、ウインドウは単なる物置きになっています。

物置きになっているディスプレイは通行人に見向きされません。
VMDのディスプレイはまずは通行人の目を向けさせなくてはいけません。

それにはVMDのディスプレイはアートでないといけないのです。
アートはWikiで次のように定義されています。

アートとは、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動を表す。

商品を単に置くだけでは、それを見る人には、「ディスプレイされている」「展示されている」とは感じません。
単なるモノが転がっているだけです。
ところがモノにアートを加えると、「温かい」「格好いい」「シンプルだ」などと感じが見る人に沸き起こります。

つまり、ディスプレイの発信する視覚的な情報が、見る人の脳に変化を与え、何かを感じさせるわけなのです。
当然、何も感じないディスプレイは素通りされるでしょう。

この話はディスプレイだけでなく、常日頃から目にするすべてのもの、それがコップであれ眼鏡であれ、建物であれ、テレビCMであれ、何も感じないものは素通りされる運命にあります。

例えば新聞広告。
上はサボンの美しい広告。
デザイン要素である色や写真がとても映えています。
新聞をめくっていて思わず見入ってしまいました。
広告会社に長年勤めていた私は、常に素通りされない広告をつくってきました。

VMDも同じ。
VMDのつくるディスプレイは、VP,PP,IPといって店内や店頭につくられますが、これをお客様に素通りされるとツライわけです。

※参照/VP,PP,IPとは

なので、私たちはいかに素通りさせずにお客様にディスプレイを見ていただけるか、常にアートを意識しながらディスプレイを組み立てているわけです。

自然と秩序の話

美術に関する文献でよく言われていることが、「アートは自然と秩序の中間がいい」ということ。

ディスプレイのバランスは自然と秩序の中間

自然とは人間の手の入っていない状態をいいます。
例えば海や湖、森や高原など、すべてが自然と言えましょう。

秩序とは、ある法則に基づいた物事の状態を言います。
例えば、きれいに整理された庭は秩序そのものです。
芝生には花壇がつくられ、ヒマワリが等間隔に並べられています。
池はひょうたんに形どられ、その中にコイが泳いでいます。

ところが、家に人が住まなくなると秩序は乱れ、自然に帰ってしまいますす。
芝生はなくなり、雑草が生えヒマワリは絶え野生の花が咲き実が落ちます。
池は大量の落ち葉で覆われ、ひょうたんの形も消滅、水は泥で濁ってしまいます。
つまり、自然が幅を利かせてしまいます。

軽井沢の写真で言うと、上が自然の状態。
下は秩序ある状態です。

軽井沢星のやの秩序ある庭園

実はこれ軽井沢「星の」やの庭です。(^^)

星のやの中を流れる川ってアートになっていてなんかおもしろいです。
自然の川もいいけれど、このように人の手が加えられて秩序が感じられる川もよいです。

この観賞用の川は「楕円の島とゆるかやなせせらぎ」のリピートになっていて、お茶を飲んでいる私たちの癒しとなっていました。

このように、雑草生い茂った自然の川よりも、人の手が加えられた秩序感じるアートな川の方が落ち着く感じがするのです。
テイストとしては、「ゆったり」「ほっこり」「のびのび」という感じです。

ディスプレイ制作での自然と秩序のさじ加減

今度は売場塾のワークショップの写真を使って説明します。

「三角構成でコップのディスプレイつくって」と言って受講生にディスプレイ作っていただきました。
何もヒントを与えずにつくってもらうと、たいがい下のような形になります。

三角構成 秩序あり

確かに三角構成なんですが、物足りない。
同じ方向で3色のコップを置き、シンメトリーに配置したコップは、三角構成としては問題ないんですが、アート性はあまり感じないです。

あまりにも「秩序」がありすぎて、アートらしさに欠けるんです。
この場合の「秩序」要素は、下記です。

  • 三角構成がリピートしている
  • コーヒーまたはジュースがテーマになっている
  • シンメトリーに配置している
自然すぎる三角構成

一方、こちらはどうでしょう。(上の写真)
あまりにも「自然」がありすぎて、やっぱりアートらしさは欠けています
この場合の「自然」要素は下記です。

  • コップの柄がバラバラ
  • コップの素材やサイズもバラバラ
  • 輪郭はずんぐりむっくり

この自然的なディスプレイと秩序的なディスプレイを比較してみましょう。
下写真を見てください。

ディスプレイ自然と秩序

いかがですか。
秩序があった方がよさそうな気がしますか?
でも秩序がありすぎると「四角四面」になってしまい、面白みに欠けます。
上写真の右は「三角三面」に面白みに欠ける、といっていいでしょう。

そこで、自然と秩序の中間の三角構成をつくってみました。
こちらです。

ほどよいアートな三角構成となっているのがわかります。
どこらへんがアートかというと下記です。

  1. 構造線がタテとヨコの2種類になっている。
  2. オレンジから緑のコップが飛び出していて動きを感じる。
  3. 伏せているコップと伏せていないコップを混ぜている。

つまり、変化があって楽しそうな三角構成になっているんです。
一見バラバラに見えるが、構造線を使った秩序が三角構成をアートにしているということです。

※参照/構造線(リニアスキーム)

自然に秩序を加えよう

さて、まとめです。
今度は街中のディスプレイを見てみましょう。

ハワイ ホノルル空港のディスプレイ

このディスプレイ、なんかゴチャゴチャし過ぎてアート性感じないですよね。
先ほどお見せした軽井沢の自然みたいな感じです。
これ、ホノルル空港のお土産のディスプレイなんです。

このように自然が過ぎると、空き家が草や木で覆われ朽ち果てたようになってしまいます。
秩序があるホノルルのDSFのディスプレイの方がよいですよね。(下写真)

 
 
さて、こちらはどうですか。
あなたが、スーパーマーケットのVMD担当だとして、「オフィスのインスタントコーヒー」というテーマでディスプレイを作りました。
自然寄りのコーヒーディスプレイ

うーん、なんか自然すぎてバラバラに見えますね。
やっぱり雑草生い茂る軽井沢です。

星のやの人工川のように秩序を与えました。(上写真)
秩序である型は下記の通り。

  1. トライアングル(三角構成)
  2. リピテーション
  3. マスターパターン
  4. 面積

2は繰り返し構成という型です。
繰り返し展示することにより、リズミカルな印象を見る人に与えます。

3マスターパターンとは、黄金比率でお馴染みの型。
この場合は、下のインスタントコーヒーの高さを1とすると、上のインスタントコーヒーの高さは、1.618になっています。
つまり、コーヒー箱の上下が黄金比率に配置されています。

※参照/ディスプレイの黄金比率

4.面積とは、群化の7つの法則のうちのひとつで、展示の周りに余白をつける型です。
余白はネガティブスペースといって、これがあると展示物は美しく目立ちます。

※参照/群化の法則とは

どうですか。
やっぱり自然と秩序の中間が心地よく、アート性もバツグンというのがわかったと思います。

自然すぎると、雑草ぼうぼうの深い森の中になってしまい、落ち着きません。
秩序過ぎると、四角四面で面白みのないものになってしまい、平凡です。

ディスプレイ制作を日々営んでいる皆さん、秩序と自然の中間を捉えてつくってくださいね。
すると、ディスプレイはアートになり、人々の目を捉えてくれます。

自然と秩序の備わったディスプレイをつくってみたい方は、ぜひディスプレイセミナーにお越しください。
半年に一度銀座で開催しています。
●ディスプレイセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)