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陳列の整理整頓は get thigs square

整理整頓とは、ものを四角くすること

英語でget thigs squareとは整理整頓するという意味です。
これ、直訳するとものを四角くするという意味です。
とても理にかなっている言葉だと思いました。

例えば、子供がメイプルマニアのバタークッキーを食べていたとします。
(上の写真)
外国人のあなたは子供にこう言うでしょう。
「Get thigs square!」(テーブルの上を整理しろ!)
慌てて子供は下の写真のように直しました。

写真を比べてみてください。
机の上のものが四角になっています。
下の写真を見てください。線を引きました。こんな感じです。
要はバラバラの方向を向いていたものを四角く固めたということです。

ディスプレイを整理整頓しよう

これはVMDのIP(商品陳列)に当てはめることができます。
上図を見てください。
あなたはインテリアショップの店長です。
テーブルの上の小物を見て嘆いています。
「なんだか商品がバラバラだな」。

何とかしたいですよね。
そこで、get thigs squareを応用します。
そこで、まずは商品をタイトにします
タイトとは、「寄せる」という意味です。
下図のように商品を寄せて商品のカタマリをつくります。

商品のカタマリの周りは隙間をつくってください。
この隙間のことをVMD用語でネガティブスペースといいます。
ネガティブスペースがあると、カタマリがわかりやすくなります

でもまだこのままでは、整理整頓は道半ば。
これを四角くしないといけません。
下図のように各々のカタマリを四角くしました。
これをくくりと言います。

陳列は四角く商品をかためることにより、整然としてきます。
線を入れると下図のようになります。

これはただ四角く固めただけではありません。
グリッドラインが合っているんです。
赤い点線がグリッドラインです。

グリッドとはタテヨコの線を揃えることを言います。
グリッドラインを揃えることにより、よりカタマリは整理整頓されます。
グリッドライン①は各カタマリの頭が揃っています。
グリッドライン②は各カタマリのタテ中央が揃っています。

まとめです。
改めてBefore Afterを見てみましょう。
整理整頓の仕方は次の順序。

  1. タイトに商品を固める。
  2. ネガティブスペースを各カタマリの間につくる。
  3. カタマリを四角くする。
  4. グリッドラインを揃える。

棚の陳列を整理整頓しよう

今度は実戦です。
コンビニのオーラルケアの売場を見てみます。(上の写真)

きれいな整理整頓ですね。
商品が四角くくくられているのがわかります。
しかもグリッドラインがピターーーーとあっています。
下の写真を見てください。
これが本当の整理整頓ですね。(^^)

アメーバは厳禁

今度はダメな例を見てみましょう。
一見、きれいな四角になっているように思います。

線を引いてみます。
あれれ、なんか気になるところが・・・。
そう、右のパイナップのトレーがアメーバになっているんです。(下の写真)

くくりが四角くなく、アメーバになってしまうと陳列は乱れてしまいます。
せっかくの壁面陳列が台無しですよね。
この場合は、アメーバの元凶になっているパイナップル1台をサーフボードに変えるだけでいいんです。
すると、壁面ディスプレイはきれいになるし、お客様も選びやすくなります。

アパレルショップの応用

あなたがアパレル店スタッフだとします。
4段ある棚に3色あるTシャツを畳み置きするとします。
サイズ別に上段からS,M,Lと並べていきました。
色でタテくくりになりました。
きれいな四角ですよね。

でも途中で本部からもう1色黄色の追加が来ました。
すると、「青はあまり売れないから黄色をいれちゃえ」と、あなたは無理矢理1色を追加して下図のようにしてしまいます。

あらら、見事なアメーバ。

これではきれいに見えないばかりか、お客様が選びにくくなってしまいました。
「青のLはどこにあるの?」
「黄色はSはないの?」
お客様はすぐに選べないので、あなたは質問攻めに。
ますます忙しくなってしまいました。

このように陳列をアメーバにしてしまいますと、デメリットの方が多くなります
この場合、あなたがやるべきことは、青を全部下げて黄色と変えること。
週ごとに様子を見て、色をローテーションしていけばいいのです。
つまり、いつも3色を保つということです。

それでも、どうしても4色出したいという場合は、他の什器や棚と調整がつかないか、試してみることです。
リレーション(隣に違う商品を入れてみること)、定数(什器の棚数を変えること)、VMD分類(各棚にサイズ別でなく色別に並べ替えるなど)などを駆使すれば、陳列は調整でき、すべてが丸く(四角く)収まります。

わかりましたか。
get thigs square!!
売場のたたずまいを美しくするには、get thigs square。
これを覚えてくださいね。

陳列もっと覚えたーーい、というあなたは、ぜひ「商品陳列」セミナーにお越しください。
7/28にオンラインで開催します。
●センスアップセミナー「商品陳列」

(VMDインストラクター協会事務局)

日米のVMD用語

PP,IPと外国で言っても通じない

今回の話は、当社がなぜ「明快な言語でVMDを教える」ことを大事にしているのか、わかると思います。

●フレームワーキング(R)

まず、あるモノやコトと、言葉の結びつきには絶対性がなく、住んでいる地域や国、民族でバラバラということを紹介します。

蝶と蛾の違い

日本語にあってフランス語にない言葉と言えば、「蛾」ですよね。
フランス人は蝶と蛾を区別する言葉がなく、両方とも「papillon パピヨン」といいます。

日本人にはかなり衝撃だと思います。
蝶というと優雅な舞いが想像され、「蝶のように舞い、・・・」みたいに華麗な感じを想像します。

「蛾のように舞い、ハチのように刺す」だと、うーんなんか汚いな・・・という感じ。
でもフランス人にとって、蛾も蝶も同じなんです。

恋と愛の違い

今度は、恋と愛という言葉について。
日本人は、恋と愛を言葉で区別するのに、アメリカ人は恋も愛も「Love ラブ」
同じなんです。

恋と愛は同じじゃん、という認識は日本人には理解できません。
ちなみに「恋人」と「愛人」はすごく違うのに、米国は両方とも「lover」。

実は逆もあるんです。

イギリスはウサギが2種類

それはウサギ。
イギリスでは、「ウサギ」は明確に二つに分けられています。
それは、「Rabbit ラビット」と「Hare ヘア」

ラビットとヘアの違い、わかりますか。
ラビットは穴を掘って集団生活する、おとなしく人に馴れやすい動物。
だからペットにしやすい。
ヘアはラビットより耳が長くて耳の先端が黒い。後足はヘアの方が長い。

うーん、我々にとってウサギはウサギだから、足や耳はいちいち見ないんです。
でも、確かにアリスに出てくるウサギや、ピーターラビットは穴を掘るからやっぱラビットなんでしょうね。

と思ったら、「不思議な国のアリス」に出てくるウサギは、最初に出てきて穴に落ちるウサギはラビットで、お茶会に出てくるウサギはヘアということでした。

わ・わからない・・・・。
どっちもウサギなのに。

確かに、オーストラリアに行ったときに、カンガルーを見たんですが、あっちだと、カンガルーとワラビーを使い分けているようでした。
ワラビーと言うと、靴しか思い浮かばないんですが・・・。

PPとIPの話

と、すごく長い前置きでしたが、VMD用語も同じで、PP,IPを区別しているのは日本人だけなんです。

そう、外国人にVPは通用しても、PP,IPは通用しないんです。
昨年お会いした、イギリスで長年VMDを勤めていた人も言っていました。
「そうなんだよね。イギリスにはPPもIPもないんだよね、ディスプレイは全部VPだもの」とうなづいていました。

実際、VMDの海外マニュアルや英語の文献を読んでも、PPやIPは出て来ないんです。
どうやら、Visual Presentationという英語は全般的なディスプレイを指しますが、PP(Point Presentation)やIP(Item Presentation)に相当する言葉はないようです。

私の感覚では、

PPは「フォーカルポイント focal point」や「アウトフィッティング outfitting」が近いかな、と思います。
フォーカルポイントは「空間の中で目立つところ」、アウトフィッティングは「服をコーディネートして見せること」を言うので、PPの代わりの語だと解釈してもいいかもしれません。

問題はIP。
IPは日本語では陳列という認識ですが、そもそも陳列という言葉が英語にありません
陳列と言う言葉を辞書で引くと、「Display」になってしまいます。

うーん、日本人は陳列とディスプレイは別もんなのですが、外国人に取ってIPもPPもVPもディスプレイになってしまいます。
Displayという言葉はあるので、ディスプレイを外国人が格好よく言う言葉がVisual Presentationなのでしょう。

おっと、ここでまたまた訂正!!
外国ではVMDと言わず、VMと言うんでした。
外国人にVMDと行っても通じないです。
そもそもVMDは和製用語ですから。

日本ではMDという言葉がマーチャンダイジングの短縮語として定着したので、それにV(ビジュアル)をくっつけてVMDにした・・・と言うのが定説になっています。
そもそも、外国ではMDと言うと、「品揃え」でなく「医学博士」になってしまいます。
Doctor of Medicinの意味です。
ややこしいですね。

なぜ、和製VMD用語が多いのか?

日本の流通はアメリカをお手本にして、VMDを輸入してきましたが、繊細な日本人はさらにVMD用語をつくって、細かく売場づくりを規制した・・・と言えます。
和製VMD用語を見てみましょう。

・リモデル remodel
 →お店をコンセプトから変えること。
 →アメリカでは、「改築」という意味でVMD用語ではない。
・リバイス revise
 →売場を短時間で編集すること。
 →アメリカでは、「本を修正する」という意味でVMD用語ではない。
・オーケストレーション orchestration
 →壁面の全体ディスプレイ
 →アメリカでは、「楽隊の配置計画」という意味でVMD用語ではない。
ハーモニゼーション harminization
 →棚の陳列に調子を加えること。
 →アメリカでは、「曲の旋律に和音を加える」という意味でVMD用語ではない。

美術用語から来ているVMD用語も多い

本来は絵画の用語ですが、それをVMDに応用している用語も多く、下記が代表格です。

・三角構成 triangle
 →絵の中で、人やモノ・風景の配置を三角形にすること
 →VMDでは、展示物や陳列物を三角形にすること。
・ネガティブスペース negative space
 →絵の中で、人物やモノが置かれていない空間。
 →VMDでは、何も置かない空間のこと。
・つなぎ rinking
 →絵の中で、人やモノを何かでつないで一体感をつくること。
 →VMDでは、ガーランド等で商品と商品をつなぐこと。
・群化 tight
 →絵の中で、人やモノを固めること。
 →VMDでは、商品を集めてタイトに陳列、またはタイトに展示すること。

これらを見ると、やっぱVMDって美術とリンクしているんだなと言うのがわかります。

そもそも用語って、あるモノ・コトを恣意的に言葉と結び付けて他と区別し、わかりやすくしているものなんです。
これは言語学者のソシュールが言った言葉なんですが。

なので、日本人にとってはVP・PP・IPという言葉をつくって、ディスプレイを恣意的に区別していると言えましょう。

ただし、これはアパレル店舗の話。
コンビニやドラッグストア、家電店でVP・PP・IPをつくることは難しいと思います。
だって、IPしかありませんからね。(笑)
その場合、IPを「陳列」、PP,VPを「展示」と言い換えるとよいです。
IP中心なのに無理にVP,PPを設置しなくてもよいです。

ちなみに当社のVMD用語辞典は下記をクリック。
全国のVMD担当者の皆さん、ぜひVMD用語、身に着けてください。~

(vmd-i協会事務局)

Jクルーの店内

ディスプレイの定義をつくろう

当社は3か月に1回、ディスプレイセミナーを日本橋で開催していて、VP,PP,IPをお教えしていますが、意外と覚えきれていない方がいます。

●VMDディスプレイセミナー

そんなわけで、今回はVPとPPの定義についてお話しします。
まずはディスプレイ用語、VP,PP,IPの説明をします。

●VP(ビジュアル・プレゼンテーション)
店前を歩いているお客様を立ち止まらせる大きな店頭のディスプレイのこと。

●PP(ポイント・プレゼンテーション)
店内のお客様を回遊させる、比較的大きなディスプレイのこと。

●IP(アイテム・プレゼンテーション)
お客様が選択購入しやすいように陳列されている商品ディスプレイのこと。

さて、VPを定義してみましょう。

「VPはフロア商品を代表するディスプレイ」
「VPはフロアの打ち出し商品のディスプレイ」
「VPは店舗の商品を代表するディスプレイ」
「VPは店舗の打ち出し商品のディスプレイ」

と定義1を書いてみました。

次に

「VPの展示商品はフロアのIPから選択する」
「VPの展示商品はフロアのIPの中になければいけない」
「VPの展示商品は店内のIPから選択する」
「VPの展示商品は店内のIPの中になければいけない」

と定義2を書いてみました。

すると、VPに展示している靴は、IPとしてこのフロアのどこかになければいけません。
VPに展示しているバレエのドレスも、IPとしてフロアのどこかになければいけません。

今度は、PPの意義1を書いてみます。

「PPは売場の商品を代表するディスプレイ」
「PPは売場の打ち出し商品のディスプレイ」

次に、PPの意義2を書いてみます。

「PPの展示商品は売場のIPから選択する」
「PPの展示商品は売場のIPの中になければいけない」

とすると、この売場のPPはOK。

アパレル店のPP

これもOK。

お菓子売場のPP

これもOK。

お菓子テーブルのPP

これはダメです。

コーヒー器具のPP

これもダメです。

紳士服店のPP

どうしてダメなのか、わかりますか?
詳しく解説します。

コーヒー器具売場を見ていきましょう。
確かにPPとしている上部の四角い箱に入った商品は下段のIPにあります。

しかし、PPにあってIPにないものもあります。
それは、一番上の中央の箱に入っている丸いサーバーです。
これが下にないんです。

ですので、PPとしては定義に外れるので×。
丸いサーバーを下げるか、IPに丸井サーバーを入れます。

次に、紳士服売場を見てみましょう。
まずオブジェがありますが、これはPPではありません。飾り物です。
シャツがたたんで置いてありますが、下段にはありません。
ですからPPとしてはバツです。

あなたはこう思うでしょう。
「そんな固いこと言わないで、見逃してやって」。

いえいえ、見逃すことはできません。
見逃すこと イコール 定義は意味をなさない・・・ことになるんです。

定義はそんなに甘くないことは、新型コロナウイルスのガイドラインを見れば一発でわかります。

例えば、コロナの第3.4ステージの定義は下記です。

新規感染者数は1週間で人口10万人あたり15人以上ならステージ3、
25人以上ならステージ4。

「あー、今日東京都は25人だった。せっかくずっと24人だったのに。
見逃して。第3ステージのままにして。一人くらいいいじゃない」

と言ったあなたに対して、国民の怒り心頭は頂点に達することでしょう。

そうなんです。
コロナ対応のガイドラインは何のためにあるかと言うと、国民の命を守るためにあるんです。

VMDのガイドラインは命にかかわらないかもしれないのですが、あなたの担当しているブランドの命にかかわること間違いなしです。
ガイドラインによる定義をうやむやにしたまま、店舗を運営していくとやがてはショップブランドの瓦解につながります。

さて、改めてPPの定義を見てみます。

PPの意義1。
「PPは売場の商品を代表するディスプレイ」
「PPは売場の打ち出し商品のディスプレイ」

PPの意義2。
「PPの展示商品は売場のIPから選択する」
「PPの展示商品は売場のIPの中になければいけない」

これもまだうやむやな言葉がありました。
それは「売場」という言葉です。

売場と言う定義があいまいだとやっぱり、PPはフロアにあるものならなんでもござれになってしまいます。
なので売場の定義をしっかりつくることが必要です。

・ここでいう売場とは、MDグループを指します。
・MDグルーブとはテーマに基づく商品群のことで、
 壁面なら5スパン以内、島什器なら3スパン以内とする。
・例えば、スポーツアパレルならば、ランニング、トレーニング、サッカーなどをMDグループと言う。
・例えば、ドラッグストアならば、風邪薬、コンタクト用品、メイク器具などをMDグループという。

こうすると、「売場」の定義が明確になっているので、6スパンを超えたIPはPPとして展示してはいけない。
自動的に、他のMDグループに属する商品はPPに入れてはいけない。
ということになります。
図をご覧ください。

PPの定義

棚の赤い部分は別MDグループの什器ですので、そこの商品が5スパンのMDグループのPPに入ってしまうと×ということです。

なのに、「他の売場の商品もPPに入ってしまっているけど、まあいいでしょう」
とVMDインストラクターのあなたが指導してしまうと、もうこの時点で定義は崩れてしまうし、ガイドラインは意味をなさなくなってしまいます。

そして店舗スタッフも「PPに使う商品は店内にあるものならなんでもいいんだ」ということになり、ガイドラインが意味ないものになってしまうんです。

たかがガイドライン、されどガイドライン。
これがあるおかげで、コロナ禍のオリンピックもスムーズに遂行できるんです。

そして、ガイドラインは更新していくということも忘れないでください。
「どうしてもこのままではうまく売場を運用できない」ということがあれば、協議の上、改定するといいでしょう。
すると、スムーズに行かなかったところが改善されていきます。

だいたいわかりましたか。
VMDのディスプレイはあいまいなところがあるので、都度定義をしっかりつくってあいまいさをなくしていくことが必要です。

(VMDインストラクター協会事務局)

ドラッグストアの化粧品売り場

ドラッグストア・化粧品店の売場づくりのコツ

ドラッグストア業界、このところますます勢いづいていますね。
コンビニやスーパーマーケットの機能を付加させ、流通の覇権争いの中心業態になっています。

一方、化粧品店はメーカー別チャネルの整理が進んでいて、お店や売場のブランディングが進んでいます。
特に自然派化粧品、高級化粧品のブランドVMDが盛んです。

VMDの学校{売場塾」では化粧品メーカーの受講率が高く、売場自体をブランド化する目的で勉強されている方も多いです。

●ハリウッド化粧品のVMD

そんなドラッグストアと化粧品店のVMDについて今回はお話しします。
化粧品店やドラッグストアでよく使う売場づくりのフレームワークは、下記です。

・POP編集・制作
・フェイシング
・リレーション(売場のつながりのこと)
・くくり
・テーマ設定
・PP・IPの配置方法
・マグネット売場

それでは個々の直し方を説明しましょう。

●POP編集

化粧品店の店内にはたくさんのPOPがあふれています。
メーカーの販促物としてのPOP、お店の制作したPOP、卸会社の持ち込みPOP・・・。
これらが入り乱れている売場が多いんです。

基礎化粧品売場を見てください。

メイベリン、マキアージュ、KATE、雪肌精、SK-Ⅱ、コスメデコルテ・・・。
こういったブランドサインが売場のあちこちにありますが、ほとんどPOPで隠れていると思います。

目薬売場を見てください。

スマイル40、サンテPC、マイティアCL、アイボン・・・。
薬のパッケージの商品名が見えない、効能のキャッチフレーズが読めないと思います。
それはPOPがパッケージに覆いかぶさっているからです。

まだあります。

有名なタレントのPOPが化粧瓶を隠しています。
POSレールは4.5cm幅なのに、8cmくらいの大きなPOPがニョッキっと出ていて、シャンプーのラベルが隠れている売場があります。
格安表示の大きなプライスカードは、商品説明POPの上に覆いかぶさっています。

結論から言いましょう。
POPは読めなければ意味がありません。商品は見えなければ意味がありません。
POPがきちんと読めて、商品がきちんと見えるように陳列してください。

それにはまず、POPと商品陳列を含めた棚割りを考えることです。
棚の空いた隙間にPOPを貼る・・・こんな考えではいけません。

●フェイシング

ブランド商品はパッケージ自体もブランド。
お客様が棚をパッと見てブランドらしさがすぐわかるようにフェイスをつくってください。

ネピアの鼻セレブは、ちゃんとペンギンの顔が見えていますか。
キンチョーの蚊取り線香は、鶏のマークが見えていますか。

Agプラスは、ニオイ鑑定人のオバさんシールが見えていないとCM想起はされません。
ユンケルはやっぱり、イチローの顔が隠れていてはブランド感が減退します。

化粧品や薬は、パッケージそのものがPOP。
商品名はもとより商品の特徴を表しているコピー、テレビCMのタレント、商品のシェイプ・・・それらがきちんと見えるように陳列してください。
それをフェイシングといいます。

●くくり

いろいろなメーカーの商品が並んでいる売場はにぎやかさがありますが、探しやすくないとお客様のためになりません。
メーカー別に陳列商品をくくっていると思っても、アメーバのようにくくっていては探しにくいです。
つまり、タテヨコの商品のグリッドラインを揃えて陳列しないと、どんな種類の商品がカタまっているのか、お客様にはさっぱりわからないのです。

エッセンシャル、TSUBAKI、いち髪、パントーン、キュレル・・・。
こうした商品が、ブランド別にくくられて、さらに香り別にくくられて、さらにシャンプーとリンスとにくくられて、さらに詰め替えとボトルにくくらなければいけません。
フェイスはまっすぐ列数もそ揃えて、くくりもタテヨコにグリッドラインを揃えましょう。

●テーマ設定

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」「夏の紫外線を撃破」「雨の日でもサラサラいい気分・・・」。
ワゴンエンドにその週のMDテーマ展示をしているお店は多いのですが、テーマに見合わない商品が棚にまぎれていないか、チェックしましょう。

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」の棚に肌をつるつるにする入浴剤を集めたのに、「温泉の素」がまぎれている。
「夏の紫外線を撃破」のエンドに日焼け止めや乳液などを置いたのに、カラフルマニキュアがまぎれている。

こんなことがないように、テーマに沿った商品が展示・陳列されているかチェックしましょう。
ワゴンエンドは、ひとつのテーマに絞り込むとわかりやすいです。

●PP・IPの配置方法

PPは展示のこと、IPは陳列のことですが、これが同じ棚にバラバラに置かれていませんか。
PPはポイント・プレゼンテーションといい、IPはアイテムプレゼンテーションといいます。

※IPとPPは当社ホームページ「VMDのディスプレイ」参照

SK-Ⅱの棚、コスメデコルテの棚、トワニーの棚、クレ・ド・ポーの棚・・・。
こうした高級化粧品は、POPと展示物と展示台を一体化させた「展示」が必要なんです。

もちろん、テスターやカタログ・パンフも「展示」の中に入ります。
そして、隣接して「陳列」を置き、そこで商品を買い上げてもらうようにします。
つまり、展示は商品をアピールする場所、陳列を商品を買う場所と、メリハリをつけてディスプレイするんです。

ところが、展示と陳列をごっちゃにして「空いた棚に適当に置いている」店は、展示と陳列がバラバラになり、在庫置き場のように見えてしまいます。
これでは高級化粧品のブランドは瓦解してしまいます。

そうならないように、たとえひと棚のディスプレイでも、ひとつのブランドに限定し、展示と陳列のメリハリをつけたものにすることです。

化粧品の売場って、とくにクリスマス時期になったら大変。
美容部員さんがツリーやリースを自社売場に展示するのはいいのですが、先ほど言ったように、展示と陳列の区別をつけないで適当に置いた場合は、あわれなブランド空間になります。
ツリーのようなプロップスを含めたすべてのディスプレイ用品をどう配置するか、ディスプレイ構成を考えてディスプレイしてください。

●リレーション

ドラックストアは、ラックを単調に並べてその中に商品を入れ込みます。
ラックは、アイテムごとに並べられており、店内は大きく、化粧品、薬、エチケット用品、健康器具、健康食品、・・・などと大分類されています。

そして化粧品が、メイク、基礎化粧品、ヘアケアなど。
薬が頭、目、口、体、皮膚、胃腸など。
エチケットが、アロマ、バス、ボディ、オーラル、マスクなど。
健康器具が、ボディ、フェイス、家庭用品、服飾など。

と中分類に分かれています。
その下に、小分類、小々分類と細かく棚が分かれています。

各々の大分類・中分類・小分類・・・の隣通しの分類群や商品群がリレーション、つまり関連性がないと、お客様にとって不便極まりない売場になってしまいます。
それどころか、ついで買いが誘発されないため、買い上げ率が少なくなってしまいます。

中分類では、メイクのヨコに目薬が来る、健康器具のヨコにエチケットが来る。
基礎化粧品のヨコにマスクが来る。
こういう並び方では、ついで買いも誘発されず、お客様は買いにくいままです。

メイクのヨコがたとえ薬ゾーンだとしても、皮膚関連薬にすべきですし、基礎化粧品のヨコがたとえエチケットゾーンだとしても、バス・ボディなどのリラックス商品にすべきでしょう。

●マグネット売場

マグネット売場とは、目立つ売場のことです。
あなたのお店は、とにかく棚に商品を詰め込んでしまい、倉庫のようなお店になっていませんか。

倉庫のようなお店だと、すべての売場が同じように見えてしまい、踵が動きません。
つまり、「あっちの売場、おもしろそうだから行ってみようかな」という視覚的に魅力的に見える売場がないと、お客様は店内を回遊してくれないのです。

店内回遊時間が少ないと、買い上げ率も少なくなり、1人当たり買い上げ単価も少なくなります。
なので、魅力的に見える売場をそこかしこにつくりましょう。

商品的には、大量にCM打っている商品、特売商品、梅雨対策などを一カタマリにしてマグネットにしましょう。

展示的には、タレントの等身大ポスター、大きなマスクをつけたヘッドマネキン、すだれなどの風物的なプロップスを使用して飾りつけをしましょう。

店舗デザイン的には、木製什器とナチュラルな壁紙を使って「ナチュラルダイエット」というコーナーをつくりましょう。

体験販促的には、酵素の試飲コーナーをつくったり、梅雨の洗濯対策プロモーションを行って人を引き付けましょう。

このようなマグネット売場をフロアのそこかしこにつくることによって、お客様の回遊率をアップさせ、店内滞在時間を長くできるんです。

だいたいわかりましたか。
化粧品店・ドラッグストアの売場改善の仕方。

以上お話ししたフレームワークは、売場づくりの基礎セミナーもしくは、売場の改装・改善セミナーで具体的にお話ししています。

興味ある方はぜひお越しください。

●売場づくりの基礎セミナー

●売場の改装・改善セミナー

お越しをお待ちしております!!

(vmd-i協会事務局)

箱出しフェイシングで商品はわかりやすくなる

フェイシングとは、商品を一目瞭然にわかる置き方をいいます。
店内を歩いているお客様は一瞬棚を見ますが、その時に商品の特徴が一目瞭然にわからないと、次の売場にさっさと行ってしまいます。

しかし正しいフェイシングをすると、お客様が商品をパッと見た瞬間に下記の商品特徴がわかるので、立ち止まって商品を見てくれます。

  • 柄がわかる
  • シルエットがわかる
  • 使い方がわかる
  • 開いた状態がわかる
  • 閉じた状態がわかる
  • コーディネートがわかる
  • ブランドがわかる
  • 商品名がわかる
  • 世界観がわかる
  • 機能がわかる
  • 効果がわかる

フェイシングを怠って、お客様をスーッと通り過ぎさせてはいけません。

さて、箱出しフェイシングとは、商品を箱から出して陳列または展示することを言います。
世の中、ほとんどの加工商品は箱や袋の中に入っています。

  • お土産店のお菓子、調味料、飲料、酒
  • 玩具店のおもちゃ、プラモデル
  • 文具店のギフトカード、フレーム、アルバム
  • 薬局の薬、化粧品、サプリメント
  • スポーツ用品店のダイエット器具

お菓子を例にとってみましょうか。
箱や袋の中に入っているお菓子は、そのままでは見えません。
透明袋のお菓子の場合でも、袋の中でお菓子ひとつひとつが小包装されています。
お菓子を袋から出してフェイシングしないと何が入っているのか、お客様はわかりません。

菓子袋や菓子箱をそのまま陳列してもわからないのです。
単純な話、
・ドーナッツが入っているのがわからない。
・バームクーヘンが入っているのがわからない。
・マドレーヌが入っているのがわからないのです。

なので、菓子店、またはメーカーはサンプルを用意して、皿に盛りつけるなどして「何が中に入っているのか」わかるようにする必要があります。
デパ地下のGケースでは、お菓子の盛り付け例は頻繁にディスプレイされていますが、お土産店では箱をどさっと置いただけの状態になっています。
その場合は、アクリルフィギュアケースを利用してサンプル展示するなどしなければいけません。

玩具店の場合は、おもちゃのパッケージが透明塩ビのブリスターケースになっているので、何が箱に入っているのかわかります。
ブリスターケースでない場合でも、箱に中身の写真が施されています。
しかし、ここで安心してはいけません。
この場合、箱をフェイスアウトして中身を見せたり、箱の写真を見せなければいけないのです。
平置き、つまりシェルビングして置いているお店は、お客様にとってただの在庫置き場にしか見えないでしょう。

クリスマスや誕生日のギフトカードもそうですね。
カードだけ棚に陳列しても、わかりません。
カードを袋から出し、カードを開いて立体的なオブジェになるということを見せなければいけないのです。

クリスマスカードを袋から取り出して、飛び出すクリスマスツリーをディスプレイすれば、
お客様はそれを見て「わあー、このクリスマスカードすごーい」ということになります。

さて、箱出しフェイシングするスペースがない!!と悲鳴を上げている方は、演出POPか商品説明POPを掲示することをお勧めします。
演出POPとは、商品を魅力的に見せるPOPのことです。
見えないフィナンシェを皿にきれいに盛り、美しいテーブルに置いて写真を撮ります。
それをA5POPに掲示するのです。

すると、それを見たお客様は、美しいお菓子のシズル感に感銘して、「おいしそう」と商品を購入する気になるのです。

次に、薬局の薬や化粧品のフェイシングはどうあるべきでしょうか。
薬の場合は、ピルを箱から出して展示しても意味はないですよね。
お客様にとって、薬の形状はあまり関心ないからです。
かぜ薬などは箱出しフェイシングは必要ないでしょう。

では何が必要か。
それは、薬のパッケージをよく見えるようにして陳列することに他なりません。
というのは、薬はパッケージ自体がPOPになっているからです。
効果、効能、用途などがパッケージにイラスト入りで書かれていて、商品説明POPと同じ働きをしているからです。
POPレールでパッケージを隠さないこと、これにつきます。

化粧品の場合は、化粧水や乳液などのびん自体がきれいなフォルムになっているので箱からびんを出してフェイシングします。
ただし、化粧品の場合も薬と同じく、「効果が期待できるか」にお客様の関心はいくので、効果・効能を商品説明POPに集約して掲示します。
この場合は、びんの横に商品説明POPをA5~A6POPサイズで置くとよいでしょう。

スポーツ用品店のダイエット器具も薬や化粧品と同様です。
器具がどのようなものか、箱から出して展示してください。
そして、どのようにトレーニングしたらよいのか、器具を試す体験スペースをつくるとさらによいです。
そして、POP。これを使えば本当に痩せるのか?というのがお客様の最重要課題なので、効果・効能の商品説明POPを設置します。

だいたいわかりましたでしょうか。
箱出し・袋出しフェイシング。

特にお土産屋さんにアドバイスしたいです。
平素からたくさんの外国人が押し寄せています。
お菓子の箱を平置きで積むだけにしないでくださいね。
ニッポンの個性的なお菓子を箱出し、袋出しして、魅力的に見せてください。

ラグビーワールドカップ、そしてオリンピック。
この機を逃さず、ニッポン繊細なVMD、発揮させてください。

なお、フェイシングに興味ある方は、ディスプレイ・ワークショップを時々行っていますので、ぜひ遊びに来てください。
お待ちしております。

●VMD売場づくりのディスプレイセミナー

(vmd-i協会事務局)